! (30 点)

京大理系数学 2014 解答例
! 座標空間における次の 3 つの直線 l ,m ,n を考える:
l は点 A(1 ,0 ,- 2) を通り,ベクトル u = (2 ,1 ,- 1) に平行な直線である.
m は点 B(1 ,2 ,- 3) を通り,ベクトル v = (1 ,-1 ,1) に平行な直線である.
n は点 C(1 ,- 1 ,0) を通り,ベクトル w = (1 ,2 ,1) に平行な直線である.
P を l 上の点として,P から m ,n へ下ろした垂線の足をそれぞれ Q ,R とする.
このとき,PQ2 + PR2 を最小にするような P と,そのときの PQ2 + PR2 を求めよ.
《解答》
l : (x ,y ,z) = (1 ,0 ,- 2) + s(2 ,1 ,- 1) (s は実数)
m : (x ,y ,z) = (1 ,2 ,- 3) + t(1 ,- 1 ,1) (t は実数)
n : (x ,y ,z) = (1 ,- 1 ,0) + u(1 ,2 ,1) (u は実数)
P は l 上の点より (1 + 2s ,s ,- 2 - s) とおくことができ,P から m ,n
へ下ろした垂線の足をそれぞれ Q ,R とすると,Q は m 上,R は n 上であ
るから,
Q (1 + t ,2 - t ,- 3 + t) ,R (1 + u ,- 1 + 2u ,u)
とおけ,
L
PQ = (t - 2 s ,- t - s + 2 ,t + s - 1) ,
L
PR = (u - 2 s ,2 u - s - 1,u + s + 2)
である.
L
L
PQ ^ v ,PR ^ w
であるから,
L
 PQ
•v = 0

- t = 1,s = 2 u ººº 1
L
 PR • w = 0
である.
よって,
PQ2 + PR2 = {(t - 2s)2 + (2 - t - s)2 + (- 1 + t + s)2}
+ {(u - 2s)2 + (- 1 + 2u - s)2 + (2 + u + s)2}
であり,1 を用いると
PQ 2 + PR 2 =
21 2
s +7
2
である.
ゆえに,PQ2 + PR2 は s = 0 すなわち P (1 ,0 ,- 2) のとき最小であり,
その最小値は
7 ………(答)
である.
(30 点)
京大理系数学 2014 解答例
@ 2 つの粒子が時刻 0 において GABC の頂点 A に位置している.これらの粒子
は独立に運動し,それぞれ 1 秒ごとに隣の頂点に等確率で移動していくとする.
たとえば,ある時刻で点 C にいる粒子は,その 1 秒後には点 A または点 B にそ
れぞれ
1
の確率で移動する.この 2 つの粒子が,時刻 0 の n 秒後に同じ点にい
2
る確率 p(n) を求めよ.
《解答》
時刻 0 の n 秒後(n は 0 以上の整数)に 2 つの粒子が同じ頂点に位置して
いる事象を X とすると,遷移は次のようになる.
X
1
2
X
1
4
1
2
3
4
よって
1
1
+ {1 - p( n)} ¥
2
4
1
p( n) +
4
1
1
=
p( n) 4
3
p( n + 1) = p( n) ¥
-
1
4
1
p( n + 1) 3
p( n + 1) =
{
}
が成り立つ.
条件より,p(0) = 1 であるから,求める確率 p(n) は
1 
=  p(0) 3 
2 1 n 1
p( n) = ∑
+
3 4
3
p( n) -
-
である.
ªº
ªº
1 1
∑
3 4
n
( n = 0 , 1 , 2 , 3 , ºº )
(30 点)
京大理系数学 2014 解答例
# GABC は,条件 –B = 2–A ,BC = 1 を満たす三角形のうちで面積が最大の
ものであるとする.このとき,cos–B を求めよ.
(35 点)
これを用いると,S(q) の増減表は次のようになる.
q
0 º a º
S ' (q)
S (q)
+
0
W
p
3
Q
よって,q = a のとき S(q) は最大値をとる.求める cos –B の値は
cos ∠B = cos 2 a
《解答》
=
–A = q とすると,条件より
–B = 2–A = 2q
である.
であり,–C = p - 3q であるから
0 < 3q < p - 0 < q <
p
3
である.
GABC において,正弦定理より
AB
1
=
sin(p - 3q) sin q
- AB =
sin 3q
= 3 - 4 sin 2 q
sin q
であるから,GABC の面積を S(q) とすると
1
∑ 1 ∑ (3 - 4 sin 2 q) ∑ sin 2q
2
1
= (1 + 2 cos 2q) sin 2q
2
1
= (sin 2q + sin 4 q)
2
S (q) =
である.これより
S '(q) = cos 2q + 2 cos 4 q
= 4 cos 2 2q + cos 2q - 2
である.
ここで, 0 < q <
-
p
より,
3
1
< cos 2q < 1
2
である.4x2 + x - 2 = 0 を解くと,
x=
- 1 ± 33
8
であり,
1 - 1 + 33
- 1 - 33
<- <
<1
8
2
8
であるから,S'(q) = 0 つまり
cos 2q =
- 1 + 33
8
となる q の値 q = a が 0 < q <
p
にただ 1 つ存在する.
3
- 1 + 33
8
京大理系数学 2014 解答例
$ 実数の定数 a ,b に対して,関数 f(x) を
f(x) =
ax + b
x2 + x + 1
で定める.すべての実数 x で不等式
(35 点)







- 


(a + 1)2
+ b+1≥ 0
4
(a - 1)2
-b+1≥ 0
4
1
b ≥ (a + 1)2 - 1
4
1
b ≤ - (a - 1)2 + 1
4
-
である.これを図示すると,次図の色付き部分となる.(境界線を含む.)
f(x) ≤ f(x)3 - 2f(x)2 + 2
が成り立つような点 (a ,b) の範囲を図示せよ.
b
1
b = (a + 1)2 - 1
4
《解答》
f(x) ≤ f(x)3 - 2f(x)2 + 2 ……… 1
-
{f(x) + 1}{f(x) - 1}{f(x) - 2} ≥ 0
-
- 1 ≤ f(x) ≤ 1 ,2 ≤ f(x)
- 3 -1
である.
f(x) =
ax + b
x2 + x + 1
の分母について
ª
x2 + x + 1 = x +
1
2
º + 43 > 0
2
である.また,f(x) は連続で
lim f(x) = 0
xƱ•
であるから,すべての実数 x に対して不等式 1 が成り立つための条件は
- 1 ≤ f(x) ≤ 1
がすべての実数 x で成り立つことである.すなわち,
- 1 ≤ f(x) ≤ 1
ax + b
- -1≤ 2
≤1
x + x +1
- - (x 2 + x + 1) ≤ ax + b ≤ x 2 + x + 1
 x 2 + (a + 1)x + b + 1 ≥ 0
-  2
 x - (a - 1)x - b + 1 ≥ 0
がすべての実数 x で成り立つことである.
ª a 2+ 1 º - (a +4 1)
a -1
- (a - 1)x - b + 1 = ª x º - (a -4 1)
2
x 2 + (a + 1)x + b + 1 = x +
x2
より,求める a ,b の条件は
2
2
2
2
+b +1
-b +1
1
a
1 3
-1
1
b = - (a - 1)2 + 1
4
O
京大理系数学 2014 解答例
% 自然数 a ,b はどちらも 3 で割り切れないが,a3 + b3 は 81 で割り切れる.
このような a ,b の組 (a ,b) のうち,a2 + b2 の値を最小にするものと,その
ときの a + b の値を求めよ.
2
2
(35 点)
(ii) A + B ≥ 18 のとき
A ,B の少なくとも一方は 9 以上であるから,a ,b の少なくとも一方は
3 • 9 - 1 = 26 以上である.よって
a2 + b2 ≥ 262 > 365
である.
( i ) ,(ii) より,a2 + b2 は (a , b) = (13 , 14) ,(14 , 13) のとき
最小値 a2 + b2 = 365
《解答》
をとる.
整数 n に対して
(3n ± 1) = 27n ± 27n + 9n ± 1 (複号同順)
3
3
2
であるから,整数 k ,l に対して
(3k + 1)3 + (3l + 1)3 を 3 で割った余りは 2
(3k - 1)3 + (3l - 1)3 を 3 で割った余りは 1
(3k + 1)3 + (3l - 1)3 を 3 で割った余りは 0
である.
よって,3 の倍数ではない 2 つの自然数 a ,b に対し,a3 + b3 が 3 の倍数
となるのは,a ,b を 3 で割った余りが異なる場合に限られる.
よって
a = 3A + 1 ,b = 3B - 1 (A ,B は A ≥ 0 ,B ≥ 1 を満たす整数)
として,一般性を失わない.
このとき
a3 + b3 = (3A + 1)3 + (3B - 1)3
= 27(A3 + B3) + 27(A2 - B2) + 9(A + B)
= 9(A + B){3(A2 - AB + B2) + 3(A - B) + 1}
であり,A2 - AB + B2 ,A - B はともに整数であるから
3(A2 - AB + B2) + 3(A - B) + 1
は 3 の倍数ではない.
よって,a3 + b3 が 81 の倍数になるための条件は A + B が 9 の倍数である
ことである.
(i) A + B = 9 のとき
(A , B) = (0 , 9) ,(1 , 8) ,(2 , 7) ,(3 , 6) ,(4 , 5) ,(5 , 4) ,
(6 , 3) ,(7 , 2) ,(8 , 1)
\ (a , b) = (1 , 26) ,(4 , 23) ,(7 , 20) ,(10 , 17) ,(13 , 14) ,
(16 , 11) ,(19 , 8) ,(22 , 5) ,(25 , 2)
であり,これらの中で a2 + b2 が最小となるのは
(a , b) = (13 , 14)
のときで,このとき
a2 + b2 = 132 + 142
= 365
である.
京大理系数学 2014 解答例
^ (35 点)
よって,面積を求める図形は,図の色付き部分で,その面積を S とおくと
S=
双曲線 y =
1
の第 1 象限にある部分と,原点 O を中心とする円の第 1 象限に
x
ある部分を,それぞれ C1 ,C2 とする.C1 と C2 は 2 つの異なる点 A ,B で交わ
り,点 A における C1 の接線 l と線分 OA のなす角は
p
であるとする.このと
6
き,C1 と C2 で囲まれる図形の面積を求めよ.
1
5
5
- ∑ 2 cos p ∑ 2 sin p 2
12
12
p
=
2
3 +1
p - log
3
3 -1
2
= p - log 2 + 3
3
=
である.
ª º
y=
1
x
(t > 0) とおくと,直線 OA の傾きは
fi y ¢ = -
より,接線 l の傾きは -
1
である.
t2
1
x2
1
である.
t2
対称性より,
5p
1
1
p
= tan
= 2 + 3 または
= tan = 2 - 3
t2
t2
12
12
1
1
\ t 2 = 2 - 3 , 2 = 2 + 3 または t 2 = 2 + 3 , 2 = 2 - 3
t
t
である.
C2 の半径を r とおくと,
r = t2 +
1
=2
t2
であるから,2 点 A ,B の座標は
ª
2 cos
º ª
5p
5p
p
p
,2 sin
, 2 cos ,2 sin
12
12
12
12
º
である.
y
C1
A (B)
C2
p
6
q
O
2cos
2
p - [ log x ] 125
2cos p
3
12
(
《解答》
1
A t ,
t
1 2 p 1
p
p
∑ 2 ∑ + ∑ 2 cos ∑ 2 sin
2
3 2
12
12
B (A)
x
)
5
p
12
5
2cos p
12
∫
2cos
dx
x