10月27日 講義のポイント

情報数学 II-A 講義のポイント 10/27
講義の復習(10 月 20 日)
1.4 Lebesgue 測度空間
定義 1 (1.4.1) (1) Rn の部分集合 A が,
A=
n
Y
k=1
(ak , bk ] , −∞ ≤ ak < bk ≤ +∞ (k = 1, 2, · · · , n)
と表せるとき,A は Rn 上の長方形であるという。ただし,bk = +∞ のと
き,(ak , bk ] は (ak , +∞) を表すものとする。
(2) Rn の部分集合 A が,Rn 上の有限個の長方形の和集合で表せるとき,
A は Rn 上の基本集合であるという。
(3) Rn 上の基本集合の全体から生成される σ− 集合体を,Rn 上の Borel
集合体といい,B n で表す。B n の元を,Borel 可測集合または Borel 集合と
よぶ。
定理 2 (1.4.1) Rn 上の長方形
A=
n
Y
k=1
(ak , bk ] , −∞ ≤ ak < bk ≤ +∞ (k = 1, 2, · · · , n)
に対して,m (A) =
n
Q
k=1
(bk − ak ) を満たす (Rn , Bn ) 上の測度 m を存在する。
定義 3 (1.4.2) (1) h 定理 1.4.1i で得られた測度 m を Rn 上の Lebeague
測度という。
(2) Rn 上の基本集合
A=
k Y
n ³
i
[
(i) (i)
(i)
(i)
aj , bj , −∞ ≤ aj < bj ≤ +∞ (j = 1, 2, · · · , n)
i=1 j=1
(1)
−∞ ≤ aj
(1)
< bj
(2)
< aj
に対して,m0 (A) =
(2)
< bj
(k)
< · · · < aj
(k)
< bj
≤ +∞ (j = 1, 2, · · · , n)
´
n ³
k Q
P
(i)
(i)
bj − aj
とし,m0 (∅) = 0 と定義する。Rn
i=1 j=1
上の基本集合の全体を A とする。任意の X ⊂ Rn に対して,
)
(∞
∞
X
[
∗
0
m (X) = inf
m (A` ) ; An ∈ A, X ⊂
A`
`=1
`=1
は Rn 上の外側度であり,m∗ − 可測集合を Lebeague 可測集合という。Lebeague
可測集合は Lebeague 測度空間を完備化した測度空間における可測集合である。
定理 4 (1.4.2) (Rn , B n , m) をルベーグ測度空間とする。
(1) m は σ− 有限測度である。
(2) A ⊂ Rn が可測集合ならば,A ∈ Bn であり m (A) = 0.
(3) ∀x ∈ Rn および A ∈ Bn に対して,A + x ∈ Bn であり,m (A + x) =
m (A) .
(4) ∀α > 0 および A ∈ Bn に対して,αA ∈ Bn であり,m (αA) = αn m (A) .
(5) T : Rn → Rn を回転とする。このとき,∀A ∈ Bn に対して,T (A) ∈ B n
であり,m (T (A)) = m (A) .
講義 (10/27) の内容
第2章 積 分
2.1 可測関数
定義 5 (2.1.1) f : Ω → R が次の条件を満たすとき,f は F− 可測関数であ
るという:
f −1 ([−∞, a]) = {ω ∈ Ω; f (ω) ≤ a} ∈ F (∀a ∈ R)
定理 6 (2.1.1) f : Ω → R に対して次の条件は同値:
(1) f : F− 可測関数;
(2) f −1 ([a, +∞]) = {ω ∈ Ω; f (ω) ≥ a} ∈ F (∀a ∈ R) ;
(3) f −1 ([−∞, a)) = {ω ∈ Ω; f (ω) < a} ∈ F (∀a ∈ R) ;
(4) f −1 ((a, +∞]) = {ω ∈ Ω; f (ω) > a} ∈ F (∀a ∈ R) ;
(5) f −1 (B) ∈ F (∀B ∈ B) かつ
f −1 ({+∞}) = {ω ∈ Ω; f (ω) = +∞} ∈ F,
f −1 ({−∞}) = {ω ∈ Ω; f (ω) = −∞} ∈ F
定理 7 (2.1.2) f, g, fn (n = 1, 2, · · · ) を F− 可測関数とし,α ∈ R とする。
このとき,次の関数は(定義されれば)いずれも F− 可測関数である:
1
f;
(1) αf ; (2) f + g; (3) f g; (4)
(5) |f | ; (6) supfn ; (7) inf fn ; (8)
n≥1
n≥1
lim supfn ; (9) lim inf fn ; (10) lim fn
n→∞
n→∞
n→∞
定義 8 (2.1.2) (1) A ⊂ Ω に対して,
(
1
1A (ω) ≡
0
(ω ∈ A)
(ω ∈
/ A)
と定めると,この関数 1A を A の定義関数(または,特性関数)という。
(2) f : Ω → R に対して,a1 , a2 , · · · , ak ∈ R および Ω の有限可測分割
{A1 , A2 , · · · , Ak } が存在して,
f (ω) =
k
X
an 1An (ω)
n=1
と表せるとき,f を単純可測関数(または,単関数)という。