近畿大学医学部(前期)2014 年度入学試験 解答速報 数学 平成26年 1月26日 実施 1 円 C1 に内接する四角形 ABCD があり,2 つの辺の長さが AB = 1, BC = 2 となっている. ̸ ABC = θ とおく.次の 問に答えよ. (1) AC2 = m + n cos θ と表すと m = ア , n= イ である.ただし, m, n は整数とする. (2) 四角形 ABCD の残りの辺の長さが CD = 2, DA = 4 となっている. このとき, cos θ = ウ また,円 C1 の半径は , AC = オ エ である. ,四角形 ABCD の面積は カ である. 解答 ア. 5 イ. −4 ウ. − √ 3 4 √ 5 √ エ. 2 2 オ. 14 カ. 7 4 7 4 解説 (1) 三角形 ABC に余弦定理を適用して, AC2 = AB2 + BC2 − 2AB · BC cos θ = 5 − 4 cos θ (2) 三角形 ACD に余弦定理を適用して, AC2 = AD2 + CD2 − 2AD · CD cos(π − θ) = 20 + 16 cos θ. √ 3 これと (1) より cos θ = − ,AC = 2 2. 4 √ 7 AC sin θ = と正弦定理より = 2R が成り立つので 4 sin θ √ 2 2 4 √ 14. R= = 2 sin θ 7 四角形 ABCD の面積は D 4 2 A 1 △ABC + △ACD = = 1 1 · AB · BC sin θ + · AD · CD sin(π − θ) 2 2 √ √ 7 5 √ + 7= 7 4 4 θ C B 2 2 s を 0 < s < 1 の範囲にある実数とする. △ABC において,辺 AC を 2 : 3 に内分する点を D ,辺 BC を s : 1 − s に 内分する点を E とする.また線分 BD と線分 AE の交点を F とする.次の問に答えよ. −→ −→ (1) AF = k AE とおく. k を s を用いて表せ. (2) △AFD の面積が △EFB の面積の 2 倍になるように s を定めよ. (3) AB = 3, AC = 2, −→ −→ BAC = 60◦ とする. AE ⊥ BC となるように s を定めよ. ̸ 解答 (1) メネラウスの定理より EB CD AF · · = 1 ⇐⇒ FE BC DA AF s 3 · · =1 FE 1 2 −→ したがって AF : FE = 2 : 3s となるので, AF = 2 2 −→ AE がわかる.したがって k = 3s + 2 3s + 2 (2) メネラウスの定理より DA CE BF · · = 1 ⇐⇒ FD AC EB BF 2 1−s · · =1 FD 5 s したがって BF : FD = 5s : 2(1 − s) である.題意より (△AFD の面積)= 2(△EFB の面積) ⇐⇒ ⇐⇒ FA · FD = 2FB · FE ⇐⇒ 2 · 2(1 − s) = 2 · 5s · 3s √ −1 ± 31 2 15s + 2s − 2 = 0 ⇐⇒ s = 15 √ −1 + 31 15 −→ −→ −→ −→ −→ −→ (3) AB · AC = |AB||AC| cos 60◦ = 3 である. AE · BC = 0 より 0 < s < 1 より s = −→ −→ −→ −→ {(1 − s)AB + sAC} · (AC − AB) = 0 ⇐⇒ −→ −→ −→ −→ −→ −→ (1 − s)AB · AC − (1 − s)|AB|2 + s|AC|2 − sAC · AB = 0 ⇐⇒ 3(1 − s) − 9(1 − s) + 4s − 3s = 0 ⇐⇒ s= 6 7 A 2 A D k 60◦ 3 3 2 F 1−k B s 1−s E 図1 C B E 図2 C 3 xy 平面上の点 P の x 座標, y 座標をそれぞれ Px , Py と書く. Px , Py がともに整数であるような点 P を格子点とい う.次の問に答えよ. (1) 原点 O と点 A(18, 12) を結ぶ線分 OA がある.線分 OA 上にある格子点の個数を求めよ.ただし両端 O,A も線分 OA 上の点とする. (2) O,A と点 B(18, 0) を頂点とする △OAB の周または内部にある格子点の個数を求めよ. (3) n を正の整数とする.2 点 C(n, 0), D(0, n) を考える.格子点 P が △OCD の周または内部を動くとき Px の総和を m1 とおく.また, |Px − Py | の総和を n が偶数のとき m2 ,n が奇数のとき m3 とする. m1 , m2 , m3 を n の式で表 せ.ただし解答は an3 + bn2 + cn + d のように n の次数について整理し,降べきの順(次数の高い順)に書くこと. 解答 (1) 線分 OA の方程式は y = 2 x 3 (0 < =x< = 18) なので,線分 OA 上の格子点は,(0, 0), (3, 2), (6, 4), (9, 6), · · · , (18, 12) の 7 個. (2) E(0, 12) とおく.長方形 OBAE の周および y E 12 A(18, 12) 内部の格子点の総数は,19 × 13 = 247 個で ある.これと (1) の解を利用すると,求め る格子点の個数は, 247 − 7 + 7 = 127 個 2 (右図参照). B (3) 線分 CD の方程式は y = −x + n (0 < =x< = n) である. y まず最初に,m1 から求めよう. x=k x 18 O D(0, n) (k = 0, 1, 2, · · · , n) 上の格子点の個数は −k + n + 1 個 なので(図 1 参照),求める総和 m1 は, m1 = n ∑ k(−k + n + 1) = k=0 = n ∑ {−k2 + (n + 1)k} k=0 1 2 1 1 3 n + n + n 6 2 3 −k + n + 1 個 C(n, 0) O k 図1 x m2 , m3 を求める. 直線 y = x 上の点については Px = Py が成り立つことと対称性によって,直線 y = x の下側の領域 (Px > Py ) について 調べて 2 倍すればよい. (i) n が偶数のとき ( x + y = n と y = k の交点は (n − k, k) n 0< =k< = 2 ) y なので, y = k 上の格子点は y=x (k + 1, k), (k + 2, k), · · · , (n − k, k) であり,|Px − Py | の値は n 2 1, 2, · · · , n − 2k y=k その和は 1 (n − 2k + 1)(n − 2k) 2 O 図2 したがって, x n−k k k+1 x+y =n n m2 = 2 2 ∑ 1 k=0 2 1 3 3 2 5 n + n + n 6 4 6 (n − 2k + 1)(n − 2k) = (ii) n が奇数のとき 同様にして, y n−1 m3 = 2 2 ∑ 1 k=0 2 (n−2k+1)(n−2k) = 1 3 3 2 5 1 n + n + n+ 6 4 6 4 y=x n−1 2 y=k O n−k k k+1 図3 x x+y =n m2 ,m3 を求める別解 y x − y > 0 の部分の総和を求めて,それを 2 倍する方針でいく. x − y = k ⇔ y = x − k (1 < = k < = n) 上の格子点の個数は, この直線と CD の交点が [ ] ( n+k n−k , 2 2 ) D(0, n) この直線上では |Px − Py | = k であることより, n−k + 1 個である(図 4 参照).ここで [x] は x を超えない 2 最大の整数を表す.いわゆるガウス記号.以下,この個数を ak と おく. y =x−k n−k 2 [ n−k 2 ] +1個 C(n, 0) k まず,n が偶数であるとき,n = 2N (N は正の整数)とおくと, ① k = 2l − 1 (l = 1, 2, · · · , N ) のとき, [ ak = ② k = 2l 2N − 2l + 1 2 ] [ +1= N −l+ 1 2 ] +1=N −l+1 (l = 1, 2, · · · , N ) のとき, [ ak = 2N − 2l 2 ] + 1 = [N − l] + 1 = N − l + 1 図4 x したがって①②より,求める総和 m2 は, m2 = 2 n ∑ { kak = 2 k=1 = N ∑ N ∑ l=1 l=1 (2l − 1)(N − l + 1) + ··· = 1 1 n N (N + 1)(4N + 5) = · 3 3 2 = 1 3 3 2 5 n + n + n 6 4 6 ( } (2l)(N − l + 1) ) n + 1 (2n + 5) 2 ( ... N = n 2 ) 次,n が奇数であるとき,n = 2N − 1 とおくと, ① k = 2l − 1 (l = 1, 2, · · · , N ) のとき, [ (2N − 1) − (2l − 1) 2 ak = ② k = 2l ] + 1 = [N − l] + 1 = N − l + 1 (l = 1, 2, · · · , N − 1) のとき, [ ak = (2N − 1) − 2l 2 ] [ +1= N −l− 1 2 ] + 1 = (N − l − 1) + 1 = N − l したがって①②より,求める総和 m3 は, m3 = 2 n ∑ k=1 = { kak = 2 N ∑ N −1 l=1 l=1 (2l − 1)(N − l + 1) + ··· = 1 n+1 1 N (N + 1)(4N − 1) = · 3 3 2 = 1 (n + 1)(n + 3)(2n + 1) 12 = 1 3 3 2 5 1 n + n + n+ 6 4 6 4 ( ∑ } (2l)(N − l) ) n+1 + 1 (2n + 2 − 1) 2 ( ... N = n + 1 2 ) 近大前期 2014 講評 1 図形問題 (円に内接する四角形) レベルは易 典型問題であり,ぜひとも完答したい. 2 平面ベクトル (三角形) レベルは易 計算も簡単である.メネラウスの定理を用いてすっきりやりたい.これもぜひとも完答しておきたい. 3 格子点 レベルは難 (3) は方針も立ちにくいし,それをクリアしても計算が重く,完答は難しいだろう. 題材的にはどれも典型題ではあるが,難易の差が激しく 1,2 番は完答したが 3 番は途中までしかできなかった,という生徒が 多かったろう.差が付きにくいセットだったと言える.1 番 2 番を完答して 3 番でどこまで戦えるかが勝負の分かれ目.合格に は最低でも 8 割程度は必要であろう. メビオ 医歯学部進学予備校 〒 540–0033 大阪市中央区石町 2–3–12 ベルヴォア天満橋 TEL 06–6946–0109 FAX 06–6941–9416 URL http://www.mebio.co.jp/
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