KURENAI : Kyoto University Research Information Repository Title Author(s) Citation Issue Date URL Molecular characterization of a new metabotropic glutamate receptor mGluR7 coupled to inhibitory cyclic AMP signal transduction( Abstract_要旨 ) Okamoto, Naoyuki Kyoto University (京都大学) 1999-01-25 http://hdl.handle.net/2433/182290 Right Type Textversion Thesis or Dissertation none Kyoto University 氏 名 おか もと なお ゆき 岡 本 直 之 ( 医 学) 学位 ( 専攻分野) 博 士 学 位 記 番 号 67 9号 論 医 博 第 1 学 位 授 与 の 日付 平 成 11年 1 月 25 日 学 位 授 与 の要 件 学 位 規 則 第 4条 第 2項 該 当 学 位 論 文 題 目 Mol e c ul a rc ha r a c t e r i z a t i o nofane w me t a bo t r opl Cgl u t a ma t er e c e pt o rmGl uR7 C ou pl e dt oi nhi bi t o r yc yc l i cAMPs i gna lt r a ns duc t i on ( 抑制性c AMP信 号伝 達 に共 役 す る新 しい 代 謝 型 グル タ ミン酸 受 容 体 mGl uR7の分子解析) ( 主査) 論 文 調 査 委 員 教 授 福 田 和 彦 論 文 内 教 授 金 子 武 嗣 容 の 要 教 授 本 田 孔 士 旨 グル タ ミン酸受容体は中枢神経系における主要な興奮性神経伝達物質であるグル タ ミン酸に反応す る受容体である。 グル タ ミン酸受容体は,イオンチャネル を内在す るイオ ノ トロピック受容体 と細胞内情報伝達系に共役す る代謝型受容体 ( メタ ボ トロピック受容体,mGl uR)のふたっに大別 され,イオノ トロピック受容体は さらにNMDA受容体 とAMPN/ カイニン酸 mGl uR1mGl uR6),PCR法 受容体 に分類 され る。 これまでに 6種類 の代謝型 グル タ ミン酸受容体が同定 されているが ( を用いてラッ ト前脳c DNAライブラ リー よ り新たな代謝型 グル タ ミン酸受容体 を単離 し,mGl uR7と命名 した。 本受容体は,91 5ア ミノ酸か らな り,約 590ア ミノ酸か らなる大 きな細胞外領域 と 7回の膜貫通領域 を持つ ことが推定 され uR,特 にmGl uR4 ( 6 7%),mGl uR6 ( 6 4%) と高いア ミノ酸配列 の相 同性 た。 G蛋 白共役受容体蛋 白に属 し,他 のmGl を示す。 mGl uR7をChi ne s eHams t e rOvar yCe l l に リン酸カル シ ウム法 を用いて導入 し, mGl uR7を持続的に発現す る動物細 uR7の細胞 内情報伝達系について解析 した。 mGl uR7はフォル ス コ リンで誘導 されたc AMPの上昇 を 胞株 を樹立 し,mGl グル タ ミン酸によ り低下 させ,また この低下は百 日咳毒素前処置 によ り阻害 された。 この ことは,mGl uR7が抑制性の百 に共役 して細胞 内のc AMP抑制系に関与 していることを示 していると考 え られ る。 日咳毒素感受性 の G蛋 白,おそ らくはGi mGl uR7はmGl uR4,mGl uR6と同 じア ゴニス ト活性 を持 ち,L-2l ami no 4pho s pho no but y r at e( LAP4),Ls e r i ne Opho s phat e( LSOP)によ り特異的に活性化 され る。 No r t he r nbl o thy br i di z at i o n,Ⅰ ns i t uhy br i dz at i o nの結果,mGl uR7mRNAは中枢神経系に広 く分布 してお り,なかで も大脳皮質,視床,喚球,線条体,後根神経節 な どに強い発現がみ られた。 AP4反応性 の代謝型 グル タ ミン酸受容体 には少 な くとも,mGl uR4,mGl uR6,mGl uR7の 3種類 が 本研究によ りL存在す ることが明 らかにされた。 mGl uR6は網膜 の双極細胞 に限局 して発現 してお り,網膜 にお ける視細胞 一双極細胞 間 uR4,mGl uR7は中枢神経系におけるグル タ ミン酸神経伝達 を調節す る重要な のシナプス伝達に関わってお り,一方 mGl 役割 を担っていると考 えられ る。 -1 397- 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 グル タ ミン酸受容体は中枢神経系における主要な神経伝達物質であるグル タ ミン酸に反応す る受容体であ り,イオノ トロ ピック受容体 と代謝型受容体 に大別 され る。 これ までに 6種類 の代謝型受容体が同定 されてい るが,PCR法 を用いてラッ uR7を単離 した。 ト前脳 よ り新たな代謝型受容体 mGl 5ア ミノ酸か らな り,約 5 90ア ミノ酸か らなる大 きな細胞外領域 と 7回の膜貫通領域 を持っ ことが推定 され 本受容体は,91 uR7はGi に共役 して細胞内c AMP抑制系に関与す るG蛋 白共役受容体であると考えられ る。 た。薬理学的解析 によ り,mGl mGl uR7はmGl uR4,mGl uR6と同 じア ゴニス ト活性 を持 ち,L-2ami no l 4pho s pho no but yr a t e( LAP4) によ り特 異的に活性化 され,また他のmGl uR特にmGl uR4,mGl uR6と高いア ミノ酸配列の相同性 を示す。No r t he r nbl o thy br i di - z at i o n,Ⅰ ns i t uhy br i di z at i o nの結果,mGl uR7mRNAは網膜 を含む中枢神経系に広 く分布 していることが明 らかになった。 以上の研究は中枢神経系におけるグル タ ミン酸受容体の構造 と機能の解明に貢献 し,神経生物学,眼科学の発展に寄与す るところが多い。 したがって,本論文は博士 ( 医学)の学位論文 として価値 あるもの と認 める。 1 年 1月 6日実施の論文内容 とそれに関連 した研究分野並びに学識確認のための試問を なお,本学位授与 申請者 は,平成 1 受 け,合格 と認 め られたものである。 -1 398-
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