電気磁気学Ⅱ及び演習 平成 26 年度 実力試験 II 解答例 (2014 年 11 月 25 日)(100 点満点) 注意:問題1,2,3,4をそれぞれ別の答案用紙に解答すること。計算過程を示すこと。 問題1 図1に示すように x 軸に沿って点 O ( x, y ) (0,0) から x 3L まで延び,一定電流 I が流れる長さ 3L の細い直線 状の導線を考える。点 O から y 軸方向に距離 L 離れた点 P がある。以下の小問(1)-(4)に答えよ。ただし,ベクト ルの方向を示す時は,x,y,z 軸方向の単位ベクトル i , j , k を用いること。(25 点) (1) 電流要素 Idx から点 P までの距離をr とするとき,電流要素 Idx が点 P に作る磁場 dB の大きさ dB を dx とr を 用いて表せ。ただし,電流要素 Idx から点 P に向かう単位ベクトル rˆ と電流要素 Idx の間の角度を とする。(6 点) I dx sin dB 0 Idx rˆ Idxrˆ sin Idx sin ,ビオ・サヴァールの法則より 4π r2 (2) (1)の磁場 dB を , d の式に変換せよ。(6 点) sin(π ) ここで, L L L L より r , また tan( π ) より x r sin x tan L L dx より dx d 2 d sin sin 2 dB 0 I 4πL sin d (3) (2)の磁場 dB を に関して積分し, 長さ 3L の直線状導線が点 P に作る磁場 B P の大きさとその方向を求めよ。 (6 点) 1 π 5π から 2 まで積分する 2 6 BP 0 I 2 4 πL sin d 1 0 I 3 0 I 5π π cos cos 4πL 8πL 6 2 BP 3 0 I (k ) 8πL (4) 直線状導線の長さが点 O から x まで延びた場合 (0 x ) ,導線が点 P に作る磁場 Bpi を求めよ。(7 点) (2)の磁場 dB を1 B Pi 0 I 2 4 πL 1 π から 2 π まで積分する 2 sin d 0 I π I cosπ cos 0 4 πL 2 4 πL 問題1の図 BPi 問題2の図 0 I 4πL 問題2 図2のように,y 軸方向に無限に長い直線導線があり,電流 I が流れている。またこの直線導線と同じ xy 平面内に 直角三角形ループ(pqr)があり,これにも電流 I が流れている。直角三角形ループは直線導線に平行な辺 pq の長さ が a ,辺 qr の長さが b であり,辺 pq は直線導線から距離 c 離れた位置にある。真空の透磁率を 0 として以下の小 問(1)-(4)に答えよ。ただし,ベクトルの方向を示す時は,x,y,z 軸方向の単位ベクトル i , j , k を用いること。(25 点) (1) 直線導線からの距離 x ( x 0, z 0 ) 離れたところでの磁場 B の大きさと方向を求めよ。(7 点) アンペールの法則より B ds 0 I , B ( 2 πx ) 0 I B 0 I 2πx (k ) (2) 直線導線が作る磁場 B が,電流 I が流れる直角三角形ループの辺 pq の導線部分に作用する電磁力 Fpq の大き さと方向を求めよ。(6 点) Fpq I l pq B Fpq 0 I 2a 2 πc ここで, B ( j k ) 0 I 2a 2 πc 0 I 2πc (k ) , l pq a( j ) より (i ) Fpq 0 I 2a 2 πc ( i ) (3) 直角三角形ループの辺 qr 上では,直線導線が作る磁場は距離 x の関数となり一定ではない。辺 qr の導線上の 微小要素 dx に作用する電磁力 dFqr の大きさと方向を求めよ。(6 点) dFqr I dx B dFqr 0 I 2 2πx ここで, B dx ( i k ) 0 I 2 2 πx 0 I 2πx (k ) , dx dx(i ) より dx ( j ) dFqr 0 I 2 2 πx dx ( j ) (4) (3)で求めた dFqr を x について線積分し,直線導線が作る磁場が辺 qr の導線部分に作用する磁気力 Fqr の大き さと方向を求めよ。(6 点) Fqr dFqr 0 I 2 2π bc c I2 I2 b c 1 dx( j ) 0 ln x bc c ( j ) 0 ln ( j ) x 2π 2π c Fqr 0 I 2 b c ln ( j ) 2π c 問題3 (1) 導線1が,導線1の中心から距離 x (x > a) の位置に作る磁場ベクトル B 1 を求めよ。 アンペールの法則より !∫ B ⋅ ds = 2π xB = µ I # = µ I .また、方向は右ネジの法則より −k 方向。 1 1 0 0 C よって、 B1 = − µ0 I k . (3+3 点) 2π x (2)導線2が,導線2から距離 d − x ( x < d − a ) の位置に作る磁場ベクトル B2 を求めよ。 ∫ B 2 ⋅ ds = 2π ( d − x ) B2 = µ0 I ′ = 2 µ0 I. 方向は右ネジの法則より -k 方向。 C よって、 B2 = − µ0 I k. (3+3 点) π (d − x) (5) (3)導線1から距離 x (x > a) の位置にある幅 dx ,長さ l の面積要素 dA を通過する磁束 dΦ m を, ˆ ) (1)と(2)の結果を使って求めよ。(ヒント: dΦ m = B ⋅ dA = B ⋅ ndA B = B1 + B 2 = − µ0 I µ0 I µ I" 2 1% µ I x+d k− k=− 0 # + &k = − 0 k. 2π x π (d − x) 2π $ d − x x ' 2π x ( d − x ) 単位法線ベクトル nˆ の方向について、 nˆ = −k とし、 ˆ = dΦ m = B ⋅ dA = B ⋅ ndA µ0 I $ 2 1' µ I$ 2 1' + ( dA = 0 % + ( ldx. (6 点) % 2π & d − x x ) 2π & d − x x ) (4)(3)の磁束 dΦ m を x = a から x = d − a まで積分することにより,導線1と2の間の長さ l の部分を 通過する全磁束 Φ m を求めよ。 µ0 I $ 2 1' µ Il d−a $ 2 1' + ( ldx = 0 ∫ % + (dx % a &d − x x) 2π & d − x x ) 2π (7 点 µ 0 Il $ a d − a ' 3µ 0 Il d − a = + ln ln . %−2 ln (= 2π & d−a a ) 2π a Φm = ∫ dΦ m = ∫ d−a a 導線1 導線2 dx I x a z dA 1 d y 2I x 問題3の図 a 問題4 (1) 領域 0 < r < a の磁束密度 B を求めよ。(6 点) アンペールの法則 ∫ Bids = 2π rB = µ0 I ′ . I ′ = C µ I π r2 I = I ( r 2 / a 2 ) より, B = 0 2 r. 2 2π a πa (2) 領域 a < r < 2a の磁束密度 B を求めよ。(6 点) 2π rB = µ0 I ′ = µ0 I, B = µ0 I . 2π r (3) 領域 r > 2a の磁束密度 B を求めよ。(6 点) 2π rB = µ0 I ′ = µ0 ( I − I ) = 0, B = 0. (4) 図3のように r = a と r = 2a の間にある幅 a ,高さ l の長方形ループを考える。 このループを貫く磁束 Φ m を求めよ。(7 点) Φm = 2a 2a a a ∫ Bldr = ∫ µ0 I µ Il .ldr = 0 2π r 2π 2a ∫ a dr ln 2 = µ0 Il. r 2π 長方形ループ l I a I y r 0 a 問題4の図 2a
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