サイエンスアゴラ2013に出展

≪先進教育推進室≫
サイエンス・コミュニケーション・プロジェクト
先進教育推進室のサイエンス・コミュニケーショ
ン・プロジェクトは、11月9日(土)から2日間、東
京・お台場地域で開催された「サイエンスアゴラ
2013」で、3D映像を投影するための機器一式を収
納し立体映像を手軽に利用できるモバイルラック
「S・O・Ra(エス・オー・ラ)Mobile」を出展した。今
年のサイエンスアゴラは日本科学未来館を中心に産
業技術総合研究所臨海副都心センター、東京都立産
業技術研究センター、東京国際交流
館、フジテレビ湾岸スタジオ、シン
ボルプロムナード公園の6会場を使
って実施された。
3D映写関連のシステム開発研究
S・O・Ra Mobile(左写真)で4次元デジタル
宇宙ビューワーMitakaを体験する来場者
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であるS・O・Raプロジェクトは、金沢
高専の竹俣一也教授を中心に平成21
年から、感動デザイン工学研究所、未来デザイン研究所、
先進教育推進室と開発環境を変えながらも継続して推進
されている。S・O・Raプロジェクトでは国立天文台の協力
を得て、同台が開発した4次元デジタル宇宙ビューワー
「Mitaka」を上映コンテンツとして採用し、これまで開
発研究を進めてきた。今回発表したS・O・Ra Mobileは移動
時の持ちやすさを重視したモデルで、2台のプロジェク
タをひとつの筐体に格納していたものを分離したもので
ある。S・O・Ra Mobileは、白山市のエス・ディ・エス(株)
との共同開発によるものである。
サイエンスアゴラ2013への出展は、(独)科学技術振興
機構による公募で、平成24年後半から25年前半にかけて
S・O・Raを活用した訪問科学講座活動が評価され、採択さ
れたものである。出展ブースにS・O・Ra Mobile及び関連機
材一式をセットし、来場者が説明を聞きながらMitakaを
体験できる形式を取った。展示ブースのデザインは小髙
有普准教授が担当しており、他大学・機関等のブースに
比べて展示パネルの完成度は高いと感じた。また、サイ
エンス・コミュニケータは4月から南出章幸教授の指導
の下でトレーニングを積んできた電気電子工学科の池田
聖君、伴田将志君、藤田英晃君、藤本勇矢君が務めた。
機材設営から説明まで自主的にやれるまでに学習を積ん
でおり、教育と研究を兼ね備えた「高専における技術者
育成教育の手本」となるものである。2日間とも午前10
時30分から午後5時の終日出展で実施され、当該ブース
への来客数は2日間で1,277人に及んでいる。学生らはほ
とんど休む間もなくMitaka及びS・O・Ra Mobileについて
の説明に追われていた。
今年はヴェイサエンターテイメント(株)が協賛として
当該ブースに参加している。この企業は映像技術開発・
番組制作を生業とする新進気鋭の会社であり、
PANOVIEWERを出展してもらった。これは直径1.2mのドー
ムスクリーン及び操作用モニタを備えた、少人数向けの
全天周映像(ドーム映像)視聴システムである。感動デ
ザイン工学研究所の中村純生准教授もこのシステム開発
に参画している。中村研究室の大学院生である荒井祥君
全天周映像(ドーム映像)視聴システムを体験する来場者
が初日の説明を担当し、2日目は池田君が担当した。金
2)交流促進と発展活動
沢高専の4人の学生らはヴェイサエンターテイメントの
多様な科学コミュニケーション活動が集結するサイ
中山弘敬・全天周映像演出部部長からCG制作に対する
エンスアゴラでの交流から新たな連携が発展し、全国
専門的な話を聞くことができ、来場者・出展者の区別な
各地域において科学コミュニケーションが活性化する
くサイエンスについて語り合っており、これこそがサイ
ことにつなげる。
エンスアゴラの面白さ・醍醐味であろう。
サイエンスアゴラ2013は2日間でおよそ200のプログ
サイエンスアゴラは、(独)科学技術振興機構が主催す
ラムが実施され、一般向けの展示、子ども向けの体験イ
るもので「科学と社会をつなぐ」広場(アゴラ)となる
ベント、研究者向けの講演会・トークセッションなども
ことを標榜し、2006年より国内最大規模のサイエンスコ
多数開催された。全体の参加者は8,500人に及んでいる。
ミュニケーションイベントとして毎年行われている。今
来年度のサイエンスアゴラは11月8日から9日に開催予
年は次の2点が重視された。
定である。サイエンス・コミュニケーション・プロジェ
1)「伝える」とともに「つくる」へ広げる
クトのメンバーは来年度の出展採択を目指してこれから
知識や楽しさを「伝える」ためのコミュ ニケーショ
の1年間、地域におけるサイエンス・コミュニケーショ
ンをはかるとともに、科学についての対話や議論を行
ン活動を推進し、実績を積み上げていきたいと話してい
うことにより、よりよい将来社会をともに「つくる」
る。
ためのコミュニケーションにも範囲を広げていく。