第5回・授業(参考)ノート

解析入門 I e クラス
倉田 和浩
目次
2 階の非斉次線形微
分方程式の解法
非斉次方程式の解の構造
特殊解
U(t) の求め方
解法1:微分作用素の因数分
解を活用
解法2:未定係数法
解析入門 I e クラス
基本解系, ロンスキアン
初期値問題の解の一意性
解法3:定数変化法
倉田 和浩
2014 年 5 月 14 日
解析入門 I e クラス
倉田 和浩
目次
目次
2 階の非斉次線形微
分方程式の解法
非斉次方程式の解の構造
特殊解
U(t) の求め方
解法1:微分作用素の因数分
解を活用
解法2:未定係数法
基本解系, ロンスキアン
初期値問題の解の一意性
解法3:定数変化法
.1. 2 階の非斉次線形微分方程式の解法
非斉次方程式の解の構造
特殊解 U(t) の求め方
解法1:微分作用素の因数分解を活用
解法2:未定係数法
基本解系, ロンスキアン
初期値問題の解の一意性
解法3:定数変化法
解析入門 I e クラス
倉田 和浩
斉次方程式の解の構造
目次
2 階の非斉次線形微
分方程式の解法
非斉次方程式の解の構造
特殊解
U(t) の求め方
解法1:微分作用素の因数分
解を活用
• 今回は, 非斉次方程式
u ′′ (t) + au ′ (t) + bu(t) = r (t)
(1)
解法2:未定係数法
基本解系, ロンスキアン
初期値問題の解の一意性
解法3:定数変化法
の解法を学ぶ. ここで a, b は与えられた実定数, r (t) は
与えられた連続関数である.
• その前に, 斉次方程式
u ′′ (t) + au ′ (t) + bu(t) = 0
(2)
は次の線形性をもつことに改めて注意しておく.
命題(線形性)
u1 (t), u2 (t) がともに (2) の解ならば, 任意の定数 C1 , C2
に対して u(t) = C1 u1 (t) + C2 u2 (t) も (2) の解である.
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斉次方程式の一般解
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2 階の非斉次線形微
分方程式の解法
非斉次方程式の解の構造
特殊解
U(t) の求め方
解法1:微分作用素の因数分
解を活用
特性方程式 λ2 + aλ + b = 0 の解を λ1 , λ2 とするとき,
(2) の一般解 u(t) は次のように求めることができる. (a) λ1 ̸= λ2 でともに実解の場合,
解法2:未定係数法
基本解系, ロンスキアン
初期値問題の解の一意性
u(t) = C1 e λ1 t + C2 e λ2 t .
解法3:定数変化法
(b) λ1 = p + iq, λ2 = p − iq, (q ̸= 0) の場合,
u(t) = C1 e pt cos(qt) + C2 e pt sin(qt).
(c) λ1 = λ2 の場合,
u(t) = C1 e λ1 t + C2 te λ1 t .
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斉次方程式の解の構造
倉田 和浩
目次
2 階の非斉次線形微
分方程式の解法
非斉次方程式の解の構造
特殊解
U(t) の求め方
解法1:微分作用素の因数分
解を活用
解法2:未定係数法
基本解系, ロンスキアン
初期値問題の解の一意性
解法3:定数変化法
• 非斉次方程式 (1) の解の構造に関して, 次は基本的で
ある.
命題
(1) の一般解 u(t) は, (1) の1つの解(特殊解)U(t) と,
斉次方程式 (2) の一般解 v (t) を用いて, 次のように書
ける.
u(t) = U(t) + v (t).
証明. u ′′ + au ′ + bu = r (t) と U ′′ + aU ′ + bU = r (t) を
辺々ひいて
(u − U)′′ + a(u − U)′ + b(u − U) = 0
となる. よって v (t) = u(t) − U(t) とおくと, v (t) は (2)
の解. このことは上の主張が成り立つことを意味する.
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特殊解 U(t) の求め方
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2 階の非斉次線形微
分方程式の解法
非斉次方程式の解の構造
特殊解
U(t) の求め方
解法1:微分作用素の因数分
解を活用
解法2:未定係数法
• 非斉次方程式 (1) の一般解を求めるには, 斉次方程式
(2) の一般解の求め方は基地なので, (1つの)特殊解
U(t) を求めればよいことになる.
基本解系, ロンスキアン
初期値問題の解の一意性
解法3:定数変化法
♣ 特殊解 U(t) を求める3つの方法を紹介しよう. 2つ
は万能の解法であるが, 場合によっては計算が面倒なこ
ともある. もう1つ(未定係数法)は, 万能ではなく, か
つ多少の工夫を要する場合もあるがかなり実践的で簡単
にもとまることが多い方法である.
• 解法その1: (微分作用素の因数分解の活用)
• 解法その 2: (未定係数法)
• 解法その 3: (定数変化法)
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2 階の非斉次線形微
解法1:微分作用素の因数
分解を活用
分方程式の解法
非斉次方程式の解の構造
特殊解
U(t) の求め方
解法1:微分作用素の因数分
解を活用
解法2:未定係数法
基本解系, ロンスキアン
初期値問題の解の一意性
解法3:定数変化法
d
d
− λ1 )( − λ2 )u(t) = r (t)
dt
dt
d
と書けるので, v (t) = ( dt − λ2 )u(t) とおくことで
u ′′ + au ′ + bu = (
(
d
− λ1 )v (t) = r (t)
dt
となるので, 1 階の微分方程式の解法を用いて
e
λ1 t
(
)
d
−λ1 t
e
v (t) = r (t)
dt
となる. これより t0 を1つ固定して次を得る.
e
−λ1 t
∫
t
v (t) =
t0
e −λ1 s r (s) ds
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よって
v (t) = e
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分方程式の解法
非斉次方程式の解の構造
U(t) の求め方
解法1:微分作用素の因数分
解を活用
解法2:未定係数法
基本解系, ロンスキアン
初期値問題の解の一意性
解法3:定数変化法
t
e −λ1 s r (s) ds.
t0
2 階の非斉次線形微
特殊解
∫
λ1 t
d
v (t) = ( dt
− λ2 )u(t) なることを思い出して,
(
)
∫ t
λ2 t d
−λ2 t
λ1 t
e
e
u(t) = e
e −λ1 s r (s) ds.
dt
t0
よって
(
)
∫ t
d
−λ2 t
(λ1 −λ2 )t
e
u(t) = e
e −λ1 s r (s) ds.
dt
t0
これをもう一度積分することで, 特殊解 U(t) を得ること
ができる.
♣ 一応いかなる r (t) に対しても万能な方法であるが, 2
回積分操作をすることになるので面倒ではある.
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解法2:未定係数法
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2 階の非斉次線形微
分方程式の解法
非斉次方程式の解の構造
特殊解
U(t) の求め方
解法1:微分作用素の因数分
解を活用
解法2:未定係数法
基本解系, ロンスキアン
初期値問題の解の一意性
解法3:定数変化法
• r (t) が特殊な関数(指数関数, 三角関数, 多項式など)
の場合には, 特殊解 U(t) の形を推測してその係数だけ決
めるという未定係数法が便利なことが多い. ただし, ど
ういう形の特殊解を候補に選ぶかという箇所で多少工夫
を要する.
• 例で特殊解の形の選び方を見てみよう.
u ′′ + 3u ′ + 2u = e µt
の特殊解を求めよう. ます斉次方程式に対する特性多項
式 λ2 + 3λ + 2 = 0 の解が λ = −1, −2 である. このこと
を踏まえて, 次の場合わけをして特殊解を求める.
(a) µ ̸= −1, −2 の場合:
U(t) = Ae µt として係数 A を定めればうまくいく.
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2 階の非斉次線形微
分方程式の解法
非斉次方程式の解の構造
特殊解
U(t) の求め方
解法1:微分作用素の因数分
解を活用
解法2:未定係数法
基本解系, ロンスキアン
初期値問題の解の一意性
解法3:定数変化法
(b) µ = −1 または µ = −2 の場合:
U(t) = Ae µt の形ではうまくいかないので,
U(t) = Ate µt の形で係数 A を定める.
♣ このように, 斉次方程式の特性方程式の解と右辺の指
数関数の指数が一致しない場合と一致する場合に特殊解
の形が異なるので注意. さらに斉次方程式の特性方程式
が重解をもち, それが右辺の指数 µ に一致する場合は、
U(t) = At 2 e µt を候補関数としなければいけない.
• 次に
u ′′ + 3u ′ + 2u = cos t
の場合には, 特殊解は U(t) = A cos t + B sin t として係
数 A, B を決めることになる.
• 注意: cos t = 12 (e it + e −it ) であって, 右辺が指数関数
e µt で µ = ±i の場合に対応しているとみなせる.
µ = ±i ̸= −1, −2 だから上記の候補関数でよいことと
なる.
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2 階の非斉次線形微
分方程式の解法
非斉次方程式の解の構造
特殊解
U(t) の求め方
• また Re(e it ) = cos t なので,
v ′′ + 3v ′ + 2v = e it
解法1:微分作用素の因数分
解を活用
解法2:未定係数法
基本解系, ロンスキアン
初期値問題の解の一意性
解法3:定数変化法
の複素数値特殊解を V (t) = Ae it (A は複素定数)の形で
求めて, 求める解 U(t) を U(t) = ReV (t) として求めて
もよい.
• r (t) = e t cos(2t) のような場合,
e t cos(2t) = Re(e (1+2i)t ) とみなして特殊解を
V (t) = Ae (1+2i)t の形で求めて, U(t) = ReV (t) として
求めてもよい. もちろん,
U(t) = Ae t cos(2t) + Be t sin(2t) として求めてもよい.
解析入門 I e クラス
解法3:定数変化法
倉田 和浩
目次
2 階の非斉次線形微
分方程式の解法
定数変化法を説明する前に, 定義をいくつかしておく.
• まず2つの関数 ϕ(t) と ψ(t) が一次独立であるとは,
非斉次方程式の解の構造
特殊解
k1 ϕ(t) + k2 ψ(t) = 0 (t ∈ R)
U(t) の求め方
解法1:微分作用素の因数分
解を活用
解法2:未定係数法
基本解系, ロンスキアン
初期値問題の解の一意性
解法3:定数変化法
ならば, k1 = k2 = 0 が成り立つことをいう.
• 斉次方程式 (2) の, 一次独立な2つの解の組 ϕ(t), ψ(t)
を (2) の基本解系と呼ぶ.
• (2) の2つの (必ずしも一次独立ではない)解
ϕ(t), ψ(t) に対して, 行列
(
F (t) =
ϕ(t) ψ(t)
ϕ′ (t) ψ ′ (t)
)
とし,
W (t) = detF (t) = ϕ(t)ψ ′ (t) − ϕ′ (t)ψ(t)
をロンスキアンという.
解析入門 I e クラス
基本解系とロンスキアン
の基本的関係(その1)
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2 階の非斉次線形微
分方程式の解法
非斉次方程式の解の構造
特殊解
U(t) の求め方
解法1:微分作用素の因数分
解を活用
解法2:未定係数法
基本解系, ロンスキアン
初期値問題の解の一意性
解法3:定数変化法
命題1
すべての t で W (t) ̸= 0 ならば, ϕ(t), ψ(t) は (2) の基本
解系である.
証明. k1 ϕ(t) + k2 ψ(t) = 0 として k1 = k2 = 0 を示す.
このとき k1 ϕ′ (t) + k2 ψ ′ (t) = 0 も成り立ち,
(
F (t)
k1
k2
)
(
=
ϕ(t) ψ(t)
ϕ′ (t) ψ ′ (t)
)(
k1
k2
)
(
=
となるが, 仮定より F (t) の逆行列が存在するので
k1 = k2 = 0 が導かれることになる.
0
0
)
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基本解系の例
倉田 和浩
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2 階の非斉次線形微
分方程式の解法
非斉次方程式の解の構造
特殊解
U(t) の求め方
解法1:微分作用素の因数分
解を活用
解法2:未定係数法
基本解系, ロンスキアン
以下のいずれの場合でも, ϕ(t) と ψ(t) は, それぞれ (2)
の基本解系となることが, そのロンスキアン W (t) ̸= 0
を満たすことを計算で確かめることでわかる.
(a) λ1 ̸= λ2 , λ1 , λ2 ∈ R の場合,
初期値問題の解の一意性
解法3:定数変化法
ϕ(t) = e λ1 t ,
ψ(t) = e λ2 t .
(b) λ1 = p + iq, λ2 = p − iq, q ̸= 0 の場合.
ϕ(t) = e pt cos(qt),
ψ(t) = e pt sin(qt).
(c) λ1 = λ2 の場合,
ϕ(t) = e λ1 t ,
ψ(t) = te λ1 t .
解析入門 I e クラス
初期値問題の解の一意性
倉田 和浩
目次
2 階の非斉次線形微
分方程式の解法
非斉次方程式の解の構造
特殊解
U(t) の求め方
解法1:微分作用素の因数分
解を活用
解法2:未定係数法
命題 2
t0 , α, β を与えるとき, 次の初期値問題の解が一意に定
まる.
基本解系, ロンスキアン
初期値問題の解の一意性
解法3:定数変化法
u ′′ (t) + au ′ (t) + bu(t) = 0,
u(t0 ) = α, u ′ (t0 ) = β.
証明. まず特性方程式の2つの解 λ1 , λ2 に対する先ほど
の3つの状況 (a), (b), (c) に応じて, 一般解が
u(t) = C1 ϕ(t) + C2 ψ(t) で書けることは既知であること
に注意する. 初期条件より
C1 ϕ(t0 ) + C2 ψ(t0 ) = α,
C1 ϕ′ (t0 ) + C2 ψ ′ (t0 ) = β.
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倉田 和浩
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2 階の非斉次線形微
このとき
(
分方程式の解法
非斉次方程式の解の構造
特殊解
U(t) の求め方
解法1:微分作用素の因数分
解を活用
解法2:未定係数法
F (t0 )
C1
C2
)
(
=
ϕ(t0 ) ψ(t0 )
ϕ′ (t0 ) ψ ′ (t0 )
)(
C1
C2
)
(
=
α
β
)
基本解系, ロンスキアン
初期値問題の解の一意性
解法3:定数変化法
であり, det F (t0 ) ̸= 0 であったので, これより
(
C1
C2
)
(
−1
= F (t0 )
α
β
)
として C1 , C2 がただ1つに定まるので, 解の一意性が言
えたことになる.
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基本解系とロンスキアン
の基本的関係(その2)
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目次
2 階の非斉次線形微
分方程式の解法
非斉次方程式の解の構造
特殊解
U(t) の求め方
解法1:微分作用素の因数分
解を活用
解法2:未定係数法
基本解系, ロンスキアン
初期値問題の解の一意性
解法3:定数変化法
命題 3
ϕ(t), ψ(t) を (2) の2つの解とする. このとき, すべての
t で W (t) ̸= 0 であることと, ϕ(t), ψ(t) が (2) の基本解
系であることとは, 同値.
証明. 命題 1 で示したことがあるので, ϕ(t), ψ(t) が基本
解系として, すべての t で W (t) ̸= 0 が成り立つことを
示せばよい. もしそうでないとしたら, ある t0 で
W (t0 ) = det F (t0 ) = 0 となる. このとき, 線形代数で学
んだことから
(
ϕ(t0 ) ψ(t0 )
ϕ′ (t0 ) ψ ′ (t0 )
)(
k1
k2
(
)
=
0
0
)
を満たす (k1 , k2 ) ̸= (0, 0) が存在することになる.
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目次
2 階の非斉次線形微
分方程式の解法
非斉次方程式の解の構造
特殊解
U(t) の求め方
解法1:微分作用素の因数分
解を活用
解法2:未定係数法
基本解系, ロンスキアン
初期値問題の解の一意性
解法3:定数変化法
そこで, w (t) = k1 ϕ(t) + k2 ψ(t) と定義すると, w (t) は
w (t0 ) = w ′ (t0 ) = 0 であって (2) の解であるので, 初期値
問題の解の一意性から任意の t に対して w (t) = 0 が成
りたつこととなるが, このことは ϕ(t), ψ(t) が基本解系
であること, 従って一次独立であったことに反する. 証
明終わり.
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目次
2 階の非斉次線形微
分方程式の解法
非斉次方程式の解の構造
特殊解
U(t) の求め方
解法1:微分作用素の因数分
解を活用
定数変化法による解法
(2) の基本解系 ϕ(t), ψ(t) を考える. このとき (2) の一般
解は u(t) = C1 ϕ(t) + C2 ψ(t), C1 , C2 は任意定数, とかけ
た. そこで非斉次方程式の特殊解 U(t) を
解法2:未定係数法
基本解系, ロンスキアン
初期値問題の解の一意性
U(t) = C1 (t)ϕ(t) + C2 (t)ψ(t)
解法3:定数変化法
の形で求めよう, という考え方が定数変化法である.
まず,
U ′ (t) = C1′ (t)ϕ(t) + C2′ (t)ϕ(t) + C1 ϕ′ (t) + C2 ψ ′ (t)
となるが, ここで
C1′ (t)ϕ(t) + C2′ (t)ψ(t) = 0
が成り立つと仮定してみよう.
(3)
解析入門 I e クラス
すると, U ′ (t) = C1 ϕ′ (t) + C2 ψ ′ (t) となるので
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U ′′ (t) = C1′ ϕ′ + C2′ ψ ′ + C1 ϕ′′ (t) + C2 ψ ′′ (t)
目次
2 階の非斉次線形微
分方程式の解法
非斉次方程式の解の構造
特殊解
となる. よって U ′′ + aU ′ + bU = r (t) は
U(t) の求め方
{
解法1:微分作用素の因数分
解を活用
解法2:未定係数法
基本解系, ロンスキアン
初期値問題の解の一意性
解法3:定数変化法
C1′ ϕ′ + C2′ ψ ′ +
C1 ϕ′′ (t) + C2 ϕ′′ (t) + a(C1 ϕ′ (t) + C2 ψ ′ (t))
}
+b(C1 ϕ + C2 ψ) = r (t)
となるが, ϕ(t), ψ(t) が (2) の解であることより,
{· · · } = 0 となって, 次を満たせばよいことになる.
C1′ ϕ′ + C2′ ψ ′ = r (t).
(4)
♣ 結局, (3) かつ (4) を満たすような C1 (t), C2 (t) が求ま
ればよいことになる.
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これは,
(
目次
2 階の非斉次線形微
分方程式の解法
ϕ(t) ψ(t)
ϕ′ (t) ψ ′ (t)
)(
C1′ (t)
C2′ (t)
)
(
0
r (t)
=
)
非斉次方程式の解の構造
特殊解
U(t) の求め方
解法1:微分作用素の因数分
解を活用
解法2:未定係数法
基本解系, ロンスキアン
初期値問題の解の一意性
解法3:定数変化法
を満たす C1 (t), C2 (t) を見つけることと同じで, 実際に
(
)
(
)
0
= F (t)
r (t)
( ′
(
)
)
1
1
ψ (t) −ψ(t)
−r (t)ψ(t)
=
=
r (t)ϕ(t)
W (t) −ϕ′ (t) ϕ(t)
W (t)
C1′ (t)
C2′ (t)
−1
を解いて
∫
t
C1 (t) =
t0
−r (s)ψ(s)
ds,
W (s)
と求まることとなる.
∫
t
C2 (t) =
t0
r (s)ϕ(s)
ds
W (s)
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以上より,
目次
∫
2 階の非斉次線形微
分方程式の解法
非斉次方程式の解の構造
特殊解
U(t) の求め方
解法1:微分作用素の因数分
解を活用
t
U(t) = ϕ(t)
t0
−r (s)ψ(s)
ds + ψ(t)
W (s)
∫
t
t0
r (s)ϕ(s)
ds
W (s)
解法2:未定係数法
基本解系, ロンスキアン
初期値問題の解の一意性
解法3:定数変化法
は (1) の1つの特殊解を与えることになる. この U(t) を
用いて, (1) の一般解は
u(t) = D1 ϕ(t) + D2 ψ(t) + U(t)
と書けることになる.
♣ 注意: 上記の特殊解 U(t) は U(t0 ) = 0 かつ
U ′ (t0 ) = 0 を満たすことに注意しておく.