電子楽器& エフェクタ回路集 エレキ 実感

連載
エフェクタを作って持ち帰れる実習セミナ12月13日(日)開催予定!
詳しくはセミナ事務局へ http://seminar.cqpub.co.jp
OPアンプやトランジスタで音作り
エレキ
実感
電子楽器&
エフェクタ回路集
第 5 回 3 バンド・パラメトリック・イコライザ
周波数特性シェイピング自由自在!
特徴的な音色に変えたり,ハウリングを抑えたり
富沢 瑞夫
(a)中心周波数fC の可変
落としたいノイズ
レベル
レベル
ゲイン
Mizuo Tomizawa
補正
(?)
後の特性
変えたく
ない成分
周波数
f
f
ゲイン
持ち上げたい
成分
周波数
ゲイン
(b)レベルの可変
(b)バンドのQ 固定だと
周波数をうまく補正
できない
レベル
レベル
(a)バンドの周波数が固定だと
周波数特性が うまく補正
できない
落としたいノイズ
Q が高い
イコライザ特性
補正できた!
変わら
ない
f
Q が低い
補正
できた!
周波数
(c)鋭さQ の可変
図 1 パラメトリック・イコライザは,ピークの中心周波数,レ
ベル,鋭さ
(Q )の三つのパラメータを調整する周波数特性シェ
イピング・エフェクタ
このピーク(ディップ)一つ分を 1 バンドとして,3 ∼ 4 バンドを持つ製
f
持ち上げたい
成分
イコライザ特性
(c)周波数やQ が可変できればうまく補正できる
図 2 周波数やQ が変えられるのがパラメトリック特有のメリット
グラフィック・イコライザよりも合わせ込んだ調整ができる
品が一般的
こんなエフェクタ
● ピーク周波数,ピークのレベル,ピークの鋭さ Q
の三つのパラメータを調整できる
パラメトリック・イコライザは,楽器の音色を細か
く調整するエフェクタです.図 1 のように,ピークの
中心周波数,レベル,鋭さQ(ピークの幅)という物理
特性をそれぞれ独立に調整できます.
深くて狭い谷も,広くなだらかな山も,1 バンドで
実現できます.さまざまな楽器
(あるいは部屋などの
伝達特性)
に対し,必要な特性を持たせられます(図 2)
.
ミキサなどの入力チャネルに組み込まれ,各チャネ
ルの音質調整に使うことが多いほか,単体のエフェク
タとして,ギターやキーボードの音づくりにも使われ
ます.
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● 楽器 / ボーカル用にモノラル 3 バンドで製作
1 バンドごとに三つの調整ボリュームが付くイコラ
イザで,グラフィック・イコライザのように広い周波
数にわたって多数のバンドを設けることは難しくなり
ます.3 ∼ 4 バンドをセットにしたパラメトリック・
イコライザがよく使われています.
今回製作したのは図 3 のように 3 バンドです.外観
を写真 1 に示します.低音,中音,高音の三つのバン
ドがあります.それぞれのバンドは大きくオーバーラ
ップさせていて,低音用は中音用にも,中音用は低音
や高音用にも,高音用は中音用にも使えるようにして,
音作りの範囲を広げています.
● 本器の使い方
三つのバンドを音色に特徴が出る周波数に合わせて
作りこんでいきます.各帯域の配分を考えて,レベル
2016 年 1 月号