応用解析第1(数理・物理)中間テスト 2014 年 5 月 27 日 4 限実施 問 1. f : R → R は C 2 級で、微分方程式 f ′′ (t) + c2 f (t) = 0 を満たすとする(c ̸= 0 は t に依ら ない実定数)。g(t) = f (t) cos ct − c−1 f ′ (t) sin ct, h(t) = f (t) sin ct + c−1 f ′ (t) cos ct とおく。 (i) g(t), h(t) は t に依らない定数であることを示せ。(10点) (ii) t に依らない実定数 a, b が存在して f (t) = a cos ct + b sin ct が成り立つことを示せ。(1 5点) 問 2. 以下で定義される R 上の 2π-周期関数 f のフーリエ級数 fˆ(n)(n は整数)とフーリエ級 数を求めよ。(25点) π x − 2 − 2 if −π < x < 0; f (x) = π − x2 if 0 < x < π 2 0 if x = 0 問 3. 次の問いに答えよ。 (i) 関数項級数に対する優級数定理を述べよ。(5点) ∑ 3 − 32 (ii) x− 2 (x > 0)の積分を利用して、 ∞ は収束することを示せ。(5点) n=1 n (iii) 優級数定理を用いて、次の関数項級数 ∞ ∑ n=1 x n(1 + nx2 ) が区間 I = (0, +∞) 上で一様収束することを示せ(ヒント:相加平均 ≥ 相乗平均)。 (15点) 問 4. 次の問いに答えよ。 (i) [0, 1] 上の関数列 fn = (1/n) sin nx を考える。{fn } は一様収束するが {fn′ } は一様収束し ないことを示せ。(10点) (k) (ii) C m ([0, 1]) の関数列 {fn } であって、任意の 0 ≤ k ≤ m − 1 に対して {fn } は一様収束 (m) するが {fn } は一様収束しないようなものの例を挙げよ。(i) をヒントにしてもしなくてもよ い。(15点) 略解と採点基準 問 1. (i) g(t), h(t) を t で微分して 0 になることをいえばよい。一つにつき 5 点。部分点は与え ない。 (ii) (i) より g(t) = a, h(t) = b(a, b は実定数)なので、この2式より結論を得る。 (15点) 部分点は与えない。 問 2. fˆ(n) = 1/(2in) (n ̸= 0), (15点) fˆ(0) = 0(5点). (複素)フーリエ係数でなく、 ∫π ∫π フーリエ正弦係数 (1/2π) −π f (x) sin nxdx とフーリエ余弦係数 (1/2π) −π f (x) cos nxdx を正 ∑ inx しく求めているものも正解とする。フーリエ級数は n̸=0 e2in .(5点)部分点は与えない。 問 3. (i) 区間 I 上の関数列 {fn } が ∑ sup{|fn (x)| : x ∈ I} < ∞ n ∑ を満たすなら、関数項級数 n fn は一様収束する。さらに、この収束は I 上の至るところ絶 対収束である。(5点) さらに、以下はなくても不正解とはしない。fn の連続性を仮定していても正解とする。も ∑ し fn が連続なら、 n fn も連続である。 (ii) 略。部分点は与えない。(5点) (iii) ∞ ∑ x 1 ∑ −3 ≤ n 2 2) n(1 + nx 2 n=1 と優級数定理より。部分点は与えない。(15点) 問 4. (i) fn′ が一様収束するなら、その一様収束先は f ≡ 0 でなければならない。しかるに fn′ = cos nx であり、supx∈[0,1] |fn′ (x) − f (x)| = 1 なので一様収束しない。 (k) (k) (ii) fn (x) = (1/nm ) sin nx. 実際に、0 ≤ k ≤ m − 1 なら |fn (x)| ≤ nk−m なので、fn (m) は 0 に一様収束する。fn が一様収束するなら、その一様収束先は 0 でなければならないが、 (m) supx∈[0,1] |fn (x) − 0| = 1 なので一様収束しない。 xn 他にも fn (x) = n(n−1)(n−2)···(n−m+1) という解答があった。これも正解である。理由は省略。
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