G問題

108
注
意
◎指示があるまで開かないこと。
G
事
(平成 26 年 2 月 10 日
9 時 30 分 ~ 11 時 30 分)
項
1.試験問題の数は 69 問で解答時間は正味 2 時間である。
2.解答方法は次のとおりである。
(1)
(例 1 ) 、(例 2 ) の問題ではaからeまでの 5 つの選択肢があるので、その
うち質問に適した選択肢を(例 1 ) では1つ、(例 2 ) では 2 つ選び答案用紙に記
入すること。なお、(例 1 ) の質問には 2 つ以上解答した場合は誤りとする。
(例 2 ) の質問には 1 つ又は 3 つ以上解答した場合は誤りとする。
(例 1) 101
応招義務を規定して
(例 2) 102
医師法で医師の義務とされて
いるのはどれか。
いるのはどれか。2 つ選べ。
a
刑
法
a
守秘義務
b
医療法
b
応招義務
c
医師法
c
診療情報の提供
d
健康保険法
d
医業従事地の届出
e
地域保健法
e 医療提供時の適切な説明
(例 1 ) の正解は「c」であるから答案用紙の c をマークすればよい。
答案用紙①の場合、
c
101 a b
101
a
b
↓
c
答案用紙②の場合、
d
e
101
a
101
a
d
e
b
b
c
→
c
d
d
e
e
(例 2 ) の正解は「b」と「d」であるから答案用紙の b と d をマークす
ればよい。
答案用紙①の場合、
c
102 a b
102
a
b
↓
c
答案用紙②の場合、
d
e
102
a
102
a
d
e
b
b
c
→
c
d
d
e
e
HAP01doc-Gor-1
(2)
(例 3 ) では質問に適した選択肢を 3 つ選び答案用紙に記入すること。
なお、
(例 3 ) の質問には 2 つ以下又は 4 つ以上解答した場合は誤りとする。
(例 3 ) 103
医師法に規定されているのはどれか。3 つ選べ。
a
医師の行政処分
b
広告可能な診療科
c
不正受験者の措置
d
へき地で勤務する義務
e
臨床研修を受ける義務
(例 3 ) の正解は「a」と「c」と「e」であるから答案用紙の a と c と e
をマークすればよい。
答案用紙①の場合、
c
103 a b
103
a
b
↓
c
答案用紙②の場合、
d
e
103
a
103
a
d
e
b
b
c
→
c
d
d
e
e
HAP01doc-Gor-2
(3)
選択肢が 6 つ以上ある問題については質問に適した選択肢を 1 つ選び答案用
紙に記入すること。なお、(例 4 ) の質問には 2 つ以上解答した場合は誤りと
する。
(例 4 ) 104
平成 22 年医師・歯科医師・薬剤師調査で人口 10 万人当たりの医師
数が最も少ないのはどれか。
a
北海道
b
青森県
c
茨城県
d
埼玉県
e
京都府
f
和歌山県
g
鳥取県
h
徳島県
i
佐賀県
j
沖縄県
(例 4 ) の正解は「d」であるから答案用紙の d をマークすればよい。
答案用紙②の場合、
答案用紙①の場合、
104
a
b
c
d
e
f
g
h
i
j
↓
104
a
b
c
d
e
f
g
h
i
j
104
104
a
a
b
c
b
c
d
e
d
e
f
g
→
f
g
h
h
i
i
j
j
HAP01doc-Gor-3
HAP01doc-Gor-4
HAP01doc-Gor-5
HAP01doc-Gor-6
1
国民健康・栄養調査で平成 13 年と比べて平成 23 年で摂取量が増加している食品
群はどれか。
2
3
a
野菜類
b
果物類
c
魚介類
d
肉
類
e
乳
類
保健所と市町村保健センターとの比較で、保健所に限られるのはどれか。
a
保健師の勤務
b
地域保健の推進
c
医療監視の実施
d
健康日本 21 の推進
e
対人サービスの提供
医師の対応として正しいのはどれか。
a
ナイフで刺された患者について警察に通報した。
b
患者を診ずに家族と話しただけで処方箋を交付した。
c
輸血を拒否している成人患者に予定手術で輸血した。
d
患者の意識がなかったので、病状を患者の上司に説明した。
e
患者の家族に依頼され、死亡診断書に虚偽の死因を記載した。
― 1 ―
HAP01doc-Gor-7
4
5
6
国連ミレニアム開発目標
〈MDG〉に含まれないのはどれか。
a
初等教育の普及
b
高度医療の推進
c
極度の貧困の撲滅
d
乳幼児死亡率の削減
e
HIV/エイズの蔓延防止
症例対照研究について誤っているのはどれか。
a
オッズ比が計算できる。
b
観察研究に分類される。
c
交絡因子を補正できる。
d
想起バイアスの影響を受けやすい。
e
罹患率を推計できる。
会社の健康診断で軽度の肥満を指摘された男性会社員に対する運動指導として適
切なのはどれか。
a
「十分なウォームアップをしましょう」
b
「肥満が軽度なので運動は必要ないでしょう」
c
「運動時の脈拍が 80/分を超えないようにしてください」
d
「運動時に気分が悪くなっても休憩しないで継続してください」
e
「家事など日常生活活動は肥満の改善にそれほど重要ではありません」
― 2 ―
HAP01doc-Gor-8
7
8
9
学校保健安全法における風疹の出席停止期間の基準について正しいのはどれか。
a
発しんが消失するまで
b
解熱した後 3 日を経過するまで
c
発症した後 5 日を経過するまで
d
すべての発しんが痂皮化するまで
e
病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで
表皮細胞間接着に関与するのはどれか。
a
アミロイド
b
ケラチン
c
セラミド
d
デスモゾーム
e
ヘミデスモゾーム
高カルシウム血症でみられないのはどれか。
a
多
尿
b
せん妄
c
易疲労感
d
消化性潰瘍
e
筋けいれん
― 3 ―
HAP01doc-Gor-9
10
11
12
母体から胎児へ移行しやすいのはどれか。
a
ヘパリン
b
インスリン
c
アルブミン
d
ワルファリン
e
プレドニゾロン
新生児・乳児の反射について正しいのはどれか。
a
Moro 反射は 1 歳ころに消失する。
b
吸啜反射は生後 2 ~ 3 か月からみられる。
c
生後 1 か月の Babinski 反射は病的である。
d
把握反射の消失は手よりも足の方が早い。
e
パラシュート反射は生後 9 か月前後からみられる。
Down 症候群の合併症でまれなのはどれか。
a
固形腫瘍
b
消化管閉鎖
c
環軸椎亜脱臼
d
先天性心疾患
e
甲状腺機能異常
― 4 ―
HAP01doc-Gor-10
13
14
15
蕁麻疹の病理組織像で正しいのはどれか。
a
表皮の海綿状態
b
表皮基底層の液状変性
c
真皮上層の浮腫
d
真皮中層の血管炎
e
脂肪織炎
深部静脈血栓症がみられるのはどれか。
a
再生不良性貧血
b
von Willebrand 病
c
抗リン脂質抗体症候群
d
特発性血小板減少性紫斑病
e
ヘリコバクター・ピロリ感染症
乳歯について正しいのはどれか。
a
32 本である。
b
臼歯から生え始める。
c
5 ~ 6 歳で生え終わる。
d
生後 6 ~ 8 か月から生え始める。
e
10 歳ころから永久歯に生え替わり始める。
― 5 ―
HAP01doc-Gor-11
16
17
18
血液検査項目とその検査結果が高値となる病態の組合せで誤っているのはどれか。
a
K -――――――――――― 溶血性貧血
b
総蛋白 ――――――――― 多発性骨髄腫
c
アルブミン ――――――― 非代償性肝硬変
d
総コレステロール ―――― 甲状腺機能低下症
e
直接ビリルビン ――――― Dubin-Johnson 症候群
羊水検査で診断できるのはどれか。
a
胎児小頭症
b
胎児発育不全
c
胎児溶血性疾患
d
先天性食道閉鎖症
e
先天性横隔膜ヘルニア
抜管後の術後呼吸抑制の原因薬物と拮抗薬の組合せで適切なのはどれか。
a
ジアゼパム ――――――― アトロピン
b
フェンタニル ―――――― ナロキソン
c
ベクロニウム ―――――― ロクロニウム
d
チオペンタール ――――― スガマデクス
e
スキサメトニウム ―――― ダントロレン
― 6 ―
HAP01doc-Gor-12
19
20
長期の安静臥床により増加するのはどれか。
a
筋肉量
b
肺活量
c
心拍出量
d
関節可動域
e
血清 Ca 濃度
在宅人工呼吸器管理中の筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉患者の在宅支援チームによる
活動のなかで、医師の指示が必要なのはどれか。
a
看護師による清拭
b
歯科医師による口腔内処置
c
言語聴覚士による嚥下訓練
d
介護福祉士による体位変換
e
介護支援専門員によるケアプラン作成
― 7 ―
HAP01doc-Gor-13
21
集中治療室で撮影されたポータブル胸部エックス線写真(別冊 No. 1)を別に示す。
認められるのはどれか。
a
右側に気胸がある。
b
胃管の留置位置が深い。
c
左下葉に無気肺がある。
d
気管チューブの留置位置が深い。
e
中心静脈カテーテルの留置位置が深い。
別
冊
No. 1
22
中枢神経系の一部の髄鞘染色(Klüver-Barrera 染色)標本(別冊 No. 2)を別に示す。
髄鞘が青く染色されている。
この部位と関係が深い機能はどれか。
a
意
識
b
記
憶
c
嗅
覚
d
視
覚
e
発
語
別
冊
No. 2
― 8 ―
HAP01doc-Gor-14
23
生後 6 日の健常新生児における循環動態について出生前と比較して正しいのは
どれか。
24
a
肺血流量は減少する。
b
左心房圧は上昇する。
c
肺血管抵抗は上昇する。
d
大動脈拡張期圧は低下する。
e
動脈管は開存したままである。
うつ病の患者における「何を食べても同じような感じで、砂をかんでいるようで
す」という訴えから考えられるのはどれか。
25
a
幻
覚
b
強
迫
c
妄
想
d
心気症
e
離人症
尿中 Na の排泄低下を伴う低ナトリウム血症をきたすのはどれか。
a
SIADH
b
肝硬変
c
Addison 病
d
尿細管障害
e
ループ利尿薬の内服
― 9 ―
HAP01doc-Gor-15
26
27
28
高齢者の栄養管理について正しいのはどれか。
a
経管栄養剤の注入は仰臥位で行う。
b
口腔ケアは嚥下性肺炎の予防に有用である。
c
胃瘻からの経管栄養では誤嚥は起こらない。
d
経鼻胃管は胃瘻による経管栄養より不快感が少ない。
e
中心静脈栄養は経腸栄養に比較して感染症の合併が少ない。
根治目的の放射線治療の対象とならないのはどれか。
a
病期Ⅲの上咽頭癌
b
病期Ⅰの喉頭声門癌
c
病期Ⅰの手術不能な非小細胞肺癌
d
病期Ⅰの大腸癌
e
病期 B の前立腺癌
乳幼児の呼吸器症状について正しいのはどれか。
a
百日咳では無呼吸はみられない。
b
突然の呼吸困難では気道異物を疑う。
c
喉頭軟化症では呼気性喘鳴がみられる。
d
クループ症候群では呼気延長がみられる。
e
急性細気管支炎では吸気性喘鳴がみられる。
― 10 ―
HAP01doc-Gor-16
29
30
31
多毛をきたすのはどれか。 2 つ選べ。
a
甲状腺機能亢進症
b
多囊胞性卵巣症候群
c
副甲状腺機能低下症
d
下垂体前葉機能低下症
e
先天性副腎皮質過形成
虐待が疑われる児を診察した際の通告先として適切なのはどれか。 2 つ選べ。
a
保健所
b
教育委員会
c
児童相談所
d
福祉事務所
e
地域包括支援センター
環境問題とその原因物質の組合せで正しいのはどれか。 2 つ選べ。
a
酸性雨 ――――――― 六価クロム
b
生物濃縮 ―――――― メチル水銀
c
大気汚染 ―――――― パラコート
d
飲料水汚染 ――――― ヒ
e
オゾン層破壊 ―――― トルエン
素
― 11 ―
HAP01doc-Gor-17
32
33
34
子宮付属器について正しいのはどれか。 2 つ選べ。
a
卵管膨大部で受精する。
b
卵管には蠕動運動がみられる。
c
黄体は排卵前から形成される。
d
卵巣は円靱帯で子宮とつながる。
e
原始卵胞は卵巣の髄質層にみられる。
二次性徴について正しいのはどれか。 2 つ選べ。
a
女子では初経が最後の徴候である。
b
女子では乳房腫大が最初の徴候である。
c
陰茎の発育は思春期後期の徴候である。
d
男子では声変わりが初期の徴候である。
e
発現は骨年齢より暦年齢によく相関する。
ショックを呈する病態で早期から中心静脈圧が上昇するのはどれか。 2 つ選べ。
a
敗血症
b
緊張性気胸
c
食道静脈瘤破裂
d
心タンポナーデ
e
アナフィラキシー
― 12 ―
HAP01doc-Gor-18
35
36
偽膜性腸炎の治療薬はどれか。 2 つ選べ。
a
セフメタゾール
b
バンコマイシン
c
ミノサイクリン
d
クリンダマイシン
e
メトロニダゾール
末
血塗抹 May-Giemsa 染色標本(別冊 No. 3)を別に示す。
矢印で示す血球で正しいのはどれか。 2 つ選べ。
a
抗体を産生する。
b
貪食能を有する。
c
遊走能を有する。
d
細胞性免疫に関与する。
e
ウイルス感染細胞を傷害する。
別
冊
No. 3
― 13 ―
HAP01doc-Gor-19
37
38
39
Courvoisier 徴候を示すのはどれか。 2 つ選べ。
a
胆囊癌
b
膵頭部癌
c
肝内胆管癌
d
下部胆管癌
e
肝門部胆管癌
動脈塞栓術の適応となるのはどれか。 2 つ選べ。
a
肝両葉に散在する多発肝細胞癌
b
切除困難な膵囊胞腺癌
c
穿孔を伴う小腸損傷
d
内視鏡的止血困難な下部消化管出血
e
腹膜播種を伴う卵巣癌
抗原提示能を有する細胞はどれか。 3 つ選べ。
a
好酸球
b
好中球
c
樹状細胞
d
マクロファージ
e
B リンパ球
〈B 細胞〉
― 14 ―
HAP01doc-Gor-20
40
全身倦怠感、発熱および咳嗽を主訴に来院した成人男性の胸部の写真(別冊 No. 4
A)と口腔内の写真 (別冊 No. 4B)とを別に示す。
この疾患での症状の出現順で正しいのはどれか。
a
カタル症状 → 全身の発疹 → 口腔粘膜疹
b
カタル症状 → 口腔粘膜疹 → 全身の発疹
c
全身の発疹 → カタル症状 → 口腔粘膜疹
d
全身の発疹 → 口腔粘膜疹 → カタル症状
e
口腔粘膜疹 → 全身の発疹 → カタル症状
f
口腔粘膜疹 → カタル症状 → 全身の発疹
別
No. 4
41
冊
A、B
6 歳の男児。いつも口を開けていることを主訴に母親に連れられて来院した。約
半年前から、遊んでいても寝ていても口を開けており心配になって受診した。鼻漏、
鼻出血はない。
最も考えられるのはどれか。
a
鼻
茸
b
慢性扁桃炎
c
悪性リンパ腫
d
アデノイド増殖症
e
若年性鼻咽腔血管線維腫
― 15 ―
HAP01doc-Gor-21
42
乗用車とトラックとが衝突し 5 人が受傷した。搬送にはドクターヘリ 1 機、救急
車 1 台、警察車両 1 台しか使えず、それぞれ現場で待機している。近くの救急医療
機関は陸路で 40 分の距離にある。
ドクターヘリで搬送すべき患者はどれか。
a
10 歳の男児。前額部から出血があり大声で泣いている。
b
20 歳の女性。骨盤骨折がありショック状態で顔面蒼白である。
c
30 歳の男性。開放創はなく泥酔状態で暴れ抑え切れない。
d
40 歳の女性。右大腿骨骨折で痛がり手術が必要である。
e
50 歳の男性。頸部轢断で頭部が体幹から分離している。
― 16 ―
HAP01doc-Gor-22
43
52 歳の男性。会社の健康診断でメタボリックシンドロームを指摘され来院した。
事務系の管理職でデスクワークがほとんどであり、仕事上の会食や飲酒の機会が多
い。喫煙歴はなく、飲酒はほぼ毎日で、会食がある時は量が増える。運動はしない。
父親が高血圧。身長 172 cm、体重 79 kg、腹囲 89 cm。血圧 142/90 mmHg。身体所
見に異常を認めない。AST 33 IU/l、ALT 38 IU/l、γ-GTP 75 IU/l(基準 8 ~50)、空
腹 時 血 糖 102 mg/dl 、 ト リ グ リ セ リ ド 185 mg/dl 、 HDL コ レ ス テ ロ ー ル 68
mg/dl、LDL コレステロール 148 mg/dl。食事内容を記載し再診した。 3 日分の食事
内容を表に示す。
1 日目
朝
食
2 日目
3 日目
食パン 2 枚
目玉焼き(卵 2 個)
同
左
同
左
ラーメン大盛り
天
丼
カレーライス大盛り
おやつ
大福 1 個
アイスクリーム
どら焼き 1 個
夕
中華コース料理
ご飯 2 杯、煮物、と
おでん 2 皿、焼き鳥
ビール大瓶 2 本
んかつ、味噌汁
10 本、煮物、焼きお
紹興酒 2 合
ビール 500 ml 2 本
にぎり 3 個
牛乳 250ml 1 本
昼
食
食
ビール大瓶 1 本
日本酒 2 合
栄養指導として適切なのはどれか。
a
「エネルギー摂取量を減らしましょう」
b
「塩分はもう少し摂っても大丈夫です」
c
「野菜の摂取もバランスがいいですね」
d
「この程度のアルコールなら問題はありません」
e
「蛋白質をもう少し摂取するようにしましょう」
― 17 ―
HAP01doc-Gor-23
44
生後 1 日の新生児。在胎 39 週、2,980 g で出生した。生後 12 時間から黄疸が目立
つようになり、
生後 22 時間における血清総ビリルビン値は 20.4 mg/dl(基準 12 以下)
であった。
考えられるのはどれか。
45
a
新生児肝炎
b
胆道閉鎖症
c
血液型不適合
d
Gilbert 症候群
e
Crigler-Najjar 症候群
82 歳の男性。最近よく転倒することと、頼んだことをよく忘れることを心配した
娘に連れられて来院した。脈拍 72/分、整。血圧 144/84 mmHg。礼節は保たれ、時
間の見当識障害はない。昨日の夕食のメニューは半分程度しか思い出せないが、今
朝家で朝食を済ませて来院したことはよく覚えている。脳神経には異常を認めない。
握力は右 22 kg 、左 20 kg で、Gowers 徴候は陰性、Romberg 徴候は陰性であった。
振動覚は両側外果で 10 秒。腱反射は両側アキレス腱反射が減弱していることを除き
正常。両側 Chaddock 反射は陽性であった。
この患者で正常な老化とは考えられない所見はどれか。
a
両側 Chaddock 反射陽性
b
握力は右 22 kg、左 20 kg
c
振動覚は両側外果で 10 秒
d
両側アキレス腱反射が減弱
e
昨日の夕食の内容が思い出せない
― 18 ―
HAP01doc-Gor-24
46
45 歳の女性。汗をかきやすいことと体重減少とを主訴に来院した。甲状腺機能亢
進症の診断で 1 年前から抗甲状腺薬を内服していたが、症状の改善がみられず、本
人の希望もあり甲状腺摘出術が施行された。摘出組織の H-E 染色標本(別冊 No. 5
A、B)を別に示す。
この病変の診断として最も考えられるのはどれか。
a
髄様癌
b
乳頭癌
c
濾胞癌
d
未分化癌
e
悪性リンパ腫
別
No. 5
47
冊
A、B
60 歳の男性。本日夕方からの下口唇の腫脹と軽度の呼吸困難を主訴に来院した。
咽頭痛や嚥下時痛はない。高血圧がありアンジオテンシン変換酵素
〈ACE〉阻害薬を
服用中である。脈拍 72/分。血圧 130/80 mmHg。呼吸数 15/分。SpO2 97 %(room air)。
まず行うべき検査はどれか。
a
頸部 CT
b
パッチテスト
c
喉頭内視鏡検査
d
血清補体価測定
e
リンパ球刺激試験
― 19 ―
HAP01doc-Gor-25
48
75 歳の男性。血痰を主訴に来院した。 1 か月前から血痰を自覚しているため受診
した。65 歳時に胃癌(早期癌)の手術の既往がある。喫煙は 30 本/日を 55 年間。家
族歴に特記すべきことはない。身長 165 cm、体重 55 kg。脈拍 72/分、整。血圧 144/80
mmHg。呼吸数 20/分。SpO2 95 %(room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。胸
部 エ ッ ク ス 線 写 真 と 胸 部 単 純 CT で 軽 度 の 肺 気 腫 を 認 め る 。 喀 痰 細 胞 診 の
Papanicolaou 染色標本(別冊 No. 6)を別に示す。
行うべき検査はどれか。
a
PET/CT
b
喀痰培養
c
胸部単純 MRI
d
気管支内視鏡検査
e
上部消化管内視鏡検査
別
冊
No. 6
― 20 ―
HAP01doc-Gor-26
49
28 歳の女性。嘔吐と腹痛とを主訴に来院した。
「数日前から風邪でおなかをこわ
していて食べられない。喉も渇く」と言う。半年前に受けた職場の健康診断で異常
はなかった。意識は清明。身長 154 cm、体重 47 kg( 1 か月前は 50 kg)。体温 37.2 ℃。
脈拍 100/分、整。血圧 102/80 mmHg。舌は乾燥している。甲状腺は軽度に腫大して
いるが結節や圧痛はない。心音と呼吸音とに異常を認めない。臍から下腹部に軽度
の圧痛を認める。尿所見:蛋白(-)、糖 3 +、ケトン体 3 +。
まず考えるべきなのはどれか。
50
a
1 型糖尿病
b
2 型糖尿病
c
副腎クリーゼ
d
甲状腺クリーゼ
e
アセトン血性嘔吐症
28 歳の男性。発熱と皮疹とを主訴に来院した。体温 36.7 ℃。耳の後ろから顔、
上半身にかけて丘疹性紅斑を認める。左頸部に圧痛を伴う径 2 cm のリンパ節を触知
する。風疹と診断して頓服の解熱薬を処方し、自宅での安静を指示した。午後電話
があり、明日どうしてもはずせない仕事があるので会社に行ってもよいかと相談を
受けた。
本人であることを確認した後の回答として適切なのはどれか。
a
「保健所と相談してみます」
b
「ご自身で判断してください」
c
「出勤しないで自宅で療養してください」
d
「会社の産業医の許可をとってから出勤してください」
e
「男性ばかりの職場であれば出勤してもらって結構です」
― 21 ―
HAP01doc-Gor-27
51
55 歳の男性。脳幹梗塞のため入院中である。 2 週前にふらつきが出現し、脳幹梗
塞の診断で入院し、加療の後リハビリテーションを行っている。明らかな筋力低下
はないが立位保持障害があり、足を大きく横に開いて何かにつかまらないと立って
いられない。
移動に際しての補装具として適切なのはどれか。
52
a
体幹コルセット
b
短下肢装具
c
長下肢装具
d
T 字杖
e
歩行器
父親が自身のかかりつけの医師に悩みを打ち明けた。
「今年 30 歳になる息子はこ
こ 3 年間ほとんど家から出ない。家族との会話はほとんどなく、独り言、独り笑い
がみられる。暴力を振るうことはないが、時たま窓から外に向かってバカヤローと
叫ぶ」という。両親が本人に精神科受診を勧めると本人は拒否し、時に口論となる。
父親への助言として適切なのはどれか。
a
措置入院の手続きを警察署に依頼する。
b
救急車による搬送を消防署に依頼する。
c
本人を受診させる方法を保健所に相談する。
d
家族・親戚で本人を身体拘束して病院へ搬送する。
e
家族が医療機関から薬をもらって本人に飲ませる。
― 22 ―
HAP01doc-Gor-28
53
35 歳の初妊婦。妊娠 40 週 4 日。陣痛発来のため入院した。妊娠 39 週時の妊婦健
康診査では胎児推定体重は 2,450gで、羊水ポケットは 3 cm と測定された。身長 161
cm、体重 61 kg(非妊時 52 kg)。内診所見は、児頭は骨盤入口部にあり、展退度 50 %、
子宮口は 3 cm 開大、頸管の硬度はやや軟、児頭下降度 SP -2 cm。その他に異常所
見を認めない。陣痛はほぼ 10 分周期である。その後、陣痛は次第に増強し、入院後
7 時間経過した時点で破水し、羊水混濁を認めた。内診所見は子宮口は 10 cm 開大、
児頭下降度 SP+1 cm となった。その時の胎児心拍数陣痛図(別冊 No. 7A)と、さら
に 30 分後の胎児心拍数陣痛図(別冊 No. 7B)とを別に示す。内診所見は児頭下降度
SP+3 cm で、矢状縫合は骨盤前後径に一致し小泉門を恥骨後面に触れる。
対応として適切なのはどれか。
a
経過観察
b
吸引分娩
c
体位変換
d
帝王切開術
e
子宮収縮抑制薬投与
別
No. 7
冊
A、B
― 23 ―
HAP01doc-Gor-29
54
25 歳の女性。月経が遅れていることを主訴に来院した。 3 月 3 日に市販のキット
で妊娠検査を行ったところ陽性であったため、3 月 9 日に受診した。2 月 20 日に頭
痛のために鎮痛薬を内服しており、先天異常を心配している。子宮は正常大で付属
器を触知しない。経腟超音波検査にて子宮内に胎囊が認められた。月経周期は 28
日、整。最終月経は 2 月 1 日から 6 日間。
現時点の説明として適切なのはどれか。
55
a
「人工妊娠中絶を行いましょう」
b
「妊娠中に使える薬はありません」
c
「内服したのは着床のころなので心配はありません」
d
「内服したこの薬によって胎児の先天異常の頻度が増加します」
e
「薬を飲まなくても胎児の先天異常は 0.1 %の頻度で起こります」
78 歳の男性。 3 週前からの頭重感を主訴に来院した。生活は自立している。最近
5 年は健康診断を受けていない。既往歴に特記すべきことはない。喫煙歴はない。
飲酒は日本酒 1 合/日を 55 年間。身長 165 cm、体重 60 kg。脈拍 72/分、整。血圧
184/112 mmHg、左右差なし。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部と背部とに血
管雑音を聴取しない。下腿に浮腫を認めない。尿所見と血液生化学所見とに異常を
認めない。心電図で左室肥大所見を認める。胸部エックス線写真で心胸郭比は 62 %
である。
正しいのはどれか。
a
降圧薬は低用量から開始する。
b
降圧薬は短時間作用型を選択する。
c
3 か月間は減塩などの食事制限のみを行う。
d
サイアザイド系利尿薬は第一選択とはしない。
e
降圧目標は診察室血圧で 120/80 mmHg 未満とする。
― 24 ―
HAP01doc-Gor-30
56
21 歳の女性。 1 か月持続する発熱と右頸部リンパ節の腫大とを主訴に来院した。
1 年前にも同様の症状があり軽快している。これまでに性感染症の既往はない。
体温 38.2 ℃。脈拍 80/分、整。血圧 120/62 mmHg。皮膚に発赤など所見を認めない。
右頸部に圧痛を伴う径 1 ~1.5 cm の軟らかく可動性のあるリンパ節を 4 個触知する。
他の部位にリンパ節を触知しない。口蓋扁桃の腫大を認めない。心音と呼吸音とに
異常を認めない。肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球 442 万、Hb 12.9 g/dl、Ht
39 %、白血球 3,250(桿状核好中球 14 %、分葉核好中球 37 %、好酸球 2 %、単球
10 %、リンパ球 37 %)、血小板 24 万。血液生化学所見:総蛋白 7.5 g/dl、アルブミ
ン 4.7 g/dl、総ビリルビン 0.5 mg/dl、AST 19 IU/l、ALT 22 IU/l、LD 255 IU/l(基準
176〜353)、尿素窒素 12 mg/dl、クレアチニン 0.5 mg/dl。免疫血清学所見:CRP 1.0
mg/dl、VCA IgG 抗 体 1 倍(基 準 10 以下)、VCA IgM 抗 体 1 倍(基 準 10 以下)、抗
核抗体 8 倍(基準 20 以下)。胸部エックス線写真に異常を認めない。頸部リンパ節生
検ではリンパ節組織は傍皮質を中心に境界の比較的明瞭な壊死とマクロファージの
浸潤がみられる。
最も考えられるのはどれか。
a
HIV 感染症
b
悪性リンパ腫
c
伝染性単核球症
d
亜急性壊死性リンパ節炎
e
全身性エリテマトーデス〈SLE〉
― 25 ―
HAP01doc-Gor-31
57
7 か月の乳児。嘔吐と下痢とを主訴に母親に連れられて来院した。昨日未明から
頻回の嘔吐が始まり、夕方からは水様下痢も始まった。尿は昨晩から出ておらず、
ぐったりしている。身長 61 cm、体重 6.3 kg(1 週前は 7.0kg)。体温 38.2 ℃。心拍数
140/分、整。血圧 72/56 mmHg。呼吸数 20/分。SpO2 98 %(room air)。全身状態は
不良。大泉門は陥凹。項部硬直を認めない。咽頭に発赤を認めない。心音と呼吸音
とに異常を認めない。腹部は陥凹し、軟で肝・脾を触知しない。皮膚のツルゴール
は低下している。血液所見:赤血球 460 万、Hb 15.0g/dl、Ht 45 %、白血球 11,000(分
葉核好中球 53 %、好酸球 3 %、好塩基球 2 %、単球 2 %、リンパ球 40 %)、血小板
22 万。血液生化学所見:総蛋白 7.8 g/dl、アルブミン 5.0 g/dl、尿素窒素 24 mg/dl、
クレアチニン 0.4 mg/dl、血糖 80 mg/dl、Na 128 mEq/l、K 4.2 mEq/l、Cl 88 mEq/l。
直ちに輸液を開始した。
輸液の組成として適切なのはどれか。
Na+
(mEq/l)
K+
(mEq/l)
Cl(mEq/l)
Lactate(mEq/l)
ブドウ糖
(g/dl)
a
0
0
0
0
5.0
b
154
0
154
0
0
c
84
20
66
20
3.2
d
35
20
35
20
4.3
e
30
0
20
10
4.3
― 26 ―
HAP01doc-Gor-32
58
76 歳の男性。悪心を主訴に来院した。 6 か月前に胃癌の診断で胃全摘術を受け、
3 か月前に肝転移と腹膜転移と診断された。その後、心窩部と下腹部とに鈍痛が出
現し、非ステロイド性抗炎症薬の内服にて小康状態が得られた。1 週前に心窩部の
鈍痛が増強したため塩酸モルヒネの内服を開始した。症状の改善は得られたが、昨
夜から悪心をきたしたため受診した。脈拍 96/分。血圧 126/86 mmHg。呼吸数 14/
分。SpO2 98 %(room air)。
疼痛緩和治療を継続するために、患者に確認すべき症状はどれか。
a
興
奮
b
頭
痛
c
発
熱
d
皮
疹
e
便
秘
― 27 ―
HAP01doc-Gor-33
59
81 歳の男性。歩行障害を主訴に来院した。自宅の玄関の前に座り込んでいるのを
隣人が見つけて病院に連れてきた。意識は清明。痩せて四肢の筋力低下が著しい以
外は身体診察上特に異常は認めなかった。自力で伝い歩きができるものの歩行は不
安定である。半年前に妻を亡くしてから外出することがなくなり、自宅で寝たり起
きたりの生活をしていたという。食事は業者の配食サービスを利用していた。身体
障害者手帳は持っておらず、要介護認定を受けたことはない。子供が一人遠方で暮
らしているが連絡がとれない。診療と並行して、今後の生活支援の必要性について
患者と相談した。
生活支援を受けるための連絡先として適切なのはどれか。 2 つ選べ。
a
特定機能病院
b
地方衛生研究所
c
居宅介護支援事業所
d
地域活動支援センター
e
地域包括支援センター
― 28 ―
HAP01doc-Gor-34
60
89 歳の女性。室内で転倒し動けなくなり搬入された。左大腿骨転子部骨折と診断
され、翌日に骨接合術を受けた。術後の経過は順調である。10 年前から Alzheimer
型認知症で内服治療を受けている。
手術当日に起こりうる合併症はどれか。 3 つ選べ。
a
褥
瘡
b
せん妄
c
偽関節
d
関節拘縮
e
深部静脈血栓症
― 29 ―
HAP01doc-Gor-35
次の文を読み、61~63 の問いに答えよ。
68 歳の女性。発熱と食欲不振とを主訴に来院した。
現病歴
:
3 週前から微熱と右季肋部の違和感を自覚していた。 2 日前から食欲
もなくなってきた。15 年前に乳癌で右乳房切除術を受けており、再発が心配で精密
検査を希望して受診した。
既往歴
:
53 歳時に乳癌で右乳房切除術。60 歳時に胆石症で開腹胆囊摘出術。
生活歴
:
喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
家族歴
:
姉が乳癌。
現
:
意識は清明。身長 150 cm、体重 49 kg。体温 37.6 ℃。脈拍 88/分、整。
症
血圧 130/84 mmHg。呼吸数 16/分。頸部リンパ節を触知しない。右前胸部と右上腹
部とに手術痕を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・
脾を触知しない。
検査所見
:
血液所見:赤血球 423 万、Hb 11.9 g/dl、Ht 40 %、白血球 9,600、血
小板 21 万。血液生化学所見:総蛋白 7.5 g/dl、アルブミン 3.9 g/dl、総ビリルビン
0.9 mg/dl、AST 31 IU/l、ALT 36 IU/l、LD 230 IU/l(基準 176~353)、ALP 372 IU/l(基
準 115~359)、γ-GTP 28 IU/l(基準 8 ~50)、アミラーゼ 95 IU/l(基準 37~160)、
CK 42 IU/l(基準 30~140)、
尿素窒素 12 mg/dl、クレアチニン 0.6 mg/dl、血糖 98 mg/dl、
総 コ レ ス テ ロ ー ル 246 mg/dl、ト リ グ リ セ リ ド 190 mg/dl、Na 131 mEq/l、K 4.4
mEq/l、Cl 97 mEq/l、CEA 2.2 ng/ml(基準 5 以下)、CA15-3 15 U/ml(基準 30 以下)。
CRP 10 mg/dl。腹部超音波検査で肝に占拠性病変を認めたため胸腹部 CT を施行し
た。腹部単純 CT(別冊 No. 8A)と腹部造影 CT(別冊 No. 8B)とを別に示す。
別
No. 8
冊
A、B
― 30 ―
HAP01doc-Gor-36
61
62
63
この患者の右胸腹部の診察所見として最も考えられるのはどれか。
a
波
動
b
叩打痛
c
振盪音
d
腹部膨満
e
血管雑音
この患者に行うべき検査はどれか。
a
腹腔動脈造影
b
エコー下穿刺
c
超音波内視鏡検査
d
腹部造影超音波検査
e
内視鏡的逆行性胆管膵管造影〈ERCP〉
この患者に今後発生しうる症候で緊急度の判定に最も有用なのはどれか。
a
浮
腫
b
黄
疸
c
意識障害
d
体重減少
e
全身倦怠感
― 31 ―
HAP01doc-Gor-37
次の文を読み、64~66 の問いに答えよ。
65 歳の男性。頭部挫創を主訴に来院した。
現病歴 : 飲酒後、家の階段の下で倒れているところを帰宅した家族に発見された。
頭部に挫創を認めたため家族に付き添われて受診した。
既往歴
:
心房細動のためワルファリン内服中。
生活歴
:
定年退職後無職。
家族歴
:
特記すべきことはない。
現
:
アルコール臭があるが意識は清明。ただし、本人は受傷時のことは覚え
症
ていない。脈拍 80/分、不整。血圧 150/90 mmHg。呼吸数 24/分。頭頂部やや後方
に
3 cm の挫創があり出血を認めた。身体の他の部位に創傷は認められなかった。
検査所見 : 頭部 CT では頭蓋骨骨折は認められず、後頭蓋窩にごくわずかな硬膜
下血腫が認められた。
64
この患者における頭蓋内病変の重症化を予測する上で、最も注意すべきなのはど
れか。
a
健
忘
b
飲
酒
c
年
齢
d
創傷部位
e
ワルファリン内服
― 32 ―
HAP01doc-Gor-38
65
挫創からの出血に対する止血や縫合に難渋していたところ、患者が突然嘔吐した。
その後、呼びかけにも痛み刺激にも反応しなくなった。急いで再度頭部 CT を撮影
しようと CT 室に搬送し、撮影台に移乗し頭部を固定したところ呼吸が止まった。
頸動脈は触知できた。
急変後、2 回目の CT の撮影に行く前にすべきであった処置はどれか。2 つ選べ。
66
a
吐物を吸引する。
b
大量輸液を行う。
c
制吐薬を投与する。
d
経口気管挿管を行う。
e
リザーバー付マスクで酸素を投与する。
蘇生しつつ撮影した頭部 CT では、硬膜下血腫の増大と小脳内の遅発性外傷性脳
内血腫が認められ、脳幹を圧迫する所見が認められた。患者はその 1 週後に死亡し
た。
死亡確認後の主治医の対応として適切でないのはどれか。
a
異状死と判断する。
b
所管する保健所に届け出る。
c
届出を 24 時間以内に行う。
d
警察官の検視を受ける。
e
警察医の死体検案を受ける。
― 33 ―
HAP01doc-Gor-39
次の文を読み、67~69 の問いに答えよ。
62 歳の男性。心窩部痛を主訴に来院した。
現病歴 :
3 か月前から時々心窩部不快感を自覚するようになった。最近、会社の
同僚が同じような症状で胃癌の診断を受け手術を行ったため、自分も胃癌ではない
かと心配になっていた。食欲低下も出現したため、市販の胃薬を内服したところ心
窩部不快感と食欲不振とは改善した。その後仕事が忙しく、時々心窩部不快感はあ
ったがそのままにしていた。 1 週前に腰部を打撲し、自宅近くの診療所で治療を受
け 2 日後には軽快した。 3 日前から心窩部痛が持続するようになり、夜間就寝中に
も痛みで覚醒するようになった。テレビで胃癌の原因が Helicobacter pylori の感染で
あることを聞いて心配になり、上部消化管内視鏡検査を希望し受診した。
既往歴
:
特記すべきことはない。
生活歴
:
喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。
現
:
意識は清明。体温 36.7 ℃。脈拍 76/分、整。血圧 128/70 mmHg。呼吸
症
数 16/分。腹部は平坦で、肝・脾を触知しない。心窩部に軽度の圧痛を認めるが、
腫瘤は触知しない。直腸指診で異常を認めない。
検査所見 : 尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球 330 万、Hb
11.8 g/dl、Ht 32 %、白血球 7,200、血小板 24 万。心電図と胸部エックス線写真と
に異常を認めない。上部消化管内視鏡像(別冊 No. 9)を別に示す。
別
冊
No. 9
― 34 ―
HAP01doc-Gor-40
67
68
追加すべき質問はどれか。
a
「生魚は食べていませんか」
b
「痛み止めは飲んでいませんか」
c
「最近海外に行きませんでしたか」
d
「最近井戸水を飲んでいませんか」
e
「血のつながった家族に大腸癌の方はいませんか」
Helicobacter pylori 感染診断を行った。その結果(別冊 No. 10)を別に示す。
用いた診断法はどれか。
a
培養法
b
血中抗体測定
c
便中抗原測定
d
尿素呼気試験
e
ウレアーゼ試験
別
冊
No. 10
69
治療として適切なのはどれか。
a
輸
血
b
内視鏡的止血術
c
抗菌薬の単剤投与
d
内視鏡的粘膜下層剝離術
e
プロトンポンプ阻害薬の投与
― 35 ―
HAP01doc-Gor-41
HAP01doc-Gor-42
HAP01doc-Gor-43
HAP01doc-Gor-44
HAP01doc-Gor-45
HAP01doc-Gor-46
HAP01doc-Gor-47
HAP01doc-Gor-48