問題の解答例

応用解析・レポート問題 (6 月 27 日)
問題の解答例
問題 11.1.
混合問題
∂2u
∂2u
−
4
= 0,
x ∈ (0, 5), t > 0
∂t2
∂x2
u(0, x) = 3 sin(πx),
x ∈ [0, 5]
∂u
(0, x) = − sin( 2π
x ∈ [0, 5]
5 x),
∂t
u(t, 0) = u(t, 5) = 0,
t≥0
(1)
(2)
(3)
(4)
の解 u(t, x) を求めよ。
――――――――――――――――――――――――――――――
弦の固有振動数を調べるとき、任意の n ∈ N に対し
{
)
( 2nπ )}
(
)
(
sin nπ
un (t, x) = an cos 2nπ
5 t + bn sin
5 t
5 x ,
an , b n ∈ R
という関数が初期条件 (2), (3) を考慮しない (1), (4) だけの問題の(一つの)解であることがわかった。(ここ
√
で、混合問題で与えられた l = 5, c = 4 = 2 という具体的な値を代入している。)
波動方程式 (1) が線形であるから、重ね合わせの原理が利き、上の関数 un , n = 1, 2, . . . , N の線形結合
u(t, x) =
N
∑
un (t, x) =
n=1
N {
∑
)
( 2nπ )}
(
)
(
t
+
b
sin
sin nπ
an cos 2nπ
n
5
5 t
5 x
(5)
n=1
も問題 (1), (4) の解になる。(ここで、N ∈ N が任意であるが、N = ∞ とは簡単におくことができない。)
さて、(2), (3) の初期関数
ϕ(x)
=
ψ(x)
=
u(0, x) = 3 sin(πx)
∂u
(0, x) = − sin( 2π
5 x)
∂t
が上で挙げた解 (5) と同じ形をしていることに気づくと、(5) において an , bn , N をうまく選べば、混合問題の解
が得られることがわかる。
初期関数では、周期の最も短い三角関数が sin(πx) = sin(5 π5 x) であるから、N = 5 とおく。そうしたときの
u(0, x) の値を計算すると、
u(0, x) =
5
∑
(
)
an sin n π5 x
n=1
を得るので、これを ϕ(x) と一致させるには、
a1 = 0, a2 = 0, a3 = 0, a4 = 0, a5 = 3
とおけばよい。
また、
5
∑
(
)
∂u
(0, x) =
bn 2nπ
sin n π5 x
5
∂t
n=1
であるので、これを ψ(x) と一致させるには、
5
b1 = 0, b2 = − 4π
, b3 = 0, b4 = 0, b5 = 0
とおく。
よって、上の混合問題の解は
5
2π
u(t, x) = − 4π
sin( 4π
5 t) sin( 5 x) + 3 cos(2πt) sin(πx)
である。この形を (1)-(4) のそれぞれの方程式に代入して、本当に解であるかを検算するとよい。
問題 11.2.
関数 f (x) を次のように定義する。
f (x) = −x3 + x,
x ∈ (−1, 1)
関数 f を周期 2 の周期関数に拡張した関数のフーリエ級数を求めよ。
また、得られた級数が R において一様収束する理由を述べよ。
――――――――――――――――――――――――――――――
f を周期的に拡張すると、奇関数になるので、フーリエ級数は sin だけの級数になる(cos が偶関数であり、奇
関数 f と偶関数 cos の積が奇関数であるので、その積を (−1, 1) 上で積分すれば、0 になる)。
よって、sin の係数 bn だけ計算すればよい。sin も f も奇関数であるから、その積が偶関数になる。従って、
その (−1, 1) 上の積分は (0, 1) 上の積分の 2 倍である。これを使うと、
bn
=
2
2
∫
1
f (x) sin
−1
1
∫
= −2
0
=
2
nπ
∫
)
2 nπx dx = 2
∫
1
(−x3 + x) sin(nπx) dx
0
[
]1
1
1
2
3
(−3x + 1) (− cos(nπx)) dx + 2 (−x + x) (− cos(nπx))
nπ
nπ
0
1
(−3x2 + 1) cos(nπx) dx
0
2
= −
nπ
=
(2
12
n2 π 2
∫
1
0
∫
[
]1
1
2
1
2
(−6x)
sin(nπx) dx +
(−3x + 1)
sin(nπx)
nπ
nπ
nπ
0
1
x sin(nπx) dx
0
[
]1
∫ 1
12
1
12
1
(−
cos(nπx))
dx
+
x
(−
cos(nπx))
n2 π 2 0 nπ
n2 π 2
nπ
0
∫ 1
12
12
cos(nπx) dx − 3 3 cos(nπ)
=
n3 π 3 0
n π
12
= − 3 3 cos(nπ)
n π
12
= (−1)n+1 3 3
n π
= −
f のフーリエ級数は
∞
12 ∑ (−1)n+1
sin(nπx)
3
π 3 n=1 n
である。
また、この級数の R における一様収束は Weierstrass の優級数定理より従う。すなわち、級数の各項 fn (x) を
次のように上から(x によらず)一様に抑えることができ、
n+1
|fn (x)| ≤ | (−1)
n3
∑
1
n3
sin(nπx)| ≤
1
n3
の級数が収束するので、Weierstrass の優級数定理の仮定が満たされ、一様収束が言える。
(もとの関数 f は拡張した関数が連続で、その 1 階微分も連続であるような滑らかな関数であることと、f の
フーリエ級数が n の 3 乗オーダーという速い収束を持つということが関係している事実に注意されたい。)