抑えておきたいワンポイント-直角三角形- 問題 (中学、高校共通) AB

抑えておきたいワンポイント-直角三角形-
問題 (中学、高校共通)
AB=8,BC=6,∠ABC=90°の直角三角形ABCがあり、ACの中点をMと
する。Mから△ABCに垂直となるように線分MHをとると、三角錐H-ABCの体積
が48となる。このときHBの長さを求めなさい。
まずは、何をするか?
決まってます。図を書くのです。高校入試では図は与えられることが多いですが、なく
ても自分で書けるようになっておくと図形に強くなりますよ。
問題の条件の順に図を書いていくのですが、早めに「大きく違う」と思えば、書き直す
と良いです。後半で気がついたときは、ごまかしながらやるしかないですね。書き直す
時間が足りないかもしれない。
(できれば、簡単な図で書き直した方が分かりやすいです。)
頭の回転が速い人は一気に立体を書き出すのでしょうが、いずれは平面を抜き出して書
くことになるので、平面から書き出しても大丈夫ですよ。簡単にで良いんですから。
「 AB=8,BC=6,∠ABC=90°の直角三角形ABC」
C
C
M
6
B
「BCの中点をM」
8
6
B
A
A
8
この問題は問題条件が短いのでおそらく立体から書く人が多いと思います。
しかし、『立体は平面を抜き出して観る』とことを基本にしておいて下さい。
というのも、ここで気がつくと大いに計算が楽になるからです。
H
それはちょっとおいといて、
最後までを立体で書くと、
A
となります。
求めたいのはBHです。
M
C
8
6
どの平面を抜き出すか?
B
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△BMHですよね。
確かにHMは平面ABCに垂直なのでBMとも垂直だから、△BMHも直角三角形です。
しかし、
H
これを抜き出して、何か分かりますか?
こうするとやっかいなんです。
ここからの方針は、
「三辺を求めに行く。」となりますが、
M
B
どこから?
C
そう、体積から、高さとなるMHを先ず求めます。
6
△ABCの面積は、24です。これは小学生でも分かる。
B
1
体積が48なので、高さとなるMHは、 × 24× MH=48
3
A
8
から、MH=6。
(錐体の体積は、柱体の3分の1、は良いですよね?中学1年生です。)
問題なのはBMなんです。
C
BからACに垂線を下ろし、交点をIとすると、
6
直角三角形BIMとなります。
B
I
M
8
A
ここで、BIですが、△ABCの面積が24で、底辺をACとみたときの高さ、となり、
AC=10(三平方の定理から)なので、
1
24
× 10× BI=24 を解いて、BI=
2
5
とでます。
ここでさらに△BCIに三平方の定理を用いて、CI2=CB2-BI2 からCIを求め、
これからMがACの中点なので、MC=5から、MI=5-CIとなるので、
直角三角形BIMで三平方の定理から、計算(分数で結構やっかい?)してBMを求め
ます。
ここでようやく△BMHに三平方の定理が使えるようになります。
読むだけでもやっかいでしょう?計算もやっかいですよ。何度も三平方の定理使うし。
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できないとまずい場合もあるので、
「これくらいは計算する」という意気込みは持っておきましょう。
しかし、
この問題では前ページの計算は必要無いのです。
というのも、問題の条件に沿って図を書くとよく分かるのですが、
(問題に図があって、図に条件を書き出して行っても気がつきます。)
最初の、
「直角三角形ABCのACの中点がM」
ここまでで、BMの長さは分かるのです。
C
M
6
何故なら、
B
A
8
点Mは、△ABCの外接円の中心だと分かるからです。
円周角が90°→
C
ACは直径
円は中心からの距離が等しい点の集まり
M
6
つまり、半径は等しい。
B
8
A
AC=10は簡単に分かるので、BM=5(半径)もすぐに分かっていた、
つまりはこのことを書き出しておきさえすれば、(気づかなければ意味ないですが)
前ページの計算は時間を無駄にしただけとなるのです。
ほんのちょっとしたことです。
それで大きく差が出る、数学って面白いですよね。
「直角三角形の斜辺の中点は外接円の中心」
思い出せればラッキー?
中学校の宿題からの問題でした。
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