特別講演会 創薬分野への若手理論計算 化学研究者のチャレンジ 兼 平成26年度 大学院講義: 創薬分析・理論化学特論, 創薬研究実践特論, 機能分子共通演習 日 時 平成26年7月28日(月) 場 所 薬学部 2階 第4講義室 15:00〜17:00 講演1 15:00~15:45 「Quantum Mechanical/Molecular Mechanical (QM/MM) 法による酵素反応解析」 講師/蒲池 高志 先生(九州大学先導物質化学研究所・助教) 酵素は数万の分子量からなる巨大分子であり、通常の量子化学計算の対象とはなりえない。QM/MM法では反応が起こ る反応中心に量子化学計算 (Quantum Mechanics)をその他大部分に分子力学計算 (Molecular Mechanics)を行い、 それぞれの結果を組み合わせることで、巨大系についても高精度な計算を可能にしている。近年、この手法は酵素化学、 触媒化学など多くの分野で利用され、成功を収めている。これらの点が評価され、開発者にノーベル化学賞が授与された ことは記憶に新しい。本講演ではQM/MM法の基礎について解説し、酵素反応の解析に利用した研究例を紹介する。 講演2 15:45~16:30 「巨大生体分子系の理論・計算化学と創薬研究への応用」 講師/比多岡 清司 先生(九州大学先導物質化学研究所・博士研究員) 近年、薬学・化学・生命科学の急速な進展とは裏腹に医薬品開発の成功率は低下している。 一方で、スーパーコンピュータ「京」に代表されるように、近年の飛躍的なコンピュータの性能 向上とそれと歩調を合わせた理論・計算化学の進歩は目覚ましい。この先端的な理論・計算 化学を創薬にうまく応用できれば、新しい高確度な創薬の実現につながることが期待される。 以上の背景のもと、日本発の理論・計算化学手法の紹介、さらにこれらを応用した創薬研究 を紹介する。 連絡先 徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部 (薬学系) 創薬理論化学分野 中馬 寛・吉田 達貞 TEL:088-633-7257 (内線6210), E-mail:[email protected]
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