高容量薄型電池の研究開発

平成25年度ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー研究活動報告書
研究開発課題代表者
(所属・職名・氏名)
マテリアルサイエンス研究科
教授
下田
達也
研究開発課題名
ナノレオロジープリンティング技術による実用電子デバイスの研究
(研究開発期間)
(平成25年度~27年度)
1. 研究開発課題の概要
ナノレオロジープリンティング(n-RP)の実用化技術開発に関して、平成22年度~24年度の活
動により、実用化に向けた装置の設計・製作、その導入と立ち上げ、そして実用デバイス作製へ
の課題が抽出された。
その課題から、特に次にあげる3課題の解決を目指す。
1)実用スループットの確保、パターン精度の向上、モールドの耐久性の実証
2)ロールtoシート法によるディスプレイ用画素と回路の作製研究
3)n-RP法によるMEMS素子ならびにコンデンサチップの試作研究
2. 研究成果(途中年度の場合は進捗状況)
1)実用スループットの確保、パターン精度の向上、モールドの耐久性の実証
①プレヒート方式の開発
n-RPの基本プロセスは200℃前後の温間で型押し加工することである。この機能を既存のロールt
oシート装置に付加する方法を検討した。
その結果、下図のような、ローラの進行方向に予備加熱用ヒータを持たせる機構を採用し、特許
出願(特願2013-249535)をH25年12月2日に済ませた。この加熱機構は熱伝導シミュレーションに
より効果も確認した。
プレヒート
ロールtoシート装置
プレヒートの概念図
このプレヒートの温度制御を適切に行うことでスループットも向上できる。
②モールド基板の固定方法
パターン精度を向上させ、モールドの耐久性を得るため、特に、モールドと基板の固定方法につ
いて種々検討した。その結果、接着方法を工夫することにより、アライメント精度(±10μm)が
得られた。デバイス作製のための当面の目標値をクリアした。
モールド
接着剤
接着剤による
モールド基板固定方法
基板
③超高精度アライメント技術の開発
アライメント機能とプレス機能を分離したRoll to sheet 方式インプリントシステムを採用し
て、高圧力、高温度、大面積の条件で、インプリント時にサブミクロン(±0.5μm) の超高精度
位置合わせを実現させる方式を開発した。
(特許登録済 特願2012-531913)
2)ロールtoシート法によるディスプレイ用画素と回路の作製研究
①微細パターンの開発
画素及び回路に使用される各種酸化物材料についてn-RP法による微細パターン形成について開
発した。
n‐RP 微細パターニング開発
絶縁材料
半導体材料
導電材料
ガラス基板
フレキシブル基板(PI)
on
残膜処理
RTA
低圧プラズマ
エッチング
ナノ
低温焼成 アライメント インプリント
大気圧プラ
ズマ
ナノインプリント
アライメント
装置
ホットプレート
インクジェット
スリット
コーター
スピンコート
製膜プロセス
ZrO, LaZrO, SiO2,LaO
IZO, InO
RuO, ITO
高温焼成
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n‐RP 酸化物パータンの形成例
酸化ジルコニウム(ZrO)パターン
A5サイズガラス基板
酸化ルテニウム(RuO)パターン
50um
フレキシブル基板
t = 38nm, ρ= 3.5 × 10‐5Ωcm
Koyama et,al, Proceedings of the 20th IDW,
1522-1525, 2013
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この成果は、H26年3月にIDWで発表しました。
Koyama et,al, Proceedings of the 20th IDW, 1522-1525, 2013
3.関係論文
ERATO下田プロジェクトの関係論文は下記のホームページにリストアップされています。
参考にしてください。
http://www.jst.go.jp/erato/shimoda/index.html
(作成に当たっての注意)
・ 研究開発課題の概要及び研究成果については、先端科学技術研究調査センターのホームページに掲載予定のため
公表可能な範囲で記入すること。
・ 2ページ以上4ページ以下(図表、写真等を含む)にまとめること。
・ 特許の出願番号、発明の名称等、実用化・製品化されたものがある場合は、その名称を挙げること。
・ 起業化まで進んだ場合は、その旨記載すること。