小テスト有→要PC起動 制御システム設計 第14回 ~ボード線図と安定余裕~ 東京都市大学 工学部 機械システム工学科 野中謙一郎 http://www.cl.mse.tcu.ac.jp/lab/edu/dcs/ ボード線図から読み取ったゲイン余裕GMと位相余裕PMの値を用いて制御系を設計する 制御システム設計 2014年前期 1 前回課題 ゲイン余裕・位相余裕の計算 下記のフィードバック制御系と制御対象 について,P制御のゲインが 2と 場合の点 1,0 付近のベクトル軌跡を描き,ゲイン余裕と位相余裕を求めなさい. 4の 一巡伝達関数 誤差 目標値 制御器 操作量 制御対象 制御対象 制御量 1 1 2 フィードバック制御系 Im 0.5 Re D 0 B C -0.5 A A(‐0.842252,‐0.539084) B(‐0.333333,0) C(‐0.980074,‐0.198374) D(‐0.666667,0) 2 ゲイン余裕GM . -1 2 4 -1.5 -2 -1.5 -1 -0.5 0 位相余裕PM tan 4 ゲイン余裕GM . . tan . . . 位相余裕PM 2014年前期 3.00 制御システム設計 32.6° 1.50 11.4° 2 安定余裕 フィードバック制御系の制御対象 が変化する場合に,安定性が保たれるために や位相∠ に許される変化の余裕 ゲイン 目標値 制御器 誤差 操作量 制御対象 制御量 フィードバック制御系 1.5 0.5 Im 9 8 Re sin 3 1.0 4 0.5 2 1 0 0.0 -0.5 -0.5 1 7 -1.0 -1.5 -1 4 -1.5 -1.5 -1 -0.5 2 0 0.5 / 1 のベクトル軌跡 7は安定限界に近く,安定余裕が小さい. ベクトル軌跡が負の実軸と交わる点 1 ベクトル軌跡の距離が1になる点の偏角 180° 2014年前期 50 40 30 20 10 0 -10 -20 -30 -40 -50 0 5 10 15 20 25 30 35 40 9は振幅が加速して増加 7は 一定振幅に 収束する 8は振幅が一定速度で増加 0 5 10 15 20 25 30 35 40 のステップ応答のグラフ 制御システム設計 3 6.3 ゲイン余裕・位相余裕(p.122) ゲイン交差角周波数 (gain crossover frequency) 1となる点Gにおける で,この時の位相∠ が, ∠ 180°なら安定, ∠ 180°なら不安定 位相交差角周波数 (phase crossover frequency) ∠ 180°となる点Pにおける で,この時のゲイン 1なら安定, 1なら不安定 Im 1.0 1 GM 0.5 が, 1 0.0 PM OP 0.4 0.5より 0.2 1 P Re 2.0 GM 0.0 0.5 O 0.5 1.0 G 0.94, 0.34 より -0.2 PM 0.34 -0.4 G 0.94, 0.34 PM tan 0.94 -0.6 -1.6 -1.4 -1.2 -1.0 -0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0.0 0.2 0.4 20° 2014年前期 GMとPMの計算例 3/ 制御システム設計 1 2 0.0 Re が増加 -1.5 -1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0 安定な場合のPとG Im 0.5 Im ∞ O G -0.5 ゲイン余裕 GM (gain margin) ∠ 180°となる点Pにおけるゲイン OPについて,-1.0 OP GM 1 -1.5 すなわち, OPが何倍されたら不安定になるかを表す値で -2.0 1 -2.0 GM OP 位相余裕 PM (phase margin) 1となる点Gにおける位相∠ が 180°まで 1.0 何度の余裕があるかを表す. P G P Re ∞ 1 O -0.5 -1.0 -1.5 -2.0 -2.0 -1.5 -1.0 -0.5 0.0 0.5 不安定な場合のPとG 1.0 4 ボード線図の復習 横軸 ゲイン 振幅 (dB) 縦軸 ゲイン20 log 位相∠ [°] [dB] -20 -40 0.1 -60 1 10 -80 0 位相 (deg) 1次遅れ系のボード線図 1 ベクトル軌跡との関係 -30 -60 -90 -3 10 10 -2 10 0.1 1 10 -1 10 0 10 1 周波数 (rad/s) 0.4 K=1 10 2 10 3 時定数 が変化 線 0.3 From: Step To: Transfer Fcn 20 0.2 10 10 ゲイン 振幅 (dB) 0 10 0.0 -0.1 10 0.1 0 入力の角周波数 [rad/s] 0.1 From: Step To: Transfer Fcn 20 10 ∠ -20 10 1 0.1 -40 -60 -80 0 -0.2 位相 (deg) -0.3 -0.4 -0.5 10 -0.6 0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0 0.1,1,10 -30 -60 -90 -3 10 10 -2 10 -1 10 0 10 1 周波数 (rad/s) 制御システム設計 2014年前期 10 2 10 3 ゲイン が変化 5 ゲイン・位相余裕とボード線図 Im ボード線図 From: Step To: Transfer Fcn 40 1.0 ゲイン 振幅 (dB) 20 G 0 20log P -20 0.5 GM 1 0.0 -40 PM -135 -1.5 P -225 -270 -1 10 10 ∞ Re O 0 10 1 -1.5 -1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0 周波数 (rad/s) Im ボード線図 From: Step To: Transfer Fcn 40 1.0 位相 (deg) ゲイン 振幅 (dB) 20 P G 0.5 0 -20 0.0 G P -60 -90 -0.5 -135 -1.0 Re ∞ 1 -40 不安定な場合 位相が 180°になる点Pで ゲインが1以上(0dB以上) ゲインが1になる点Gで 位相が 180°以下 O -180 -1.5 P G -225 -270 -1 10 2014年前期 10 0 周波数 (rad/s) 10 1 -2.0 -2.0 -1.5 -1.0 制御システム設計 -0.5 0.0 2 練習問題 上の で下記求め一致を確認 ベクトル軌跡のGM,PM GMは0.5→約6dB PMは約20° ボード線図のGM,PM GMは約6dB PMは約20° が増加 -2.0 -2.0 安定な場合 位相が 180°になる点Pで ゲインが1未満(0dB未満) ゲインが1になる点Gで 位相が 180°以上 3 1 -1.0 G PM -180 P G -0.5 -60 -90 位相 (deg) 1 GM 0.5 1.0 10 1 2 6 演習課題 安定余裕の確認 フィードバック制御系の制御対象 が変化する場合に,安定性が保たれるために や位相∠ に許される変化の範囲が安定余裕 ゲイン 誤差 目標値 制御器 操作量 制御対象 制御対象 制御量 3 1 公称モデル 2 実際の制御対象(未知) , フィードバック制御系 (1) 20 log 0.01として,安定になる の最大値をシミュレーションから求め, が のゲイン余裕とおおよそ一致することを確認 (2) ∠ 1として,安定になる の最大値をシミュレーションから求め, が の位相余裕とおおよそ一致することを確認 10 20 ボード線図 From: Step To: Transfer Fcn 0 0.1 -20 From: Step To: Transfer Fcn 20 振幅 (dB) 振幅 (dB) 0 -10 のボード線図から のボード線図から 1 10 1 -30 -20 -40 -60 -40 -80 0 位相 (deg) 位相 (deg) -50 0 -45 -90 -3 10 10 -2 10 -1 10 0 10 1 10 2 周波数 (rad/s) のゲイン余裕と位相余裕 2014年前期 のゲインの変化( 制御システム設計 10 3 -30 -90 -3 10 10 -2 10 0.1 1 10 -60 -1 10 0 10 1 10 2 周波数 (ra d/s) 0.01) の位相の変化( 1) 7 10 3
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