3.レーザー冷却・トラップの原理 3-4.レーザー冷却原子の応用 原子光学、ボース・アインシュタイン凝縮、量子光学実験、超精密測定 原子時計 ( 原子泉方式のCs原子時計)、量子計算、量子情報通信、など 1秒の定義:「セシウム133原子(133Cs)の基底状態の2つの超微細準位間の遷移 に対応する放射の9192631770周期の継続時間」 1mの定義:「光が真空中で1/299792458(s) の間に進む距離」 光速c=299,792,458 m/s 「憎くなく二人で寄ればいつもハッピー」 原子の打ち上げと 自由落下 マイクロ波共振器 レーザー冷却 1 ~ T 自由落下: T:観測時間 v0 T 2 g 2 v0 v0 5m / s T 1s, L 1.3m 2g 2千万年に1秒の誤差 (<10-14) mc hv 2 769 nm E f 10 18 @ z 1cm E f 698 nm 87Sr ×2 hv E mgz 2 gz c 24 km 光格子時計 ビート測定 1538 nm 698 nm 769 nm 光周波数標準 伝送システム 56 m 87Sr ×2 光格子時計 60km 87Sr f (NICT) – f (東大) (Hz) 33cmの高さの違い mc hv 2 hv E mgz 2 gz c E f 33 10 18 @ z 33cm E f 4.原子気体のボース・アインシュタイン凝縮(BEC) 高温:原子はランダム に 熱運動をする l dB 2001 低温:低温になった原子では、 極低温:互いの波が重なり合い 波動性が顕著に表れる 量子力学的相転移が起きる l dB l dB 位相空間密度:ρ> 2.612 PSD n n h / 2mAk BT 3 dB TC=100 nK, n=1014/cm3 3 (石田先生講義ノートより) 光を使った原子のイメージング 冷却原子 Iincident(x,y) Itransmission(x,y) CCD プローブ光 レ ン ズ Time-of-Flight Image: t=0で、原子をトラップから開放 t=tTOF後の原子の分布を観測 運動量分布を反映 光を使った原子のイメージング Iincident(x,y) Itransmission(x,y) CCD nearly-resonant probe light lens 原子数 I transmission ( x, y ) N n( x, y ) Ldxdy log( )dxdy s abs I incident( x, y ) 1 飛行時間測定 温度 T= 2 s2 M (sfinal initial) k B t2 transmission g 0.5 mm ポテンシャル深さ U=6.7 µK 1 BEC 0 古典的気体: T=0.9 µK TOF time /ms U=2.2 µK BEC 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 実験装置 量子原子気体(ボソン vsフェルミオン) “ボースアインシュタイン凝縮” “フェルミ縮退” 6Li 87Rb 運動量分布 [E. Cornell et al, (1995)] Spatial空間分布 Distribution [R. Hulet et al, (2000)] and 7Li 中性原子の対生成による超流動 cf 池田先生 の講義資料 金属の超伝導:抵抗がゼロ 電子の2つの状態 ( )に引力が働いて 対を形成(クーパー対) 中性原子の超流動: 原子の2つの状態 ( )に引力が働いて 対を形成(クーパー対) 分子のBEC (石田先生講義ノートより) (石田先生講義ノートより) 原子の BCS 典型的な値 TF 1K , TBCS 0.3TF exp( k F 1 / 1m, E F k BTF 3N 1 3 (k F ) ω 2m 2k F a s as 1nm 2 ) フェッシュバッハ共鳴 “2つの原子の間の散乱状態” と “2つの原子の間の束縛状態(=分子)” の相互作用 C as ( B) a0 B B0 Potential asの制御 分子状態 as 自由な2原子 -C6/R3 0 B 原子のBCS BEC – BCS クロスオーバー 弱結合 強結合 0 1/(kFa) 光格子量子シミュレーション Vo ( x) Vo sin 2 (k L x) λ/2 光格子の中を運動する原子 固体:結晶格子の中を運動する電子 ハバードモデルの量子シミュレーション Hubbard Model: H t ci c U ni ni j i , j ti , j i-th j-th i U スーパークリーンな系 格子欠陥なし、不純物問題なし 高度で精密な制御が可能 光格子の深さ制御、フェッシュバッハ共鳴による相互作用制御 多様な系が対象に 様々な次元・光格子、ボソン・フェルミオン・混合系 エネルギーバンド (ブリリュアンゾーン)の観測 “超流動 – モット絶縁体 量子相転移の観測” “相図(格子中のボース粒子)” 温度 超流動状態 相互作用の強さ モット(絶縁体)状態 “超流動 – モット絶縁体 量子相転移の観測” 超流動性 =“干渉パターン” :位相コヒーレンス No lattice V0 / ER 3 7 10 87Rb N 2105 13 14 16 20 次世代量子シミュレーター 各格子点の単一原子観測 &操作! 2次元系 超流動-Mott 絶縁体 量子相転移の観測 超流動 モット絶縁体 ローレンツ祭(6月13日(金)) 量子光学研究室 C A 超流動・絶縁体転移の様子。光格子を深くしていくと、原子の干渉パター ンが消失していき、モット絶縁体が形成されていくのがのがわかります。 Quantum Gas Microscope 対物レンズ 光格子用ビーム (波長532nm) B よく制御されたレーザー光を組み合すことによって、リープ格子(左)と呼 ばれる非標準的な格子を作成することができ、BECの物質波干渉により、 確認することができます。(右図) Precision Measurement Ultracold Atomic Mixture 補正項が存在!? 重力ポテンシャル M 1M 2 r G (1 e ) r Yb原子 V (r ) 2次元光格子中にトラップした原子の各々を 高解像度レンズを通して独立に観測します。 C12 C6 C8 GM1M 2 r 1 e r12 r 6 r 8 r 原子間ポテンシャルが重力で変化する のを高精度に検証します。 光格子中のYbとLiの混合系は、 不純物系の量子シミュレーションを 実現するのに理想的な系です。 低温科学A(高橋): 「レーザーによる希薄原子気体の冷却と ボース・アインシュタイン凝縮」レポート問題 1)中性原子の冷却法について、一つ例を挙げてその原理を詳述せよ。 2)固体電子系では実現不可能であるが、光格子中の冷却原子を用い て初めて可能になる研究について、実験例を挙げて詳述せよ。 講義の感想を書いてください。(採点には無関係) レポート提出場所:理学部教務係(6号館1F窓口) レポート提出期限:6/27日(金) 剽窃は絶対にしないように! 特に参考にした文献がある場合は、出典を明らかにすること。 他人のレポートを写すのはもちろん不可。
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