TRMM衛星高度変更時 (403km→350km) 運用提案 (2014/09/24) 情報通信研究機構 花土弘([email protected]) 2014/09/12 の予測に基づくタイムライン 405 TRMM Altitude Descent Prediction 392.5 10/25/14, 392.5 395 390 11/15/14, 390 385 357 375 355 340 365 9/17/15, 357 355 345 Yaw Maneuvers Dense Sampling 10/1/15, 355 12/21/15, 340 335 325 315 305 Nor PR Wide Swath Observation Normal LIS Science Normal TMI Science 335 Normal PR Obs. PR Checkout 1/17/16, PROCs 335 広範囲観測(PR Wide Swath Observation) の概要 • 通常観測の高度(403 km, 350 km)の間のPRの降雨エコー観測が 不能な期間(*)に、通常のアンテナ走査範囲(-17°〜+17°)より、 外側にビームを向けて、降雨エコーまでの距離が、PRのデータ収 集範囲に入るようにして観測を行う。 • ビームを通常のアンテナ走査範囲外に向けるために、128個の移 相器の位相コード(送信用と受信用)をアップロードする必要あり。 衛星高度: H=394 km 衛星高度: H=356 km 観測高度: h=0 km (地表) 観測高度: h=15 km (*)PRのパルス繰り返し間隔が一定(360.24 μsec ≒2776 Hz)で変更できないためで、 DPRは可変なため(VPRF)は観測不能となる衛星高度はありません。 90° Yaw Maneuver Observation 実施時期 2014/11/15-11/25 の衛星高度の予測 (from NASA 2014/09/22) この SMA の値を使って 、TRMM 衛星の高度を 次のスライドに示す近似式で計算してみる。 衛星の軌道長半径と衛星高度の近似式 1 2 - ae cos (q - w ) H (q ) = a - R E + R E f sin2 i × (1- cos2q ) 地 球の形 状が楕円体による変化 衛星の軌道の離心 率による変化 ö 3 R E2 æ 1 2 3 + J 2 ç sin i × cos2q - 1+ sin2 i ÷ 2 a 2 è6 ø J 2項の短周期摂動による変化 上の近似式を以下の H_1, H_2, H_3 に分解して、それぞれの大きさを見積もった。 H (q ) = H _1(q , a , i ) + H _ 2(q , a , e , w ) + H _ 3(q , a , i ) 1 2 H _ 2(q , a , e , w ) = -ae cos (q - w ) H _1(q , a , i ) = a - R E + R E f sin2 i × (1- cos2q ) ö 3 R E2 æ 1 2 3 H _ 3(q , a , i ) = J 2 ç sin i × cos2q - 1+ sin2 i ÷ 2 a 2 è6 ø 地 球の形 状が楕円体による変化 衛星の軌道の離心 率による変化 J 2項の短周期摂動による変化 q : 衛星の緯度引数 (軌道面と赤道面の交線からの角度 ) a : 衛星の軌道長半径 (R E + SMA ) i : 衛星の軌道傾斜角 (35.0 deg) e : 衛星の離心 率(6.4x 10-4 ) w : 衛星の近地点引数 (90.0deg) R E : 地 球の赤道半径 (6378.137 km WGS - 84) f : 地 球の扁平 率( 1 WGS - 84) 298.257233 J 2 : 地 球の重力ポテンシャル (1.082628x 10-3 ) 衛星高度の緯度変化(近似式の各項の寄与) 地球の形状が楕円体である変化 日付と予測 SMA は 以前の軌道予測の値を 使っている。 衛星の軌道が楕円である変化 J2 項の短周期摂動 による変化 衛星高度の緯度変化(90° Yaw Maneuver Observation期間) TRMM/PR (通常観測 403 km 設定)でのデータ収集範囲 90deg-Yaw Wide Swath Observation 期間(2014/10/27-11/05) 低緯度(最低高度386 km)での 降雨エコーの領域 (太線:地表、細線:高度15km) 中緯度(最高高度398 km)での 降雨エコーの領域 (太線:地表、細線:高度15km) 日付と予測 SMA は 以前の軌道予測の値を 使っていたために 更新が必要 90deg-Yaw Wide Swath Observation 期間(2014/10/27-11/05) 変更の方針(ビーム方向とレンジオフセット) ①走査外側で手前にする (レンジオフセットをマイナスに) ① ① ② ②走査中央付近で遠目にする (レンジオフセットをプラスに) レンジオフセットの調整(①走 査外側で手前、②走査中央で 遠目)では、 斜線部はレンジが近くなり、 データ収集領域にすることが できない。 → ビーム方向を変更(走査角を 大きく)することでレンジを遠く して観測領域にする。 レンジオフセットでの調整範囲 • • • A/D は、2倍のオーバーサンプリングで400個のデータ(400x125m = 50 km)を行い、そ こから Angle Bin Number (01-49)で決まった個数(レンジビン数)のデータが記録され る。 レンジビン数は、観測モードで標準サンプリングで 122〜135個(下図青色の範囲)、外 部校正モードで2倍のオーバーサンプリングで 126個(下図赤色の範囲)。 レンジオフセットでの調整範囲は①走査外側で手前にするか、②走査中央付近で少し 遠目にするぐらいで、それほど大きな変更はできない。 ・レンジオフセットの値 は、 +127 〜 -128 なので、 全ての範囲で設定でき るわけではない。 ② ① ① ビーム角度を14.2 °以上にしてレンジを遠くする(Plan 1) ビーム角度を 14.2 °以上に して、ビーム幅の間隔で アングルビンを配置すると、 外側のアングルビンは レンジが大きくなりすぎて データ収集ができない。 → あまりビーム角を大きく しないことにする。 ビーム角度を14.2 °〜22°にして 収集範囲に収まるように(Plan 2) ビーム角度を 14.2 °〜 22°にすることで データ収集ができそう。 → ただしこのビーム走査だと、 footprint の配置が 一様でないので、 ビーム走査方法を変更 ビーム角度を14.2 °〜22°にして 収集範囲に収まる+ビーム走査を変更(Plan 3) レンジオフセットを調整し て、 地表付近から 高度15km まで 収集範囲とすることも可 能。 ただし、footprint の位置は 一様でなく、KaPR のよう に、2回目のビーム走査 は、走査角を ½ footprint ずらす方法に再調整。 ビーム角度を14.2 °〜22°にして収集範囲に収まる+ビーム走査を変更 +KaPRの高感度モードのように ½ footprint ずらす(Plan 4) レンジオフセットの設定 は、 正は127までで、負は-128 までという制約がある。 左図のようにデータ収集 するためにはアングルビ ン番号22〜28で、オフ セットを127を越える値に 設定する必要があるの で、 このビーム走査は利用で きない。 ビーム角度を14.2 °〜22°にして収集範囲に収まる+ビーム走査を変更 +KaPRの高感度モードのように ½ footprint ずらす+オフセットの制約を満足させる(Plan 5) レンジオフセットを 微調整して、レンジが遠く なる、衛星高度が高い場 合(398 km)でも、地表面 エコーを十分取れるように 変更した。 また、レンジが近くなる、 衛星高度が低い場合(386 km)で高度15 km まで観 測できるように設定。 Wide Swath 観測用設定ファイル作成の問題点 その1 PR通常観測不能期間を3分割して #1= 394 ~ 376km #2= 375 ~ 364km #3= 363 ~ 356km 設定ファイルを準備するとすると、周回毎の高度変動(約11km) を考慮して、作成するためにビーム走査範囲がかなり狭く観測 幅がかなり狭くなる。 → 通常観測不能期間の分割を増やす 高度2km (約10日間)毎 394-356kmだと18分割 高度4km (約20日間)毎 394-356kmだと 9分割 高度6km (約30日間)毎 394-356kmだと 6分割 高度12km (約60日間)毎 394-356kmだと 3分割(現状) Wide Swath 観測用設定ファイル作成の問題点 その2 90° Yaw Maneuver Observation では、1スキャン内で2回の subscan があり、KaPRと類似の走査にしたが、より走査幅が狭 い場合にはどうするか? 衛星進 行方向 走査幅 上図は、 90° Yaw Maneuver Observation の設定ファイルで、Wide Swath 観測を行った場合で、走査幅が小さくなった場合、サブスキャン数を増やして、 along-track 方向の oversample を高くする方法と、cross-track方向のビーム 間隔を増やす方法があり、両者が均等に oversample になるようにしようと思う がそれでよいか? 通常のビーム走査範囲外にビームを向けた場合のアンテナパターン グレーティング ローブ 通常のビーム 走査範囲 メインビーム アンテナパターンの計算は一様励振でエレメントファクタは考慮していない。 衛星高度:H, 観測高度:h, ビーム走査角度:Θ, 地球半径:R と レンジ:r の関係式 右図の三角形で、余弦定理より r:観測レンジ ( R h ) ( R H ) r 2( R H )r cos 2 2 2 H:衛星高度 r 2( R H ) cos r ( H 2 R h )( H h ) 0 2 Θ:ビーム 走査角 r ( R H ) cos ( R H ) 2 cos2 ( H 2 R h )( H h ) + の符号は くて良い。 となる長い場合なので考えな h:観測高度 R:地球半径 衛星高度と観測高度と観測レンジの関係 320 km R:地球半径 観測レンジ 370 km 420 km 470 km 0° 衛星高度 350 衛星高度 350 衛星高度 403 衛星高度 403 10 ° km km km km (高度 0 km) (高度 15 km) (高度 0 km) (高度 15 km) 20 ° ビーム走査角度 30 ° 40 ° 観測モードと外部校正(限定走査) モードの違い • 観測モードは、一スキャン(0.6秒)で、観測角度ビン(01〜49)の49方向で、下 図の青色のレンジ範囲のエコーを収集する。 レンジ方向の分解能は 250 m 間隔 • 外部校正(限定走査)モードは、走査角度ビン(001-103)から、指定された走査 角度ビン(004〜100)を中心に、±3の7つの方向を一スキャンで、7回繰り返し 観測を行う。収集されるレンジは、レンジ方向の分解能が 125 m 間隔と2倍の オーバーサンプルで、下図の赤色の範囲と観測モードの半分程度となる。 外部校正モード レンジビン数 126 15.75 km 観測モード レンジビン数 122〜135 30.5 km 〜 33.75 km 真下方向のみ 140 km 35 km grating lobe の方向
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