2013-EM2-Quiz6 [1] 講義では単色平面波に対し E(x, t) = Re(E 0 eikµ x ) , E 0 = be−iα (−2αをE0 · E0 の偏角に選ぶ) µ と表示し、楕円偏光に対して自動的に主軸 e1 , e2 が選ばれた。 E 0 = E0x ex + E0y ey , E0x ≡ A e−iα , E0y ≡ B e−iα+iδ と表示して、楕円の軸の大きさ及び軸と x 軸がなす角度を A, B, δ により計算 せよ。 (cf.L.L 場の古典論 p132) [2] 誘電率と電気伝導率がそれぞれ 1 , σ1 ; 2 , σ2 の2種類の誘電体の境界面に 垂直に電流密度 jn の定常電流が流れるとき、境界面に蓄積される電荷表面密 度 (σ表面 とする) を求めよ。 [1] の解答例 µ E 0 eikµ x = A ei(kµ x µ −α) µ −α+δ) ex + Bei(kµ x ey より µ E(x, t) = Re(E 0 eikµ x ) = A cos(kµ xµ − α)ex + B cos(kµ xµ − α + δ)ey となる。 Ex = A cos(kµ xµ − α) , Ey = B cos(kµ xµ − α + δ) 2 E2 x とおく。 E + By2 を A, B, δ が現れるように書いて、楕円の式を表すことから始め A2 る。Ex , Ey の交叉項が現れることは楕円の軸が x 軸から傾くことから既に分かっ Ex Ey ている。そこで AB を計算しておくと ei{2(kµ x Ex Ey = AB µ −α)+δ} + eiδ + e−iδ + e−i{2(kµ x 4 1 µ −α)+δ} となる。これより Ex2 Ey2 + = cos2 (kµ xµ − α) + cos2 (kµ xµ − α + δ) A2 B 2 ( i(kµ xµ −α) )2 ( i(kµ xµ −α+δ) )2 µ µ e + e−i(kµ x −α) e + e−i(kµ x −α+δ) = + 2 2 µ 2i(kµ xµ −α+δ) −2i(kµ xµ −α) −2i(kµ xµ −α+δ) e +e e + e2i(kµ x −α) = 1+ + 4 4 ) ( ) ( 2iδ E E E E 1 + e 1 + e−2iδ −iδ x y iδ x y + e = 1+ e − − AB 4 AB 4 1 Ex Ey = (1 − cos(2δ)) + 2 cos(δ) 2 AB Ex Ey = sin2 (δ) + 2 cos(δ) AB となるから、 Ex2 Ex Ey Ey2 − 2 cos(δ) + 2 = sin2 (δ) (1) 2 A AB B を得る。δ = nπ(但し n は整数)の時は直線偏光になるので、これは除いておく。 この時、さらに (1) は Ey2 Ex2 cos(δ) Ex Ey − 2 + =1 A2 sin2 (δ) sin2 (δ) AB B 2 sin2 (δ) と変形できる。(2) は行列を用いて書くと ( と書ける。但しここで ( M= ) Ex Ey (Ex , Ey )M (2) 1 A2 sin2 δ − ABcossinδ2 δ =1 − ABcossinδ2 δ (3) ) 1 B 2 sin2 δ である。M の固有値を λ とし、I を単位行列とする。 ( ) 1 cos δ − λ − A2 sin2 δ AB sin2 δ M − λI = cos δ 1 − AB sin2 δ B 2 sin2 δ − λ の行列式が0になればよいから det(M − λI) = λ − 2 を解いて、 1 λ= 2 sin2 δ ( ) 1 1 1 + 2 ± 2 A B 2 ( 1 1 − 2 2 A B √ 1 sin2 δ { 1 sin δ 2 ) ( λ 1 + 2 2 2 =0 2 sin δ A B sin δ 1 1 + 2 2 A B ) 2 − AB }{ 1 sin δ ( 1 1 + 2 2 A B ) 2 + AB } を得る。これはさらに簡単にできて、2つについて √ A2 + B 2 + A4 + B 4 + 2A2 B 2 cos(2δ) λ+ = 2A2 B 2 sin2 (δ) √ A2 + B 2 − A4 + B 4 + 2A2 B 2 cos(2δ) λ− = 2A2 B 2 sin2 (δ) と置く。すると M を対角化した行列 Λ は ( ) λ+ 0 Λ= 0 λ− となる。こうして (2) を主軸変換することで得られる標準形の式は λ2+ Ex + λ2− Ey = 1 である。 これより楕円の長軸の長さ ll は ll = 1 λ2− ls = 1 λ2+ であり、また、短軸の長さ ls は (4) とわかる。 固有値 λ+ に対する固有ベクトルを X 1 とする。 (M − λ+ I)X 1 = 0 より X 1 は ( X1 = − −A2 +B 2 + √ A4 +B 4 +2A2 B 2 cos(2δ) 2A2 B 2 cos(δ) ) 1 と取ることができる。 固有値 λ− に対する固有ベクトルを X 2 とする。 (M − λ− I)X 2 = 0 より X 2 は ( X2 = √ A2 −B 2 + A4 +B 4 +2A2 B 2 cos(2δ) 2A2 B 2 cos(δ) 1 3 ) と取ることができる。 これらの固有ベクトルより M を対角化するための変換行列 P が得られて ( P = − √ −A2 +B 2 + √ A2 −B 2 + A4 +B 4 +2A2 B 2 cos(2δ) 2AB cos(δ) A4 +B 4 +2A2 B 2 cos(2δ) 2AB cos(δ) 1 ) 1 である。また P の逆行列は P −1 = −√ √ A2 −B 2 + AB cos(δ) A4 +B 4 +2A2 B 2 cos(2δ) 2 − AB cos(δ) A4 +B 4 +2A2 B 2 cos(2δ) √ 2 A4 +B 4 +2A2 B 2 cos(2δ) √ A4 +B 4 +2A2 B 2 cos(2δ) A2 +B 2 + である。 こうして、(3) は √ ( ) Ex Ey A4 +B 4 +2A2 B 2 cos(2δ) ) Ex Ey ( =1 ) Ex Ey ≡ P −1 A4 +B 4 +2A2 B 2 cos(2δ) ( (Ex , Ey )P P −1 M P P −1 と変形できて √ (5) 及び Λ ≡ P −1 M P と置くことにより、 ( ) Ex Ey (Ex , Ey )Λ =1 と書けるのである。なお、これは (4) に他ならない。 こうして P × (5) より以前の軸で見た (Ex , Ey ) = (1, 0) は √ ) ( −A2 +B 2 + A4 +B 4 +2A2 B 2 cos(2δ) − 2AB cos(δ) 1 である。 こうして楕円の Ex 側の軸と x 軸の成す角を θ とすると √ −A2 + B 2 + A4 + B 4 + 2A2 B 2 cos(2δ) √ cos(θ) = − √ (−A2 +B 2 + A4 +B 4 +2A2 B 2 cos(2δ))2 2AB cos(δ) 1 + 4A2 B 2 cos2 (δ) となる。 余談になるが、今の場合は主軸変換の一般的な方法によらなくても、具体的に長 軸と x 軸の回転角を導入して座標変換を考えることによって、軸の大きさと x 軸 との成す角はもっと楽に求めることができる。 4 [2] の解答例 講義で考えたときと同様に、体積 dV 、断面積 dS の微小円筒領域での積分を考え る。 ガウスの法則から、電荷密度を ρ として、 ∫ ∫ ρdV = V ∫ D · ndS divDdV = V (6) S よって、微小円筒の厚さが十分小さいとき、 σ表面 dS = (D2 − D1 ) · ndS = ( 2 E2,n − 1 E1,n )dS よって、求める電荷表面密度は、jn = σ1 E1,n = σ2 E2,n なので、 ) ( 1 2 − jn σ表面 = σ2 σ1 5 (7) (8)
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