「海洋大気圏環境学」小テスト 5 担当: 荒井 正純 実施: 2014/7/4 【問題】 2層プリミティブ方程式における上層の圧力,下層の圧力の導出過程を述べよ. 【解答】 上層の圧力 pa 大気圧 上層の圧力を p1 とおくと,静水圧バラ z z=ξ z=z ンスは, H1 η z = −H1 − η 海面 ξ 基準海面 流体柱 着目する深度 密度境界面 (流れがない時) 密度境界面 (流れがある時) ∂p1 = −gρ1 ∂z (4.3a) である.これを,任意の深度 z = z から, 海面 z = ξ まで,積分する. ∫ ξ ∫ ξ ∂p1 dz = −gρ1 dz z z ∂z p1 |z=ξ − p1 |z=z = −gρ1 (ξ − z) ここで,海面での圧力 p1 |z=ξ は大気圧 pa と等しい.又,深度 z = z での圧力 p1 |z=z は今求めたい圧力 p1 である.従っ 海底 て,任意の深度での上層の圧力が, p1 = pa + gρ1 (ξ − z) (4.4) と求まる. この内,圧力の水平勾配にのみ寄与する項のみを取り出し,それを p′1 とおく. p′1 = pa + gρ1 ξ (4.7a) 下層の圧力 下層の圧力を p2 とおくと,静水圧バランスは, ∂p2 = −gρ2 ∂z である. M10 (4.3b) これを,任意の深度 z = z から,密度 大気圧 pa 境界面 z = −H1 − η まで,積分する. z z=ξ 上層 ∫ 海面 ξ −H1 −η z 基準海面 ∂p2 dz = −gρ2 ∂z ∫ −H1 −η dz z p2 |z=−H1 −η − p2 |z=z H1 = −gρ2 (−H1 − η − z) 密度境界面 (流れがない時) ここで,密度境界面における上層の圧力と η 下層の圧力の連続性により,z = −H − η 1 密度境界面 (流れがある時) で上層の圧力と下層の圧力は等しい. z = −H1 − η 下層 z=z 流体柱 着目する深度 (4.4) に z = −H1 − η を代入すると, 海底 z = −H p2 |z=−H1 −η = p1 |z=−H1 −η p1 |z=−H1 −η = pa + gρ1 (ξ + H1 + η) と求まるから, p2 |z=−H1 −η = pa + gρ1 (ξ + H1 + η) である.一方,深度 z = z での圧力 p2 |z=z は今求めたい圧力 p2 である.従って,任意の深度での下層の 圧力が, p2 = pa + gρ1 (ξ + H1 + η) + gρ2 (−H1 − η − z) ∴ p2 = pa + gρ1 ξ − g(ρ2 − ρ1 )(H1 + η) − gρ2 z (4.5) と求まる. この内,圧力の水平勾配にのみ寄与する項のみを取り出し,それを p′2 とおく. p′2 = pa + gρ1 ξ − g(ρ2 − ρ1 )η これを,換算重力定数, g′ = ρ2 − ρ1 g ρ2 (4.6) を用いて書き換える. p′2 = pa + gρ1 ξ − g ′ ρ2 η M11 (4.7b)
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