回転体の体積と曲線の長さ 演習問題 86 難易度 ★★★ 1 CHECK 2 3 CHECK CHECK xy 平 面 上 の 曲 線 C : y = e x ( l o g √ 3 ≦ x ≦ l o g √ 1 5 ) を 考 え る 。 ここ で , 対 数 は 自然対数とする。 ( 1 ) 曲 線 C , x 軸 ,直線 x = l o g √ 3 および直線 x = l o g √ 1 5 で 囲 ま れ た 図 形 を x 軸 の ま わりに 1 回転してできる立体 の 体 積 V を 求 め よ 。 ( 東京医大 ) ( 2 ) 曲 線 C の 長 さ L を求めよ。 α = l o g √ 3 , β = l o g √ 1 5 , y = f ( x ) = e x と お く と ,( 1 ) x 軸 の ま ヒント! わ り の 回 転 体 の 体 積 V は ,V = π L= ∫ α β ∫ β α { f ( x ) } 2 d x で ,( 2 ) 曲 線 C の 長 さ L は , √ 1 + { f ´ ( x )} 2 d x で求めればいいんだね。ただし,( 2 ) の積分計算は,少し メンドウだけれど,頑張ろう ! 解答&解説 ココがポイント α = log√3,β = log√15, ま た,y = f (x) = ex と お く と, x 曲線 C:y = f (x) = e (α ≦ x ≦β ) となる。 y y = f (x) = ex (1) 曲線 C とx 軸,および2 直線x =α ,x =β とで 囲 ま れ る 図 形 を x 軸のまわりに 1 回転してで き る 回 転 体 の 体 積 V を求めると V=π =π ∫ β α { f ( x )} 2 d x = π [ 12 e ex 2x { ∫ β α ]α = π2 ( e β − e α ) β 2 ( √3 ) 2 √ α e =e 2β 2log√15 β α V = π (e2 − e2 ) = π 2 2 15 3 =e log( √15 α x β 体積 V 2 2 2log 3 log =e ここで, e = e よって, 0 e 2x d x =e )2 log3 =e =3 log15 = 15 × 1 2 = 6π …………( 答 ) 一般に, e (p > 0) logp =p となる。 e log p = x と お い て, 両 辺 の自然対数をとると l o ge lo g P = l o gx l o gp ・ l o ge = l o gx 1 ∴ x = p となるからね。 238 講義 ∫ α α また,②の両辺を2 乗して,1 + e = t ……② ´ より 2x 2 α β 置換積分にもち込もう t :√ 1 + e √1 + e 2α 3 よ り , t :2 ! 2β 15 4 講義 講義 積分法とその応用 2e 2 x d x = 2 t d t d x = t2x d t e ( 1 + e 2x ) ´ ( t 2) ´ 2 t − 1( ② ´ より ) 0 x 以上より, ∫ 4 t2 d t t −1 2 t2 − 1 + 1 = + 1 t2 − 1 = 1+ = ( t 11 1 2 − ∫ {1 4 [ L= 2 2 = t+ + t 1 2 − ( −1 1 t+ 1 = 1+ ) 1 ( t − 1)( t + 1) ) }dt log | t 1 | ) ] ∫ 2 4 √ 1 + e 2x t・ t dt t2 − 1 dx 1 1 − 1 2 t−1 t+1 1 ( log t − 1 − | | 2 + 4 2 =4+ 1 ( log3 − log5 ) − 2 − 1 ( log1 − log3 ) 2 2 =2+ 1 ( log3 − log5 + log3 ) 2 =2+ 1 log 9 である。 …………( 答 ) 2 5 微分法とその応用 ……②とおくと, x :α β のとき, t :2 4 L= 4 5 6 講義 √ 1 + e 2x = t ここ で , 曲線 C の 長さ L y = f (x) ∫ ex とな る 。 y 関数の極限 ( 2 ) f ´ ( x ) = ( e x ) ´ = e x より, 曲線 C :y = f ( x ) (α ≦ x ≦ β ) の長さ L を求めると β β L= √ 1 + { f ´ ( x )} 2 d x = √ 1 + e 2x d x ……① log3 −log5 + log3 = log 3 × 3 = log 9 5 5 239 けんすい曲線の曲線の長さ 演習問題 87 難易度 ★★★ 1 CHECK 2 3 CHECK CHECK 1 ( e x + e − x) の 0 ≦ x ≦ t の部分の長さを 2 S ( t ) と す る 。 S ( t ) を求め,極限 lt →∞ i m { t − l o g S ( t )} を 求 め よ 。( 広島大* ) 正 の 数 t に 対 し て, 曲 線 y = ヒント! この曲線を,けんすい曲線という。y = f ( x ) の形の曲線の長さ S ( t ) は, 公式: S ( t ) = ∫ √1 t 0 + { f ´ (x)} 2 dx で求めればいいんだね。 ココがポイント 解答&解説 y = f ( x ) = 1 ( e x + e − x ) ……① とおいて, 2 これ を x で 微 分 すると, f ´ ( x ) = 1 ( e x − 1・e − x ) = 1 ( e x − e − x ) より, 2 2 2 2 1 x ( e − e − x) 1 + { f ´ ( x )} = 1 + 2 { } 1 ( e x + e − x) 2 = ……② となる。 4 よっ て ,y = f ( x ) の 0 ≦ x ≦ t の部分の長さ S ( t ) は , ②を 用 い て , S(t) = = ∫ √1 t 0 + { f ´(x)} 2 dx = 1 2 ∫ t 0 − 1 [ e x − e − x] t = e − e − ……………………( 答 ) 0 2 2 t ( t よっ て , 求 め る 極限は, lim { t − l o g S ( t )} = l i m l o g e t − l o g t →∞ t →∞ = lim log t →∞ 2et t e − e −t 2 = lim log t →∞ 1 − e − 2t = log 2 240 ( e x + e x ) dx et − e −t 2 ) 分子・分母を e t で割った。 0 …………………………………………( 答 ) けんすい曲線 y 1 x + −x (e e ) 2 y= 曲線の 長 さ S(t) 1 t 0 x 1 + { f ´(x)} 1 2x −x − 2x x = 1 + (e − 2・e ・e + e ) 4 1 + 2x − + − 2x = (4 e 2 e ) 4 1 2x + x − x + − 2x = (e e ) 2e e 4 1 x −x 2 = (e + e ) よ り , 4 2 t ∫ √ 1 { f ´(x)} dx 1 =∫ √ 4 (e e ) dx 1 = ∫ (e e ) dx 2 S(t) = 0 t x 0 t 0 = = 2 + x + + −x 2 −x 1 x − −x t [e e ] 0 2 1 t − −t − + (e e 1 1 ) 2 講義 演習問題 88 難易度 ★★★ 1 CHECK 2 CHECK a を正 の 定 数 と す る 。次の曲線の長さ l を求めよ 。 ( 小樽商科大* ) x = a c o s 3 t , y = a si n 3 t ( 0 ≦ t ≦ 2 π ) ∫ 2π 0 √( ) ( ) dx dt 2 + dy dt 2 dt を使って求めよう。 ココがポイント 解答&解説 アステ ロ イ ド 曲 線 { x = a c o s 3t y = a si n 3 t 講義 講義 アステロイド曲線 y ( 0 ≦ t ≦ 2 π ) の長さ l を求める。 dx = a 2 2 ・3 c o s t・( − s i n t ) = − 3 a s i n t c o s t dt dy 2 2 = a・3 si n t・c o s t = 3 a s i n t c o s t より, dt dx 2 dy 2 2 2 2 2 + = ( − 3asin tcos t ) + ( 3asin tcos t ) dt dt 2 2 2 = 9a sin tcos t ( ) ( ) t= π −a a t= π 2 0 a −a t= 0,2π t= x 3 π 2 9a2sin2 tcos4 t + 9a2sin4 tcos2 t 2 2 2 2 2 = 9a sin tcos t(cos t + sin t) 1 よ っ て , 求 め る 曲 線 の 長 さ l は, 曲 線 の 対 称 性 も 考 x 軸, y 軸に関して対称な曲線 慮に入 れ て , ∫ =4∫ l=4 √( ) ( ) dx dt π 2 0 π 0 = 4・3 a = 6a [ + dy dt 2 dt ∫ 0 π 2 { si n t・c o st d t f 1 si n 2 t 2 ] f´ π 2 0 ( π より, 2 sin t ≧ 0 cos t ≧ 0 0≦t≦ √ 9 a 2 si n 2 t c o s 2 t d t 2 = 12 a 2 4× 0 π 2 2 1 2 − sin 2 0 2 0 ) π 2 θ =π 2 θ =0 0 ∫ = 6a sin y a f・f ´ d t = の形だね。 x a [ 21 f ] π 2 2 0 …………………………………………………( 答 ) 241 積分法とその応用 { 講義 この曲線は,お星様キラリの形のアステロイド曲線だね。媒介変数表 示された曲線の長さの公式: l = 4 5 6 微分法とその応用 ヒント! 3 CHECK 関数の極限 アステロイド曲線の長さ 媒介変数表示された曲線の長さ 演習問題 89 難易度 ★★★ 1 2 CHECK CHECK 原点 O を 中 心 と する半径 3 の円を A とする。 半径 1 の円 ( 以 下, 「 動 円 」 と 呼 ぶ ) は,円 A 円A に外 接 し な が ら ,すべることなく転がる。た だ し, 動 円 の 中 心 は 円 A の 中 心 に 関 し 反 時 計 回 り に 動 く。 動 円 上 の 点 P の 始 め の 位 置 を y −3 ( 3 ,0 ) と す る 。動 円 の 中 心 と 原 点 を 結 ぶ 線 分 ≦ θ 3 P x −3 が x 軸 の 正 の 向 き となす角を θ として, θ を 0≦θ 動円 3 0 3 CHECK 2π の 範 囲で動かしたときの P の軌跡 を C と す る 。 3 ( 1 ) C を 媒 介 変 数 θ を用いて表せ。 ( 2 ) 曲 線 C の 長 さ を求めよ。 ヒント! (1) 動円の中心を Q とおいて,OP = OQ + QP として,曲線 C を媒介変 数 θ で表せばいい。この考え方は,P45 で既に解説しているので,問題ないはずだ。 (2) の曲線 C の長さを L とおいて,L = ∫ √( ddxθ ) ( dydθ ) 2π 3 0 2 + 2 解答&解説 dθ で計算すればいい。 ココがポイント ( 1 ) 右 図 の よ う に, 固 定 さ れ た 円 A の y 3 まわりを動円がすべることなく回転 Q R す る も の と す る。こ こ で, 動 円 の 中 心 を Q と お き ,∠ Q Ox = θ だ け 回 転 し て い る と き, 円 A と 動 円 と の 接 点 を 動円 円A −3 R とおく。 こ の と き , 初 め 点 B ( 3 ,0 ) に あ っ た 動 0 θ 3θ θ P B ( 3 ,0 ) x −3 円 の 周 上 の 点 P を P ( x ,y ) とおくと O P = O Q + Q P ……①となる。 ( ⅰ ) O Q は,長さ 4 の動径が原点 0 のまわりに θ だけ回転したものと考えて O Q = ( 4 c o sθ ,4 s i nθ ) ……となる。 242 4 0 θ Q 4 x 講義 = ( − c o s4θ ,− s i n 4θ ) ……③ 以上 ( ⅰ )( ⅱ ) よ り②,③を①に代入して, OP = ( x ,y ) = ( 4 c o sθ − c o s 4θ ,4 s i nθ − s i n 4θ ) ∴ 曲 線 C を , 媒 介 変 数 θ で 表 す と, 次 の よ う に { x = 4 c o sθ y = 4 si nθ − c o s 4θ ( 0 ≦ θ ≦ 23 π ) ………( 答 ) − s i n 4θ ( ) ( ) 2 + dy dθ θ 2 s i n 2 32 2 3θ 2 √( ) ( ) 0 ∫ 0 2π 3 ∠ RQP = 3θ となる + 2 2 2 + = 1 6 ・ ( sin + 16 ( sin 2 θ + cos θ ) 2 2 2 1 4θ + cos 24θ ) 1 − 32 ( cos4θ cosθ + sin4θ sinθ ) となる − α s i n 2α = 1 c2o s 2 を使った よっ て , 求 め る 曲 線 C の長さを L とおくと, dx dθ RP + ( 4cosθ − 4cos4θ ) = 3 2 ( 1 − c o s 3θ ) = 6 4 ・ s i n 2π 3 RB = ( − 4sinθ + 4sin4θ ) 2 c o s (α − β ) = c o sα c o sβ + s i nα s i nβ を使った ! =8 の 弧 RP の 長 さ は 等 2 c o s ( 4θ − θ ) = c o s 3θ ∫ 円 A の 弧 RB と 動 円 ( ddxθ ) (ddyθ ) = 3 2 − 3 2 ( c o s 4θ ・ c o sθ + s i n 4θ ・ s i nθ ) L= P 3 ・θ = 1 ・ 3θ dx = − 4 ・ si nθ + 4 ・ s i n 4θ dθ dy θ − 4 ・ c o s 4θ より dθ = 4 ・ c o s dx ・ d θ x 3θ R しいので なる 。 (2) 講義 θ dy dθ 2 dθ 3 si n 2 θ dθ = 8 ・ 23 [ − cos 3θ 2 ] 2π 3 0 16 ( − 32 = c o s π + c o sθ ) = 3 となる……( 答 ) 3 ・ (−1 ) 1 dx dy √ ( dθ ) (dθ ) 2 = + √ 6 4 ・ sin =8 3 2 2 3θ 2 | sin 2 θ | 0 以上 = 8 sin 講義 講義 積分法とその応用 { Q − s i n 4θ 微分法とその応用 − c o s 4θ 4 5 6 関数の極限 ( ⅱ ) 次 に , Q P は,点 Q を中心に考えると, 長 さ 1 の動径が Q のまわりに θ + 4 π ( = θ + π + 3 π ) だけ回転したものと考えて, QP = ( 1・c o s ( π + 4θ ) , 1・s i n ( π + 4θ )) 3θ 2 ( ∵ 0 ≦ θ ≦ 23 π ) 243
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