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数と式-はみ出し削り論法-1
予習問題
f ( x)  x  3x と定める。曲線 y  f (x) と直線 y  a が異なる 3 点で交
わり、その x 座標を  、  、  (     ) とする。曲線 y  f (x) と直線
3
y  a の囲む面積を S と定めるとき、以下の問に答えよ。
 の値の取りうる範囲を求めよ。
(2) S を  のみを用いて表せ。
(1)
(3)
S の最小値を求めよ。
値替え問題
f ( x)  x  6 x  9 x と定める。曲線 y  f (x) と直線 y  a が異なる 3
点で交わり、その x 座標を  、  、 (     ) とする。曲線 y  f (x) と
3
2
直線 y  a の囲む面積を S と定めるとき、以下の問に答えよ。
 の値の取りうる範囲を求めよ。
(2) S を  のみを用いて表せ。
(1)
(3)
S の最小値を求めよ。
発展問題
a は実数とする。3 次方程式 x 3  3ax 2  3ax  a 3  0 の異なる実数解の
個数は定数 a の値によってどのように変わるかを調べよ。
数と式-はみ出し削り論法-1
数と式-はみ出し削り論法-2
予習問題
f ( x)  x  3x と定める。曲線 y  f (x) と直線 y  a が異なる 3 点で交
わり、その x 座標を  、  、  (     ) とする。曲線 y  f (x) と直線
3
y  a の囲む面積を S と定めるとき、以下の問に答えよ。
 の値の取りうる範囲を求めよ。
(2) S を  のみを用いて表せ。
(1)
(3)
S の最小値を求めよ。
(1)6点
まず曲線 y  f (x) の概形を求める。
f ( x)  3x 2  3  3( x  1)( x  1)
よって f (x) の増減は次表の通り。
x
・・・ -1 ・・・
f (x)
0
+
-
2
f (x)
1
・・・
0
+
-2
ゆえにグラフ y  f (x) は次の図の様になる。
上の図より求める範囲は  1    1 となる。
(2)10点
(1)の図より求める面積は以下の通り。




S   { f ( x)  a}dx   {a  f ( x)}dx




  ( x 3  3x  a)dx   ( x 3  3x  a)dx


3
3
1

 1

  x 4  x 2  ax   x 4  x 2  ax 
2
2
4
  4

3
3
1
 1

   4   2  a     4   2  a 
2
2
4
 4

3
3
 1
  1

    4   2  a      4   2  a 
2
2
 4
  4


1 4
1
3
  3 2  2a  ( 4   4 )  ( 2   2 )  a(   )
2
4
2
あとは    、    、    、 a の値を  で表せばよい。これらの値
2
2
4
4
はいずれも  、 の対称式であるから、そのためには基本対称式    、
を  で表せば十分である。そこで解と係数の関係式を用いる。 、  、 は
y  f (x) と y  a を連立した次の式の 3 解である。
x 3  3x  a  x 3  3 x  a  0
したがって上式の係数と解  、  、  には以下のような関係式が成り立つ。
これを変形すれば  、  の基本対称式を  で表せる。
数と式-はみ出し削り論法-2
数と式-はみ出し削り論法-3
     
      0
     



2
      3    (   )   3      3
  a
a  
a   3  3



これより残りの    、    も  を用いて表すことができる。
2
2
4
4
 2   2  (   ) 2  2   2  2( 2  3)   2  6
 4   4  ( 2   2 ) 2  2 2 2
 ( 2  6) 2  2( 2  3) 2   4  18
以上を先の式に代入すれば面積が  のみで表せられる。
S
1 4
1
  3 2  2(  3  3 )   ( 4  18)
2
4
3
 (  2  6)  (  3  3 )(  )
2
9
9
9
  4  2 
4
2
2
(3)4点
(2)より次のように平方完成できる。
9
27
S   (  2  1) 2 
4
4
(1)より  1    1  0    1 なので、この範囲では   0 のとき最小
2
となりその値は
2
9
となる。
2
予習問題-はみ出し削り論法
実は S の a に対する増減は図形的に捉えることができます。例えば下の図
のように a が負の状態から a だけ増加したときを考えましょう。このとき
の面積の増加分と減少分を長方形と近似すれば、横の長さが長い減少分の方
が大きくなります。したがってこの図のときは全体として減少している、す
なわち
dS
 0 であることが分かります。
da
また、次図のように a が正の状態から a だけ増加したときを考えましょう。
このときも同様に長方形近似をすれば、今度は増加分のほうが横の長さが長
い、すなわち面積も大きくなります。したがってこの図のときは全体として
増加している、すなわち
dS
 0 であることが分かります。
da
数と式-はみ出し削り論法-3
数と式-はみ出し削り論法-4
よって上の 2 つの状態が切り替わる、すなわち減少から増加に切り替わるポ
イントが最小を与える a であると分かります。このときは次図のようになり
ます。
上図のとき、つまり a  0 とのときの面積を求めると、確かに S 
9
となっ
2
て答えと一致します。
このように図形的に値の増減が分かる場合もあるので、最大・小を求める
問題のときはまず頭のなかでパラメータを変化させて求める値の変化を考
えるとよいでしょう。
数と式-はみ出し削り論法-4