第2回レポート解答

2014.2.3
物性物理学 C 第 2 回レポート 略解
I. (a)
dx
= v とすると、
dt
m
dv
= −γv + f0 cos ωt
dt
斉次方程式は
m
dv
= −γv
dt
なので、一般解は
v = A exp −
γ
t
m
となる。また、特解は
Ceiωt
v=
とおいて代入することにより
mCiωeiωt + γCeiωt − f0 eiωt = 0
よって、
C=
f0
f0
= 2 2
(γ − imω)
imω + γ
m ω + γ2
となる。つまり、
v(t) =
f0
2
m ω2 +
γ2
(γ cos ωt + mω sin ωt)
これより非斉次方程式の一般解は
v(t) = A exp −
γ
f0
t + 2 2
(γ cos ωt + mω sin ωt)
m
m ω + γ2
となる。t = 0 で、v = v0 であるので、A を求めると
A = v0 −
f0 γ
m2 ω 2 + γ 2
となる。これより、
v(t) = v0 −
f0 γ
2
m ω2 +
exp −
γ2
γ
f0
t + 2 2
(γ cos ωt + mω sin ωt)
m
m ω + γ2
となる。
(b) そのまま解けばよいので、
v(t) =
f0
cos ωt
γ
(c) (a) で得られた式を変形して
v(t) =
f0
γ
1
m2 ω 2
γ2
cos ωt +
+1
となり、(b) と一致する。
1
mω
f0
sin ωt →
cos ωt
γ
γ
II. 以下のように固定点を求め、そのまわりに線形安定性解析を行う。
(i) 固定点を求めると sin x = 0 より x = nπ(n は整数)。それぞれの固定点について安定性解析をする。
x = nπ まわりで x = nπ + Δx とおくと、
dΔx
= − sin (nπ + Δx) = − sin nπ − cos nπΔx + O Δx2 = −(−1)n Δx + O Δx2
dt
n が偶数のときは係数が負なので安定、n が奇数のときは係数が正なので不安定。
dy
dx
=
= 0 より x = y = 0。
(ii) 固定点を求めると
dt
dt
x = 0 + Δx、y = 0 + Δy とおいて代入すると
dΔx
= −Δx(Δx − 1)(Δx + 1) − Δy = Δx − Δy + O(Δx2 )
dt
dΔy
= 2Δx − Δy
dt
よって行列表示すると
d
dt
Δx
Δy
=
1 −1
2 −1
Δx
Δy
この固有値は (1 − λ)(−1 − λ) + 2 = 0 の解。つまり、λ2 + 1 = 0。よって λ = ±i。となる。よって
線形の範囲では、中立安定である。
(iii) 固定点を求めると x3 = 0 より x = 0。それぞれの固定点について安定性解析をする。
x = 0 + Δx とおいて代入し、展開すると
d
Δx = −(0 + Δx)3 = −(Δx)3 + O Δx4
dt
線形の部分 (Δx の 1 次の部分) だけを考えると 0 なので中立安定のように思われるが、線形部分が
0 のときには、高次の項が重要となる。この場合は、(Δx)2 の項も 0 なので、(Δx)3 の項が重要と
d
d
なる。常に、Δx < 0 のときには Δx < 0 かつ、Δx > 0 のときには Δx > 0 であるので、すべ
dt
dt
ての Δx について 0 に収束していく。「安定」の定義は「どんな摂動に対しても固定点に収束する」
ことであるので、x = 0 は安定である。
III. (i) z = reiθ とおいて代入する。
かつ、
dr iθ
d
dθ
z=
e + ireiθ
dt
dt
dt
dr −iθ
d
dθ
z¯ =
e
− ire−iθ
dt
dt
dt
より
z iθ
dr
1 dz −iθ d¯
+
=
e
e =
dt
2 dt
dt
1 dz −iθ d¯
z iθ
i
dθ
=
e
e =−
−
dt
2ir dt
dt
r
dz −iθ
=
e
dt
(a + iω)r − (1 + ib)r3 = ar − r3
i
dz −iθ
e
=−
dt
r
2
(a + iω)r − (1 + ib)r3 = ω − br2
√
√
(ii) (i) の結果より、r 方向の時間変化は a > 0 より 0 < r < a で増加、r > a で減少となる。つ
√
まり、r = a に収束する。つまり、リミットサイクルは r = a と書ける。また、その時の周期は
2π
dθ
= ω − ba となるので、T =
である。
dt
ω − ba
dΘ
= ω − ab に代入する。
(iii) Θ = θ + f (r) とおいて、
dt
dθ df dr
+
= ω − ab
dt
dr dt
より
ω − br2 +
となり、
r
よって、
df
ar − r3 = ω − ab
dr
df
+b
dr
a − r2 = 0
df
+b=0
dr
f (r) = −b ln r + c
r
つまり、
Θ(r, θ) = θ − b ln r + c
となる。
IV. Δθ = θ − Ωt とおくと、
d(Ωt + Δθ)
= ω + K sin (Ωt − (Ωt + Δθ))
dt
変形すると
dΔθ
= ω − Ω − K sin(Δθ)
dt
dΔθ
> 0 となり、同期しない。一方、K > Δω
Δω = ω − Ω > 0 とおくと、K < Δω のときには、常に
dt
dΔθ
dΔθ
dΔθ
> 0 となる領域と
< 0 となる領域ができ、その境界の
= 0 となる点が固定
のときには、
dt
dt
dt
点となる。
引き込むのは Δθ = 0 で正であり、そこから θ の増加とともに減少することから、Δθ > 0 で最初に Δθ
ω−Ω
ω−Ω
軸と交わる点が安定な固定点となる。よって sin Δθ =
となる点。つまり、Δθ = arcsin
で
K
K
引き込む。
V. (i) 固定点を求めるため、an = an+1 = a∞ とおいて、a∞ = 1 + a∞ − a∞ 3 より a∞ = 1。
an = 1 + Δan とおいて代入すると、
1 + Δan+1 = 1 + 1 + Δan − (1 + Δan )3 = 1 − 2Δan + O Δan 2
よって
Δan+1 = −2Δan + O Δan 2
より不安定。
3
(ii) 固定点を求めるため、an = an+1 = a∞ とおいて、a∞ = exp(1 − a∞ ) より a∞ = 1。(これは、グラ
フを考えればわかる。) an = 1 + Δan とおいて代入すると、
1 + Δan+1 = exp (2(−1 − Δan + 1)) = exp(−2Δan ) = 1 − 2Δan + O Δan 2
よって
Δan+1 = −2Δan + O Δan 2
より不安定。
√
1
a∞
+
(iii) 固定点を求めるため、an = an+1 = a∞ とおいて、a∞ =
より a∞ = ± 2。
2
a∞
√
an = ± 2 + Δan とおいて代入すると、
√
√
1
± 2 + Δan
+ √
± 2 + Δan+1 =
2
± 2 + Δan
√
1
± 2 + Δan
Δan Δan 2
± √ 1∓ √ +
=
+ O Δa3n
2
2
2
2
√
1
= ± 2 ± √ Δan 2 + O Δan 3
2 2
よって、
1
Δan+1 = ± √ Δan 2 + O Δa3n
2 2
√
Δan の絶対値が小さい時、0 に収束するので、an = 2 は安定。
この方法は、平方根を求める際に非常に効率よく収束していきます。(Δa2n しか残らないため。)
VI. VII. 略
講義のシラバス・資料など: http://cu.phys.s.chiba-u.ac.jp/lecture/busseiC/
北畑の連絡先:[email protected], TEL:043-290-3723
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