H26 11 5

H26/11/5
ここで
E0 =
1
ω 0
2
零点エネルギー
(1.53)
量子数 n に対応する H (ξ ) を H n (ξ ) と表す
↓ (1.51)を(1.47)に代入
d2Hn
dH n
− 2ξ
+ 2nH n = 0
2
dξ
dξ
(1.54)
この解は母関数
(
)
H n (ξ ) n
s
n!
n=0
∞
exp 2sξ − s 2 = ∑
(1.55)
の展開係数 H n (ξ ) に等しく
H n (ξ ) = (−1)n exp(ξ 2 )
dn
exp(−ξ 2 )
n
dξ
(1.56)
---- ξ の n 次多項式: エルミート多項式
例: H 0 = 1 , H 1 = 2ξ , H 2 = 4ξ 2 − 2 , H 3 = 8ξ 3 − 12ξ , ---漸化式: H n ' = 2nH n −1
H n +1 = 2ξ H n − 2nH n −1
⎛ ξ2 ⎞
ψ n (ξ ) = exp ⎜ − ⎟ H n (ξ ) : −∞ < ξ < ∞ で完全直交系
⎝ 2⎠
(1.57)
(1.58)
(1.59)
(1.59’)
(1.55)式から
∫
∞
−∞
ψ n * (ξ )ψ m (ξ )dξ =
∫
∞
−∞
H n (ξ )H m (ξ )exp(−ξ 2 )dξ = 2 n n! πδ nm
(δ: クロネッカーのデルタ)
を得るので、規格化でき
1
(1.60)
⎛ ξ2 ⎞
ψ n (x) = An H n (ξ )exp ⎜ − ⎟
⎝ 2⎠
⎛ mω 0 ⎞
⎛ mω 0 2 ⎞
= An H n ⎜
x ⎟ exp ⎜ −
x ⎟
⎝ 2
⎠
 ⎠
⎝
An =
4
mω 0 / 
(n=0,1,2,---)
2 n n! π
(1.61a)
(1.61b)
エネルギー固有関数 ψ n (x) の性質:(図 1.1 参照)
(1) H n (ξ ) は n 次の多項式 → ψ n (x) は x 軸と n 回交わる
(2) 古典的折り返し点 x = ±a は
k 2
1⎞
⎛
a = En = ω 0 ⎜ n + ⎟
⎝
2
2⎠
(1.62)
↓
ω 0

= 2n + 1
k
mω 0
a = 2n + 1
(1.63)
2
(3) 確率密度 ψ n (x) : n+1 個のピーク
→ n→∞にて古典論の存在確率に漸近(図 1.2 参照)
【3 次元の場合】
波動関数 ψ (x, y, z) = ψ x (x)ψ y (y)ψ z (z) 、
3⎞
⎛
エネルギー固有値 E = Enx + Eny + Enz = ω 0 ⎜ nx + ny + nz + ⎟
⎝
2⎠
----同じ n = nx + ny + nz をもつ状態は縮退
2
================== 巨視的な系にも反映する量子力学的効果 ==================
1. He の超流動(super fluidity)(@1938, J.F. Allen, A.D.Miesner)
(これも下記 2 の BEC の事例に関連)
---0点エネルギー>束縛エネルギー
2. Bose Einstein condensation
(ボーズ・アインシュタイン凝縮:BEC,@1924)
ボーズ粒子(スピンが整数)は同じ状態に複数の粒子が存在しうる。
↓
ボーズ粒子(例:ヘリウム 4 原子)の間の距離 d<波束の波長λのとき
↓
複数の波束が干渉
↓
原子同士が相互作用せず、力を及ぼし合わなくても、純粋に同一粒子群の状態関数の干渉だけ
で、一体となった凝縮体ができる。
↓
凝縮体ができたとすると、その系全体がつくる基底状態にボーズ粒子であるへリウム 4 原子の
全部が入る。
↓
系のエネルギーが最低になる。
例 1: 超伝導体(@1911, Kammerlingh-Onnes)
フェルミ粒子(スピンが半整数)である 2 個の電子(スピン 1/2)が対をなしてスピン 0 のボー
ズ粒子を作り、凝縮状態になった物質
---人類が初めて出会った量子効果:電子の波動性が巨視的状況を作り出し、電気抵抗 0 を出現
↓
しかし、電子はボーズ粒子ではない(真の BEC ではない)
例 2: 真の BEC の実現(@1995, E. Cornell, C. Wieman)
ルビジウム原子、ナトリウム原子、リチウムの同位体(ボーズ粒子)の各中性原子気体の BEC
実現
(レーザー冷却により熱運動速度減少させ、上記の d<λを実現)
3