励起X線の選択

Technical Report
X-ray Spectroscopy
No.
S-001
励起X線の選択
How to select an excitation X-ray
X線管から発生する1次X線をそのまま利用できれば最も高強度な励起源となりますが、
測定に不必要な不純線が多く、また強度が強すぎるために結果として測定対象のエネル
ギー領域の計数率を低下させます。そのため、弊社では測定元素や測定試料に応じて適
切な励起法を選択し、装置に実装しております。
■ フィルター法の特徴と搭載装置
Normalized intensity / a.u.
Cu K absorption edge: 8.979 keV
搭載装置はFD-01, 02, 03, 08-Cd etc.
エネルギーに対する吸収係数の違いを利用して、
特定のエネルギー範囲を取り出す手法。
特性線励起の場合は吸収端を利用して、低エネルギー
成分だけを効率よく取り出すことが可能。
連続線励起の場合は、励起源である高エネルギー
成分の減衰を抑えながら測定領域のバックグラウンド
強度を低下させることで、PB比の向上が可能。
■ 2次ターゲット法の特徴と搭載装置
W La
W Lb
0
5
10
15
20
Energy / keV
25
30
Fig. 1. Normalized simulated intensity
profiles by W-anode X-ray tube with Cu
primary filter (red line) and without
filter (blue line).
搭載装置はWFD-70, WFD-100
X線管に用いられていないターゲット材を選択可能で任意のエネルギーの特性X線を利用できます。
3次元偏光光学系をとることで、反射線由来のバックグラウンドを低下させることが可能。
LDPE sample_25kV-2mA_Pd-La line
■ モノクロ励起法の特徴と搭載装置
適切な分光結晶を用いることで単一エネルギーの
X線を切り出すことができ、さらに弊社では湾曲結晶
を利用して高輝度化も図っています。
EDXのエネルギー分解能(~150 eV)から、分解能
は落ちますが反射強度が増すモザイク結晶が有利。
高エネルギーX線の分光は、結晶面間隔からブラッグ
角が非常に小さくなるため、反射強度も低下します。
このため本方法は、主に軽元素分析で用いられます。
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Intensity / a.u.
Pd-La: 2.839 keV
搭載装置はWFD-70, WFD-100
Sum peak,
Higher order diffraction
0
5
Energy / keV
10
Fig. 2. Spectrum of a monochromatic
X-ray dispersed by HOPG. Pd-La
line obviously appear at 2.839 keV.
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発行:2014年 6月
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