講義資料

2.3 線形微分方程式
2階線形微分方程式
テキストP13
d 2x
以下のように未知関数とその導関数について
1次式になっている方程式を線形微分方程式と
tの関数または定数係数
いう.
(1)
x(n)+a1(t)x(n-1)+……+an(t)x=f(t)
ここに,xはtの関数である.
d nx
d n −1x
n
dt n −1
dt
dt 2
d 2x
dt
2
d 2x
dt 2
+ a1 (t )
xはtの関数
dx
+ a2 (t ) x = f (t ) x′′ + a1 (t ) x′ + a2 (t ) x = f (t )
dt
+b
dx
+ cx = f (t )
dt
+b
dx
+ cx = 0
dt
x′′ + bx′ + cx = f (t )
表現を変えただけで同じもの
x′′ + bx′ + cx = 0
右辺=0;同次方程式
右辺≠ 0;非同次方程式
もし,式(1)の解(特殊解)x0がわかるならば,
y=x-x0
とおいて,未知変数をxから yへ変換すると,
x0(n)+a1(t)x0(n-1)+……+an(t)x0=f(t) (2)
を
(1)
x(n)+a1(t)x(n-1)+……+an(t)x=f(t)
から引き算することにより,
y(n)+a1(t) y(n-1)+……+an(t)y=0
(3)
となることがわかる.
式(3)の一般解の形 y=Y(t)がわかれば,
右辺=0;
式(1)の一般解の形は
同次方程式
x=y+x0 (t)=Y(t)+x0 (t)
式(1),(2);
非同次方程式
とわかることになる.
重ね合わせの原理
• このようにして,式(1)の一般解を求める問題は,
式(3)の一般解を求める問題と,式(1)の1つの
解(特殊解)を求める問題とに分解される.
• ところが,この後者は,前者が解ければ解決で
きるので,当面の目的は式(3) の同次方程式の
一般解を求めることとなる.
• さて,y1(t),y2(t)が式(3)の解なら,任意の定数cl,
c2をとって,1次結合 y (t)= cly1(t)+c2y2(t)を
作っても,y (t)は明らかに,また式(3)の解である.
• これを重ね合わせの原理という .
2.3.3 定数係数の同次方程式
d d2
dn
, 2 ," n をそれぞれD , D 2 " D n
dt dt
dt
で表し,これらを微分演算子という.
cがt の関数でなく定数であるとき,
cD = c
n
また,Dに関する整式
P(D)=a0Dn+a1Dn-1+a2Dn-2+…+an-1D+an
dn
dt n
Dnをほどこした結果にDmをほどこすことをDmDnで表す.
の意味を次式で定める.
P(D)x=(a0Dn+a1Dn-1+a2Dn-2+…+an-1D+an)x
=a0Dnx+a1Dn-1x+a2Dn-2x+…+an-1Dx+anx
P(D)もやはり微分演算子という.
1
微分演算子P(D),Q(D)の法則
微分演算子の公式
(1) Dn(cx)=cDnx,Dn(x1+x2)=Dnx1+Dnx2,
DmDnx=DnDmx=Dm+nx
(2) P(D)(cx)=cP(D)x
(3) P(D)(x1+x2)=P(D)x1+P(D)x2,
{P(D)±Q(D)}x=P(D)x±Q(D)x
(4) {P(D)+Q(D)}x={Q(D)+P(D)}x,
P(D)Q(D)x=Q(D)P(D)x={Q(D)P(D)}x
• 公式(1) P(D)ect=P(c)ect
• 公式(2) P(D){ectf(t)}=ectP(D+c)f(t)
• 公式(3) (D-c)m{ectf(t)}=ectDmf(t)
すなわち,加減乗算はできても割算はできない.
P16
定数係数2階線形微分方程式の一般解の公式
一般に,定数係数の2階線形微分方程式
x"+bx'+cx=0
−b ± b 2 − 4c
の解として,
2
D2+bD+c=0
の2次方程式(この方程式を特性方程式と呼ぶ)を解い
たとき,以下の公式が成り立つ.
①異なる2実根α,βの場合 ( b2-4c>0 )
x=c1eαt+c2eβt
②重根αの場合 ( b2-4c=0 )
x=c1eαt+c2t eαt
③虚根λ±iμの場合( b2-4c<0 )
x=eλ(c1cosμt+c2sinμt)
さて、振り子の運動 :予習
周期
m
d 2 Lu
dt 2
mL
d 2u
dt 2
ω
2π
= − mg sin u
≒振幅が小さいとき
= −mg u 初期条件 u(0)=u0 ,u’(0)=0
u (t ) = u0 cos ωt ここで,ω =
P18
•
•
•
•
m
u
g
L
バネはフックの法則に従う.
バネの張力はその伸びに比例する.
その速さに比例した抵抗がある.
質点には単位質量あたりF(t)の外力が働く.
d 2u
dt 2
= −T − mk
du
+ mF (t )
dt
ただしTはバネの力,すなわち
T=λu/a(λはバネ定数),
kは抵抗の測定単位をあらわす
定数である.
バネ質点系モデルの模式図
1質点系モデル(上下振動)
2