2014 年 臨床分子医学実習まとめ(評価用)

2014 年
臨床分子医学実習まとめ (評価用)
症例
58 歳男性、神姫バス総務部長。救急車で姫路循環器病センターに搬送されてきた。小学生のころから
アトピー性皮膚炎がある。就職後の悪化し、時々皮膚科に通院し、今も塗り薬(ステロイド)を使用し
ている。入社以来健康上の問題はなかった(体重 65~68 kg)。しかし、45 歳ごろに運転部門から営業
部門に変わり、接待が増えるようになった。そのころから体重が増加しはじめ、健康診断でも脂質異常
(高 TG 血症)を指摘されるようになった。しかし、症状もなかったのでそのままにしていた。50 歳ご
ろに管理職となったため多くの時間をデスクワークに費やすようになり、さらに体重が増えた。(体重
84 kg)健康診断では高血糖(空腹で 119 mg/dL)を指摘された。その後も血糖は徐々に上昇し、昨年
の健診では空腹時血糖が 136 mg/dL、HbA1c が 7.4 % (NGSP) にまでなった。また、ここ数年は血圧
も高く、145/95 mmHg ぐらいのことが多かった。最近は両足の先と裏がジンジンしている。そのため
2 か月前から姫路の JE 病院に通院し始め、先月からは薬も開始した。4 月 15 日出勤するとき、JR 曽
根駅の階段を急いで上っていた時、これまで感じたことがない前胸部に締め付けられるような痛みを感
じた。痛みは 2-3 分で自然消失し、そのまま出勤した。4 月 21 日の出勤時にも同様の痛みを自覚した。
しかし、今回はじっとしていても改善せず、かえってひどくなったので駅員に助けを求めた。身長 172
cm、体重 88 kg。腹囲 93 cm。父親と祖父が糖尿病で、父親は 66 歳の時血液透析を受けるようになり、
4 年後に透析中に急死した。飲酒はビール(中)2~3 本/日、タバコは 18 歳から 20 本/日。
救急搬送されてすぐに緊急の冠動脈造影を受け、経皮的冠動脈形成術とステント留置を行った。これ
が上手くゆき、後遺症はほとんど残らず退院することになった。心臓超音波検査や BNP の値も正常で
ある。今後の食生活を見なおすため、本日(5 月 2 日)に病院の栄養管理課で食事教育を受けることに
なった。入院後内服も変更され、血圧は 132/86mmHg、空腹時血糖は 112mg/dl まで下がってきている。
入院時画像・生理学検査
胸部 X 線写真:異常所見なし
心電図:脈拍:85/min、不整脈なし
V1~V3 に異常 Q 波、V1~V4 に ST の上昇
動脈ガス:異常なし
眼科所見(4 月 28 日)
単純性網膜症
神経学的所見(4 月 28 日)
足底部の知覚低下
両側アキレス腱反射消失
1
入院時臨床検査
(尿アルブミンは 4 月 25 日)
検査項目
測定値
基準値
検査項目
測定値
基準値
所
体温
36.7 度
36~37
ChE
9,400 IU/L
3,500~8,000
見
脈拍
85 /min
60~90
CPK
549 U/L
62~287
血圧
148 / 92 mmHg
~139/~89
生
トロポニンT
0.8 ng/mL
~0.03
WBC
10,500 /mm3
3,300~9,000
化
BUN
22 mg/dL
8~23
血
RBC
441x104 /mm3
430~570
学
Cr
1.01 mg/dL
0.61~1.04
液
Hct
48.8 %
39.7~52.4
検
UA
8.2 mg/dL
≦7.0
検
Hb
14.7 g/dL
13.5~17.5
査
TC
219 mg/dL
~220
査
Plt
25.3x104 /mm3
14~34
TG
213 mg/dL
~149
PT
INR 1.08
0.85~1.15
HDL-C
33 mg/dL
40~70
生
TP
8.2 g/dL
6.7~8.3
FPG
129 mg/dL
70~109
化
Alb
5.2 g/dL
3.8~5.3
HbA1c(NGSP)
7.3 %
~6.2
学
T-bil
0.4 mg/dL
0.2~1.1
Na
141 mEq/L
137~147
検
D-bil
0.2 mg/dL
0.0~0.5
K
4.3 mEq/L
3.5~5.0
査
ALP
255 IU/L
100~325
Cl
105 mEq/L
98~108
LDH
271 IU/L
120~240
Ca
9.8 mEq/L
8.4~10.4
AST
154 IU/L
10~40
炎症
CRP
0.2 mg/dL
≦0.5
ALT
55 IU/L
5~45
尿
尿糖
(++)
(-)
-GTP
158 IU/L
≦80
139 mg/gCr
~30
尿アルブミン
栄養管理課で指導時の内服薬
(1) オルメテック錠 (40 mg) 1 回 1 錠
朝食後
(2) プラビックス錠(75 mg)1 回 1 錠
(3) ネシーナ錠(25 mg)1 回 1 錠
(4) クレストール(5 mg)1 回 1 錠
朝食後
朝食後
朝食後
2