ファーマライズDI No.89

ファーマライズDI No.89
(Drug Information 医薬品情報 )
2014/12/29
ファーマライズ医薬情報研究所 DI室
1. 効能・効果の追加
薬品名
追加された効能・効果
年月
インデラル錠 10mg
右心室流出路狭窄による低酸素発作の発症抑制
2014.11
(アストラゼネカ)
*すでに公知申請事前評価により保険適応の対象となっていた
が、今回薬事承認された。
スピリーバ 2.5μgレスピマ
気管支喘息(重症持続型の患者に限る)の気道閉塞性障害に基
2014.11
ット 60 吸入(ベーリンガー)
づく諸症状の緩解
バルトレックス顆粒 50%、
造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱 2014.11
錠 500(GSK)
疹)の発症抑制
*カプセルには適応なし
用法:通常、成人には 1 回 500mgを 1 日 2 回造血幹細胞移植施
行7 日前より施行後 35 日まで経口投与
2. 剤形追加
薬品名
在来品
発売日
トラマールOD錠25mg、50mg(日本新薬)
トラマールカプセル 25mg、50mg
2014.12
フルティフォーム 50、125 エアゾール120 吸入用(杏林)
56 吸入用
2014.12
レルベア 100、200 エリプタ30 吸入用(GSK)
14 吸入用
2014.12
〔解説〕 トラマールOD錠はハッカようの味であり、水なしでも服用が可能なため、高齢者や嚥下機能の低
下した患者さん、また水分摂取を控えている患者さんにも有用。
フルティフォーム、レルベアともに長期投与が可能になり、規格が増えた。
3. 剤形変更
薬品名
変更点
年月
アレジオン点眼液 0.05%
添加物:ベンザルコニウム→リン酸水素ナトリウム水和物、ホウ
2014.12
酸
〔解説〕 添加物のベンザルコニウムを除いたことによりソフトコンタクト装着時でも点眼できるようになった。
4. インフルエンザ治療薬のまとめ
<治療>
大人
<予防>*自費扱い
小児
大人
小児
タミフル
1 回 1Cap、
37.5kg以上
1 回 1Cap、1 日 1
37.5kg以上
カプセル
1日 2 回 5 日間
1 回 1Cap、
回 7~10 日間
1 回 1Cap、1日 1
1日 2 回 5 日間
※
1 回 75mg、1 日 2 回 1 回 2mg/kg、1
1 回 75mg、1 日
1 回 2mg/kg、1
DS※
5 日間
日 2 回 5 日間
1 回 7~10 日間
日 1 回 10 日間
イナビル
2 キット単回吸入
10 才未満1 キット
大人と 10 才以上の小児:
10 才以上2 キット
1 キットを 1 日 1 回2 日間
単回吸入
1 回 2 ブリスター、1 日 2 回 5 日間
与の警告
あり
回 10 日間
タミフル
リレンザ
10代へ投
1 回 2 ブリスター、1 日 1 回10 日間
あり
-
ラピアクタ
300mgを 15 分以上
10mg/kgを 15
※
かけて単回点滴静注
分以上かけて単
適応なし
-
回点滴静注
※腎機能低下患者へは減量が必要になる場合があります。投与量は添付文書にて確認をお願いします。
5. 新薬情報
グラナテック点眼液 0.4% 5ml 興和創薬株式会社
薬価収載 2014.11.25(2015.11 月末まで 14 日分を限度)
〈効能・効果〉次の疾患で他の緑内障治療薬が効果不十分又は使用できない場合:緑内障、高眼圧症
〈用法・用量〉1 回 1 滴、1 日 2 回点眼する。
〈薬理〉

世界初の Rho キナーゼ阻害薬(ROCK 阻害薬)。海外では発売されていない。

Rho キナーゼ阻害作用により、房水流出の8~9割を占める主流出路(線維柱帯―シュレム管)から房
水流出促進。

具体的には、線維柱帯の細胞骨格・収縮変化や細胞間隙に作用するなどして、房水の通過する隙間
が増える。房水の通過量が増えることにより、シュレム管内皮細胞の隙間も広がり、房水がシュレム管
に流入しやすくなる。
Rho キナーゼ、Rho キナーゼ阻害薬とは?

Rho キナーゼ(Rho-associated protein kinase:ROCK)は GTP 結合蛋白 Rho の標的蛋白質として同定さ
れたセリン-スレオニン蛋白リン酸化酵素。平滑筋収縮や細胞の形態変化など様々な生理機能にお
ける情報伝達系として機能する。

Rho キナーゼ阻害薬は高血圧治療薬のスクリーニング過程で血管弛緩作用を有する化合物として発
見された。

⇒2007 年 6 月、くも膜下出血術後の脳血管攣縮の治療薬としてエリル点滴静注液 30mg(旭化成ファー
マ)が発売。

⇒他にも、視神経保護など様々な可能性がある。
〈特徴〉

第一選択として用いない。従来どおりPG関連薬とβ遮断薬が第一選択である。グラナテック単剤でも
併用でも効果は認められている。

主流出路を間接的に促進する副交感神経刺激薬のサンピロ、交感神経刺激薬のピバレフリンとは異
なり、直接的に促進する。

効果は速やかに発現し、2時間後に最高で、7時間後まで有意。
〈注意点〉

血管拡張による結膜充血が起こる(69.0%)。これは順応することがないため、点眼すると毎回起こる。
長期使用しても程度の悪化や持続時間延長は無い。充血は30分以内に発生し、1~2時間後に消失
する。(早ければ5分くらいで発生)

結膜炎(アレルギー性を含む)10.7%、眼瞼炎 10.3% が現れた場合には中止等の適切な処置。長期使
用で発生確率が増加する。

眼刺激 9.2%

指導箋「グラナテック点眼液 0.4%を使用される患者さんへ」には、「お薬が目からあふれたり、目の周り
に付いた場合は、ぬらしたティッシュかガーゼでやさしく拭きとるか、洗顔してください」との記載あるが、
添付文書には無く、あくまで一般的な注意点である。

保存は、直射日光を避けて 1~30℃で。
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1 本 5ml で 140 滴使用できるため、用法・用量どおり両眼に使用すると 35 日分に相当。(IFより)