球状トカマクQUESTにおけるプラズマ電流ランプアップ時 の高速電子解析

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球状トカマクQUESTにおけるプラズマ電流ランプアップ時
の高速電子解析
The analysis of fast electron during plasma current ramp-up phase
in spherical tokamak QUEST
田島西夜1,図子秀樹2,磯部光孝3,岡村昇一3,出射浩2,花田和明2,長谷川真2,了戒智文1,石黒正貴1
九大総理工1,応用力学研究所2,核融合研3
TASHIMA Saya1, ZUSHI Hideki2, ISOBE Mitsutaka3, OKAMURA Shoichi3, IDEI Hiroshi2, HANADA Kazuaki2,
HASEGWA Makoto2, RYOUKAI Tomofumi1, ISHIGURO Masaki1
Kyushu University1, Kyushu University RIAM2, NIFS3
[1] S. Tashima, H. Zushi, et al., Journal of Plasma and Fuion
Research 9(2010) 316.
[2] S. Tashima, et al., branch of JSPS in Yamaguchi Univ. 2009.
12 B - 4
3
20x10
15
10
5
0
3
ΓHX [a.u.]
気面形成が確認されるような放電においては、
それ以降10 - 30 keV のΓHX はBz に対し線形的に
増加し、非対称性が現れた。(図 1)また Ip に対す
る順方向のΓHX の傾向を調べると、電流を反転
させてもIp と順方向のΓHXは線形対応していた。
(図 2) このことは高電流駆動時には高速電子
の非対称性の出現が電流に寄与していることを
示唆する結果である。
ΓHX [a.u.]
ΓHX [a.u.]
トカマク型磁場閉じ込め方式による核融合発電を実現するためには、プラズマの閉じ込め磁場配位を
生成・維持するために、定常的に電流を駆動し続けなければならない。そのために非誘導電場方式の中
で、電子サイクロトロン(EC)周波数領域の電磁波を用いた定常電流駆動に関して研究が進められている。
それらを目指し、捕捉電子の割合が高い低アスペクト比の球状トカマク装置にて、EC 波でプラズマ生
成と定常電流駆動、そして自発電流駆動までを行う模擬実験が進められている。開磁気面においては、
EC 波によって生成された高速電子は垂直磁場(Bz)によって
決められる方向に運動する電子のみが生き残り、速度空間の
FW
3
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非等方性により電流担体となりえる。更に高速電子は衝突緩
BW
和時間が長いため電流駆動原因として有力である。
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そこで急伸な電流立ち上がりに追随して高速電子の挙動を
調べるために、高速の PHA(sampling time ~ 1 ms)を用いた硬 X
4
線(HX)計測を球状トカマク QUEST 装置にて行った。
それにより、放電開始直後 4 ms(初期プラズマ・低電流時)
0
-3
には、高速電子(~ 16 keV)が生成され、HX 束(ΓHX)は入射ガス
1.2 2.0x10
圧、EC 波の電力に対し Ip と似た相関を示すことが確認され
Bz [T]
た[1]。しかし制動放射としては順・逆方向の非対称性はほと
図 1 10 – 20 keV 範囲のΓHX の順方
んど無いことが分かっている [2]。一方で時間的に Bz を増加
向(FW)と逆方向(BW)の Bz 依存性
させ電流(Ip)を~ 12 kA まで発展させたとき、4 kA 前後で閉磁
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8
4
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-10 -5
0 5
Ip [kA]
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図 2 Ip に対するΓHX の依存性