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十勝
地区
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◆一般紙面提案
確かな「見方や考え方」を鍛える授業
∼歴史的分野『明治維新』の実践より∼
池田町立池田中学校 教諭
杉井 貴代
本実践のねらい
道社連の研究主題『自ら参画し、たくましく生き抜く北国の子の育成∼確かな「見方や考え
方」を鍛える授業∼』に照らして、十勝地区では『十勝の 21 世紀を担うたくましい子どもの
育成∼生活科・社会科・総合的な学習の時間を通して生き生きと「今」を学び、「未来」を追
究する子どもをめざして∼』を研究テーマとして実践を進めてきました。
本単元は、明治新政府の諸改革の特色について考え、理解させる単元です。新政府の諸改革
によって、日本における近代国家の基礎が急速に確立したこと、その結果人々の生活が大きく
変化したことについて気付かせていきます。特に、明治政府は欧米に対抗できるような近代国
家を目指すため、富国強兵というスローガンを掲げていました。強く豊かな国にするための三
大改革は当時必要不可欠なものであり、そのひとつ「学制」はその後の日本の基盤となった改革
です。今回は、現代と比較しながら身近な学校を取り上げることで生徒の関心を引き出し、当
時の人々のくらしをイメージしながら考察させたいと考えました。また、精選した資料で、読
み取った情報を活用することで「見方や考え方」を鍛えること、今の学校教育がどのような歴
史のうえに成り立ってきたのかを考えることで、いずれは未来を考察することにつなげていき
たいというねらいがありました。
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単元構成について
明治新政府の諸改革の特色
1.新政府の成立 …中央集権国家の体制確立・身分制度の廃止
★近代国家の基礎
2.明治維新の三大改革①…徴兵令・地租改正
★人々の生活の大きな変化
②…学制(本時)
★日本の国際的地位の向上
3.文明開化 …欧米文化や思想の流入
4.殖産興業 …産業の近代化
5.近代的な国際関係 …欧米諸国やアジア諸国に対する外交政策
6.自由民権運動の高まり …改革への不満・国民の政治参加の道
7.立憲制国家の成立 …明治憲法の特色
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本時の主張
≪写真からとらえるー関心・意欲・態度≫
まずは導入で、江戸時代の寺子屋、明治時代の小学校、現代の中学校の3つの授業風景写真を提
示し、違いを見つけるという活動を取り入れています。生徒たちにとっては身近な授業風景を取り
上げることで、関心を引き出すとともに、当時の人々のくらしをイメージさせることをねらいまし
た。ここで、明治時代の「学制」により、現代のような一斉授業の学校教育が始まったことをつかみ
ます。
≪グラフから読み取るー技能≫
本時の展開として、まずは当時の義務教育就学率の変化や男女の違いなどについて、グラフから
読み取りをさせます。そこで、就学率が年々上昇していったことや、男子に比べ女子の就学率がな
かなか伸びないことを読み取ります。
≪写真とグラフから考察するー思考・判断・表現≫
さらに、写真を活用して、就学率が上昇した理由について考察する学習に展開します。
「子守学校」
の写真から、幼いきょうだいの子守は当時の子ども(特に女の子)の仕事であったこと、そのよう
な状況にあっても学校教育が受けられるよう「子守学校」がつくられたことを予測します。また、
義務教育であっても当時は授業料を納めなければならなかったこと等、現代の学校とは違い国民の
負担が大きかったことを予測します。今の自分たちの学校生活と比較しながら、当時の学校生活を
描くことに意義があると考えました。
≪考察した結果を自分の言葉でまとめる言語活動―思考・判断・表現≫
最後は、考察した結果を自分の言葉でまとめる、という言語活動を取り入れています。「学制」は
何のための改革だったのか?また、当時の人々にどのような影響をもたらしたのか?この 1 時間で
読み取ったことや考察したことを生かしてまとめます。
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本時の展開
☆「義務教育就学率」の上昇、男女
による違いについて読み取る。
考えてみよう
1)グラフの読み取り
・グラフから、就学率の変化や男女の違いなどを読み ☆2枚の写真に共通して、今の学校と違
取る。
うところは?なぜこういう学校が必
要だったのだろう? →子守学校
2)就学率上昇の理由を考える
【明治時代前半】個人
・授業を受けている子どもたちが幼い子を連れて
学校に来ていることに気付く。
・その理由について考え、ワークシートに記入する。
*インターネットより
【明治時代後半】ペア
・明治後期になって急激に就学率が上がったのは、明
治政府のどのような対策によるものかを予想し、ワ
ークシートに記入する。
まとめ
・明治政府がそこまでして就学率を上げようとしたのは
なぜかを考え、ワークシートに記入する。
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☆「義務教育就学率」は明治後期に
急激に上がっている!なぜだろ
う?
→授業料の廃止・義務教育の無償化
☆学制とは何のための改革だった
のか?当時の人々にとってどんな
改革だったのか?(言語活動)
実践を終えて
義務教育就学率のグラフについては、生徒たちは意欲的に、また的確に読み取っていました。こ
の読み取りから、就学率を上げるために行った新政府の政策について多面的に考察する、というそ
の後の展開にもつなげられたことは有効だったと考えます。ただ、最後の言語活動については、富
国強兵策としての学制、という部分にもっていく点において弱さがあり、課題が残りました。生徒
の実態として、写真やグラフ等の資料の読み取りは、ある程度はできるようになってきていますが、
理由について考えたり自分の考えを整理し記述する力はまだまだ定着不足であり、個人差が大きい
ため、こうした力をつける学習に継続して取り組んでいく必要があると感じています。