練習問題(行列式)

2014 年度数学 II 練習問題プリント No.3
練習問題 (行列式)
(
40. σ =
1 2
3 1
)
(
3
1
,τ=
2
3
2
2
)
3
のとき,στ , τ σ, σ −1 , τ στ を求めよ.
1
41. 次の置換を互換の積で表し,符号を求めよ.
(
)
1 2 3
(1)
2 3 1
(2)
(
1
4
2
2
3
1
4
3
)
42. i と j の互換を (i j) で表したように,i1 を i2 に,i2 を i3 に,
.
.
.
,ik−1 を ik に,ik を i1 に
それぞれ写し,他の数を動かさない置換を (i1 i2 . . . ik ) で表す.例えば,(2 4 1) は,2 → 4,
4 → 1, 1 → 2 とし,他の数を動かさない置換である.このような置換を巡回置換といい,k
を巡回置換の長さという.
(1) 巡回置換 (i1 i2 . . . ik ) を互換の積で表せ.
(2) (1) の結果から,長さ k の巡回置換の符号を求めよ.
(3) 置換 σ ∈ Sn に対し, σ(i1 i2 . . . ik )σ −1 = (σ(i1 ) σ(i2 ) . . . σ(ik )) であることを示せ.
)
(
1 2 3 4 5 6 7
43. 例えば
= (1 6 3 7) (2 5) のように,任意の置換は共通の文字を含
6 5 7 4 2 3 1
まない巡回置換の積で表される.これを置換の巡回置換分解 あるいはサイクル分解という.
(1) 置換が与えられたとき,どのようにすれば巡回置換分解を求められるか.その方法を考
え,説明せよ.
(2) 次の置換の巡回置換分解を求めよ.また,42.(2) の結果を使うことで,その符号を求めよ.
(
)
(
)
1 2 3 4 5
1 2 3 4 5 6 7 8
(a) σ1 =
(b) σ2 =
5 1 4 3 2
8 4 6 2 7 1 5 3
44. 次の行列式を計算せよ.
(1)
(4)
(7)
1 2
3 4
(2)
2 1 −4
−1 3 2 4 2 −8
a
1
0
0
1
a
0
1
1
0
a
1
0
0
1
a
(5)
(8)
cos θ
sin θ
1
1
1
1
1
a
a2
3
a
−r sin θ
r cos θ 1
1
−1
−1
1
b
b2
b3
1
1 −1 −1
1 −1
−1 1 1 1 c d c2 d2 c3 d3 (3)
(6)
(9)
1 2
3 2
1 −1
2 0
−3 1
8 0
0 0
a
b
b
a
a −b
−b a
3
1
1
0
5 2 −4
−3 2 0
1
a −b
−b a a
b b
a
45. 次の行列式を求めよ.
x −1
x −1
..
..
.
.
(1) .
..
a0 a1 a2 · · ·
..
.
x
an−2
−1 x + an−1 (2)
1
n
n − 1
.
..
3
2
2
1
3
2
...
...
n 1 ...
..
..
.
.
4 5 ...
3
4
...
n−1
n n − 2 n − 1
n − 3 n − 2
..
.. .
. 1
2 n
1 46. 次の行列の行列式を求めよ.
(
)
( )
i+j−2
p
p!
(1) (i, j) 成分が
であるような (n + 1) 次正方行列.ただし,
=
q!(p − q)!
i−1
q
は 2 項係数であり,0! = 1 とする.
∂ei
(2) (i, j) 成分が
であるような n 次正方行列.ただし,
∂xj
e1 = x1 + x2 + · · · + xn ,
∑
. . . , ej =
e2 = x1 x2 + x1 x3 + · · · + xn−1 xn ,
xi1 xi2 · · · xij ,
...,
...,
en = x1 x2 · · · xn
1≤i1 <i2 <···<ij ≤n
とする.(x1 , . . . , xn の内の j 個の積の和が ej )
(3) aj ∈ Rn (j = 1, . . . , n) として,(i, j) 成分が内積 ⟨ai , aj ⟩ であるような n 次正方行列.
47. (1) ベクトル a1 , . . . , an ∈ C n の成分が,実変数 t に関する微分可能な関数であるとき,
{det(a1 , . . . , an )}′ =
n
∑
det(a1 , . . . , aj−1 , a′j , aj+1 , . . . , an )
j=1
であることを示せ.ただし, ′ は t に関する微分である.
(2) 関数 f1 (t), f2 (t) は,微分方程式
f ′′ (t) + a1 (t)f ′ (t) + a0 (t)f (t) = 0 を満たすとする.こ
f f ′ 1
1
のとき,W (t) = とすると,W ′ (t) = −a1 (t)W (t) となることを確かめよ.
f2 f2′ 48. (1) n 次正方行列 A と k ∈ C に対し,det(kA) = k n det A であることを示せ.
(2) 奇数次の交代行列 (問題 25. 参照) の行列式は,0 であることを示せ.
e としたとき,det A
e = (det A)−n+1 であることを示せ.
(3) n 次正則行列 A の余因子行列を A
49. (1) 直交行列 (問題 27. 参照) の行列式は,1 または −1 であることを示せ.
(2) ユニタリ行列 (問題 28. 参照) の行列式は,絶対値が 1 の複素数であることを示せ.
50. A, B がサイズの等しい正方行列のとき,次が成り立つことを示せ.
A B A −B (1) (2) = |A + B| |A − B|
= |A + iB| |A − iB|
B A
B A また,(1) を使うことにより,44.(9) を計算せよ.
練習問題略解
51. 問題 33. を,余因子行列を計算することによって解け.
52. 次の連立 1 次方程式を,クラメルの公式を用いて解け.ただし,a, b, c は互いに相異なる数と
する.



x + y + z = 1




x + 2y + 3z = −1

(1)
−2x + y − z = 2



3x + 3y + 5z = 3
(2)
(
)
)
(
)
)
(
(
1 2 3
1 2 3
1 2 3
1 2 3
, τσ =
, σ −1 =
, τ στ =
. 紐の絵を描いて考え
2 1 3
1 3 2
2 3 1
2 3 1
るとよい.先に行う置換 (積の右側) を上に描く.
(
)
(
)
1 2 3
1 2 3 4
41.
= (1 2) (2 3), 符号 1.
= (3 4) (1 2) (2 3) (1 2), 符号 1.
2 3 1
4 2 1 3
40. στ =
ax + by + cz = d



a2 x + b2 y + c2 z = d2
a1
53. (1) 平面内の 3 直線 ai x+bi y +ci = 0 (i = 1, 2, 3) が共有点を持つためには,a2
a3
となることが必要十分である.これを示せ.
b1
b2
b3
c1 c2 = 0
c3 (2) 2 直線 2x + 3y + 1 = 0 と 3x − y + 1 = 0 の交点と,原点を通る直線の方程式を求めよ.
54. (1) 空間内の 3 点 Pi (ai , bi , ci ) (i = 1, 2, 3) は同一直線上にないとする.このとき,この 3 点
1 1 1 1
a1 b1 c1 x
= 0 で与えられることを示せ.
を通る平面の方程式は a1 b1 c1 y a1 b1 c1 z (2) 問題 2.(3) を,この方法で解け.
42. (1) (i1 i2 ) (i2 i3 ) · · · (ik−1 ik ). (2) (−1)k−1 . (3) 略.σ(i1 i2 . . . ik )σ −1 により,σ(i1 ), . . . , σ(ik ) と
j ̸∈ {σ(i1 ), . . . , σ(ik )} が何に写されるかを考えよ.
43. (1) 略.順に読んでいけばよい. (2) σ1 = (1 5 2) (3 4), sgnσ1 = (−1)3−1 (−1)2−1 = −1.
(1 8 3 6) (2 4) (5 7), sgnσ2 = (−1)4−1 (−1)2−1 (−1)2−1 = −1.
σ2 =
44. (1) −2. (2) r. (3) −16. (4) 0. (5) −16. (6) −6. (7) a4 − 3a2 + 1. (8) (b − a)(c − a)(d − a)(c −
b)(d − b)(d − c). (9) −16a2 b2 .
(−1)n−1 n−1
45. (1) xn + an−1 xn−1 + · · · + a1 x + a0 . (2)
n
(n + 1).
2
∏
(xi − xj ). (3) {det(a1 , . . . , an )}2 .
46. (1) 1. (2)
1≤i<j≤n
47. (1) 略.
「成分による行列式の表示」を微分する.積の微分を使い,うまく纏めればよい.わかりにくけ
れば,n = 3 ぐらいでやってみると,方針が見えるはず.(2) 略.(1) の結果と (D6) を使うとよい.
e = (det A)I の両辺の行列
48. (1) 略.(D2) を各列に使え.(2) t A = −A の両辺の行列式を計算.(3) AA
式を計算.
49. t AA = I, t AA = I の両辺の行列式を計算.
50. ブロックで纏めて (D7) の変形をする.(1) 下のブロックを上のブロックに足し,その後で右のブロック
から左のブロックを引くと,プリント No.11 の命題 3.3.4 が使える形になる.
55. A = (aij ) を m × n 行列,B = (bij ) を n × m 行列とする.
51. 略.積を計算して検算.
(1) m > n のとき,det(AB) = 0 であることを示せ.
52. 略.答を方程式に代入して検算.
(2) m ≤ n のとき,
53. (1) この行列式の行列は,3 直線の方程式を連立させたものの拡大係数行列.共有点を持つのは,この連
立 1 次方程式が解を持つとき.解を持つためには,階数が 2 以下でなければならない.このとき,プリ
ント No.12 の定理 3.5.1(あるいは定理 3.5.2) により,この行列式は 0 である.(2) y = x/4.
−−−→ −−−→ −−→
54. (1) 点 X の座標を (x, y, z) とすると,X がこの平面上にあるための条件は,P1 P2 , P1 P3 , P1 X が線形
従属であること.行列式を少し変形すると,与えられた等式は,この線形従属性と同値であることがわ
かる.プリント No.12 裏の定理 3.5.1 を使え.(2) 以前の略解を参照.
∑
「成分による行列式の表示」を使うと,
55. AB = ( n
k=1 aik bkj )i,j=1,...,m なので,
a
1,i1
∑
.
.
det(AB) =
.
1≤i1 <···<im ≤n am,i1
...
..
.
...
a1,im bi1 ,1
.. ..
. .
am,im bi1 ,m
...
..
.
...
bim ,1 .. . bim ,m であることを示せ.ただし,右辺の和は,1, 2, . . . , n から m 個を取り出す全ての組合せ
i1 , i2 , . . . , im をわたる.
det(AB) =
∑
n
∑
sgnσ aσ(1),k1 bk1 ,1 · · · aσ(m),km bkm ,1
σ∈Sn k1 ,...,km =1
56. 問題 45, 46, 47(1), 55 のうち,一般の n では解答できなかった問題を,n が小さい場合につ
=
いて解け.更にそれを参考にして,一般の n の場合をもう一度考えよ.
57. 右のページの略解の誤りを全て正せ.
n
∑
k1 ,...,km =1
この最後の
∑
σ∈Sm
bk1 ,1 · · · bkm ,m
(
∑
σ∈Sn
· · · は,どのような行列式でしょうか?
)
sgnσ aσ(1),k1 · · · aσ(m),km
.