振り子の運動 5年理科 6月下旬~7月上旬 25Q〈8時間〉 新潟大学教育学部附属新潟小学校 教諭 安藤 達郎 1 目指す姿 科学的に,振り子の運動の規則性をとらえる子ども (1)中核的な学習内容:振り子の運動の規則性 (1)中核的な学習内容 「糸につるしたおもりが1往復する時間は,おもりの重さなどによっては変 わらないが,糸の長さによって変わる。でも,糸の長さが重要なのではなく, 糸がふれる根本からおもりの中心までの長さが,1往復する時間を決めてい るのだ」 (2)学びをつなぐ力 :①比較するすべを用いて,2つの異なる振り子の事象から,事象の変化に関 わりそうな要因を見いだす力 ②関係付けるすべを用いて,条件を制御して得た実験結果と仮説とを結び付 け,仮説の妥当性を検討していく力 2 単元の計画 【学習活動】☆つなぐ力 【働き掛け】 ○ 一 次 振り子が音楽に合わせて,振れる ◆ 振り子の長さ(1秒間1往復するように 様子を観察する。 振り子の長さを約25cmに揃えておく),と ・ちょうどよく,音楽にあっているぞ。 重さ(10gほどの軽いおもり)を揃えた振 ・どの振り子も同じ回数振れるんだ。 り子を提示し,その振り子の揺れに合った ・振れ幅はだんだん小さくなるけど, 音楽を流す。 いつも同じリズムで振れているな。 ※『UP TOWN FUNK(Mark Ronson)』 振り子は,決まったリズムで動くも (1分間に四分音符を120個打つテンポの 曲,つまり1秒で1往復する振り子の のだ。 テンポにちょうど合う) Q 1 時 間 ○ 二 次 音楽を変えると振り子の揺れが合 ◆ これまでの振り子が1往復する時間とず わない事実から生まれる気付きを共 れが起きる対象となる振り子を提示し,何 有し,これからの活動に対する意欲 がどのように違うのかを問う。 や,要因となる条件についての問い をもつ。 参考 参考 振り子の等時性 理論値 ・この振り子だと,曲に合わない。 ・振り子のリズムを変えることって, できないのかな。 ・できるよ。たぶん糸の長さを変え ればいいんだよ。 ・おもりを重くしてみればいいんじ ゃないかな。 ・やってみないとわからないな。や ってみたいな。 ※アナと雪の女王劇中歌『Let it go』 (1.7 秒で1往復する振り子のテンポ) 振り子のふれる時間を決める要因 は何だろう。 3 Q ○ グループ別に自由に予想した要因 を確かめる。 ・怪しい糸の長さを調べてみよう。 ・糸の長さがゆれの時間に関係する ことがわかった。 ○ 班ごとの仮説とその実験結果を条 件ごとに揃うように発表させること で,自分たちの結果と他の班の結果 や,他の班同士の結果とを,数値 の客観性を視点に比較する。 ◆ 実験計画に沿った実験ができる時間と実 験道具・材料を与える。 ◆ 実験結果を調べた仮説ごとに発表させ, 学習問題に整合する仮説を問う。 ◆ 長さにより振り子の振れる時間が変わる ことを提示する。 13 Q 5 時 間 振り子のふれる時間を決める要因 は糸の長さだ。 ○ これまでのとらえでは振り子の揺 れが合わない事実から生まれる気付 きを共有し,問いをもち,学習課題 を設定する。 ☆つなぐ力① ◆ これまでの振り子が1往復する時間とず ず れが起きる対象となる振り子を提示し,そ れが起きる対象となる振り子 の要因を問う。 【働き掛け1】 働き掛け1】 糸の長さの違う二つの振り子なのに, 一往復する時間が同じなのはなぜか? ○ 既習を想起し,条件制御の必要性 を考える。何をどのように調べれば 要因を明らかにできるのか(実験計 画)を班内で共有する。グループ別 に自由に予想した要因を確かめる。 ☆つなぐ力② ○ 班ごとの仮説とその実験結果を要 因ごとに発表することで,自分たち の結果と他の班の結果や,他の班同 士の結果とを,数値の客観性を視点 に比較する。 ◆ 実験計画を班ごとにフローチャート図に 表させ,実験計画に沿った実験ができる時 間と実験道具・材料を与える。 【働き掛け2】 ◆ 実験結果を調べた仮説ごとに発表させ, 学習問題に整合する仮説を問う。 【働き掛け3】 働き掛け3】 ○ ターザンロープゲームのすること で,振り子の長さが長ければ,やは り1往復する時間が長いことと,重 さや振り幅には関係しないことを実 感をもってとらえ直す。 ◆ ターザンロープゲームを提案し,活動さ せる。 ○ ◆ 糸につるしたおもりが1往復する時間 は,糸がふれる根本からおもりの中心 までの長さが,1往復する時間を決め ている。 三 次 3 「振り子の秘密物語」を書く。 単元の終末に,どのような過程で見つけ 出したのかがわかるよう 糸につるしたおもりが1往復する時間は,糸の長さによっ な「振り子の秘密物語」 て変わる。でも,糸の長さが重要なのではなく,糸がふれる を書かせ,単元フローチ 根本からおもりの中心までの長さが,1往復する時間を決め ャート図を基に,「○○ ている。きまりを見付けるためには,2つのものを見比べて, の秘密」を発見する際に 生かせそうなことがない 何が違いを生んでいるのかを考え,条件をそろえて実験した か問う。 【働き掛け4】 働き掛け4】 り,より多くのデータから考察することが大切だ. 6 Q 2 時 間 内容の関連 [第5学年] 振り子の運動 [第6学年] てこの規則性 ○中核的な学習内容 ○中核的な学習内容 エネルギーの見方 エネルギーの見方 ・振り子の運動の規則性 ・てこの規則性 [中学3年] 運動の規則性,力学的エネル ギー ○中核的な学習内容 エネルギーの見方 ・合力や分力の規則性 ・運動エネルギーと位置エネルギー
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