微分方程式 中間試験 (2014 年) 解答 担当:新國裕昭 約束 • 答えのみの解答は不可とします。計算の課程を必ず書いて,問題集の解答を作るつもりで答案を作成し ましょう。 • 携帯電話やスマートフォン,タブレットなどの通信機器は電源を切ってカバンにしまって下さい。(時計 代わりに使用したり,外部との通信をしたりすることは禁止します。) • 机の上には筆記用具,学生証,時計以外のものは置かないで下さい。 • 開始の合図があるまで,ページを開けないで下さい。 • 問題に不備があると感じた場合は,それを指摘することを問題とし,正しく指摘ができていることによっ て正解, 正しく指摘していなければ不正解とする. • 解答は採点終了後,ホームページに掲載するので復習すること. 平均点 42.9 点(110 点満点) 成績上位 108 点 (1 名), 88 点(2 名), 85 点 (1 名), 80 点 (2 名) 微分方程式 中間テスト 1 枚目 学籍番号 1 (1) 氏名 次の微分方程式を解きなさい. (40 点) dy dy = (x + 1)(y − 1) (2) = y2 − 1 dx dx 解答例 (1) y0 y−1 (3) xy dy = x2 + 4y2 dx (4) 点数 y0 − y sin x = sin x cos x = x + 1 より, 両辺を x で積分すると, log |y − 1| = 21 x2 + x + C0 (C0 は任意の定数). ±eC0 = C と おくと, y − 1 = e 2 x +x+C0 から, y = Ce 2 x +x + 1 (C は任意の定数 ). ) ( y0 dy 1 1 1 (2) y2 −1 = 1 と変形し,左辺を部分分数分解すると, 2 y−1 − y+1 = 1 となる. 両辺を x で積分すると, dx 1 2 1 2 1 (log |y − 1| − log |y + 1|) = x + C0 2 よって, log | y−1 | = 2x + 2C0 , すなわち y+1 y−1 y+1 (C0 は任意定数). = ±e2x+2C0 を得る. ±e2C0 = C とおくと, y − 1 = Ce2x (y + 1). これを y に 2x ついて解いて, y = 1+Ce を得る (C は任意の定数). 1−Ce2x y x 0 (3) y = y + 4 x と変形すると同次形であることがわかる. y x = v とおくと, y = xv となる. 両辺を x で微分して, にこれと = v を代入して, v + xv0 = 1v + 4v を得る. よって, xv0 = 1v + 3v = y0 = v + xv0 となるので, y0 = dv すなわち, 3v2v+1 dx = 1x という v についての微分方程式ができあがる. 両辺を x で積分すると, ∫ 1 (log(3v2 + 1))0 dv = log |x| + C0 (C0 は任意の定数) 6 x y + 4 yx y x 3v2 +1 , v となる. よって, log(3v2 + 1) = 6 log |x| + 6C0 = log x6 + 6C0 , すなわち, log 3vx6+1 = 6C0 を得る. よって, 3vx6+1 = e6C0 . 右辺の値を C とおいて, v = yx を代入すると, 3y2 + x2 = Cx8 (C は任意の定数) となる. (4) (yecos x )0 = y0 ecos x + y(− sin x)ecos x = sin x cos xecos x であるから, 両辺を x で積分して, ∫ ∫ ∫ cos x cos x cos x 0 cos x ye = sin x cos xe dx = − cos x(e ) dx = − cos xe + (− sin x)ecos x dx = − cos xecos x + ecos x + C 2 となる. よって, y = − cos x + 1 + Ce− cos x (C は任意の定数). 2 2 次の問いに答えよ.(20 点) (1) 微分方程式 (y − e x cos y)dx + (x + e x sin y)dy = 0 を解きなさい. (2) 微分方程式 (y2 + x)dx + xydy = 0 の積分因子を 1 つ求めよ. 解答例 (1) P(x, y) = y − e x cos y, Q(x, y) = x + e x sin y とおくと, Py (x, y) = 1 + e x sin y, Q x (x, y) = 1 + e x sin y ∫ x ∫ y より, 与えられた微分方程式は完全である. よって, u(x, y) = P(x, y)dx + Q(a, y) (a, b は定数) とおくと, a b u(x, y) = C0 が一般解となる (C0 は任意の定数). a, b は何でもいいので, a = b = 0 として, ∫ x ∫ y [ ] [ ]y=y x x x u(x, y) = (y−e cos y)dx+ sin ydx = xy − e x cos y x=x x=0 + − cos y y=0 = xy−e cos y+cos y−cos y+1 = xy−e cos y+1. 0 0 C = C0 − 1 とすれば, 一般解は xy − e x cos y = C (C は任意の定数) となる. (2) P(x, y) = y2 + x, Q(x, y) = xy とおく. Py (x, y) = 2y, Q x (x, y) = y より (2) の方程式は完全ではない. いま, ∫ x≥0 x Py −Q x 1 1 ϕ(x)dx log |x| = (x のみの関数 ) なので , ϕ(x) = とおくと , e = e = |x| = . 両辺に x をかけても Q x x −x x < 0 −x をかけても本質的には同じ式が得られるので, 積分因子は x である. 3 y0 = p とおいて, 微分方程式 y00 (x) = y0 (x) を解きなさい. (10 点) 0 解答例 y0 = p とおくと, 与えられた微分方程式は p0 = p となる. pp = 1 と変形して両辺を x で積分すると, log |p| = x + C (C は任意の定数) となる.±eC = C1 とおくと, y0 = C1 e x . これをさらに x で積分して, y = C1 e x + C2 (C1 , C2 は任意の定数). 微分方程式 中間テスト(2014 年) 2 枚目 学籍番号 氏名 (1) ベルヌーイの微分方程式 y0 + y = xy2 を解きなさい.(40 点) dy (2) + P(x)y2 + Q(x)y + R(x) = 0 の形の微分方程式をリッカチ型の微分方程式という. 関数 y1 = y1 (x) が dx この方程式の解であるとき, y = y1 + u とおくと, u = u(x) はベルヌーイの微分方程式 4 u0 + p(x)u = q(x)un の形の微分方程式を満たすことを示しなさい. また,そのときの n の値を求め, p(x), q(x) を y1 , P(x), Q(x) を用 いて表しなさい. dy (3) y = c がリッカチ型の微分方程式 − xy2 + (2x + 1)y − x − 1 = 0 の解となるように定数 c の値を定めよ. dx dy (4) リッカチ型の微分方程式 − xy2 + (2x + 1)y − x − 1 = 0 の一般解を求めよ. dx 0 解答例 (1) z = 1y とおくと, y = 1z . 両辺を x で微分すると, y0 = − zz2 となる. これを与えられた微分方程式に 代入すると, −z0 + z = x, すなわち, z0 − z = −x を得る. (ze−x )0 = z0 e−x − ze−x = −xe−x であるから, 両辺を x で積分 して, ∫ ∫ ∫ ze−x = − xe−x dx = x(e−x )0 dx = xe−x − e−x dx = xe−x + e−x + C (C は任意の定数) 1 を得る. これから, z = x + 1 + Ce x がわかり, z = 1y から一般解 y = x+1+Ce x (C は任意の定数)が得られる. dy dy1 (2) y1 は + P(x)y2 + Q(x)y + R(x) = 0 の解であるから, + P(x)y21 + Q(x)y1 + R(x) = 0 … ➀ が成り立つ. dx dx dy 次に, y = y1 + u を + P(x)y2 + Q(x)y + R(x) = 0 に代入すると, dx y01 + u0 + P(x)(y21 + 2y1 u + u2 ) + Q(x)(y1 + u) + R(x) = 0 となる. これと ➀ を組み合わせると, ベルヌーイの微分方程式 u0 + (2P(x)y1 + Q(x))u = −P(x)u2 が得られる. こ の式から, n = 2, p(x) = 2P(x)y1 + Q(x), q(x) = −P(x) であることがわかる. (3) y = c を与えられた方程式に代入すると, −c2 x + (2x + 1)c − x − 1 = 0, すなわち, −(c − 1)2 x + c − 1 = 0 を 得る. これがいつでも整理する(つまり, すべての x に対して成り立つ)ためには, c = 1 でなければならない. (4) y = 1 + u とおいて, 与えられた方程式に代入すると, u についての微分方程式 u0 + u = xu2 を得る. これ 1 0 2 は (1) と同じ方程式であるから, u = x+1+Ce x (C は任意の定数) が u + u = xu の一般解となる. よって, 与えられ 1 た方程式の一般解は, y = 1 + x+1+Ce x (C は任意の定数) である.
© Copyright 2025 ExpyDoc