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(青森市経済部交流推進課)
英国国際交流員 クリストファー・オアー
~異文化理解~
異文化理解~
シベリア風ボルシチ
世界のレシピ紹介~ロシア料理
昨年度と同様に、今年度も秋になるにつれてなぜか民間団体などからの異文化理解講座の講師依頼が多く
寄せられました。「読書の秋」でなく、「講座の秋」であればいいと思えるほど。
今回は、寒い季節にピッタリ!体が温まるロシアの煮込み料理『ボルシチ』を紹介します。ビーフストロガノフ・ピロシキと並ぶロシアの代
表的な料理で、特徴的なのは、スープの色です!ビーツという赤色の野菜を使うことで、鮮やかな赤色が生まれます。
これまでたくさんの異文化理解講座を実施してきましたが、最近改めて「異文化理解」というのは何だろうと考えを巡らせていま
す。
シベリア風ボルシチ(6 人分)
【材料】
水 1.5~2 リットル、じゃがいも 5 個、玉ねぎ(大)1 個、ビーツ 1 個(缶詰可)、人参(大)1 本、トマト 2 個、牛肉(又は豚肉)500~
■異文化理解講座とは?
700g、キャベツ 300g、パプリカ(黄・赤色)各 1 個、ローリエ 2~3 枚
まず、読んで字のごとく、この講座の目的は日本とは異なる国の文化を理解することです。しかし、1時間ほどの講座で伝える
には限界がありますし、継続的な異文化理解が生まれる可能性が低いのではと思います。
■より深く理解していただくには何が必要?
「実はイギリスが1つの国ではなくて、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドという4つの国で構成されていま
す。」
【作り方】
⑧ブイヨンにジャガイモとキャベツを入れて 7~10 分ほど煮て、
①鍋に水と牛肉を入れ火にかけ、沸騰したら弱火で 1 時間半~
塩を加えて味を調え、次に炒めたトマト・玉ねぎ・パプリカ・ビー
2 時間煮込んでブイヨンを作り、肉は取り出し食べやすい大きさ
ツ・人参・肉をブイヨンに入れ、弱火で 5 分煮る。
に切る。
⑩火を止め、香草(ローリエ・パセリ又はセロリ)を入れ、味と香り
②ビーツと人参は皮を剥いて、おろし金で粗くおろす。
をなじませるため、3~5 分ほどそのまま置いたら完成!
③玉ねぎは食べやすい大きさに、ジャガイモ・トマト・パプリカは一
この説明は講座などで何度も紹介していますが、サッカーの代表チームが別々に存在することを説明すれば、何となく分かっ
ていただけます。ただし、いつもきちんと伝えられていないと感じるのが、『イギリス人の民族の多様性』です。
具体的にそれは何を意味していて、なぜ重要なのでしょうか。
口大に、キャベツは粗く切る。
⑤弱火でトマト・玉ねぎ・パプリカを油で少し炒め、容器に移す。
同じくビーツと人参も弱火で炒める(焦がさないよう注意!)
スメタナ(サワークリ
ーム)やマヨネーズを
少し加えるとさらに
美味しいよ♪
■継続的な国際理解が生まれる過程
私が思うに、異文化の人と同じ地域で共存することで、分かち合うことができるようになります。そこにはイギリス人が多様な民
族であることが重要なのです。同じ「イギリス人」であっても、文化が違うので、お互いに学べることが山ほどあります。また、「イギリ
【レシピ紹介者:国際交流員 プルトフ・アントンさん(青森県観光国際戦略局国際経済課勤務)】
ロシアの代表的な料理といえば、ボルシチが有名です。しかし、ロシア国内でも地方や家庭によって調理方法
が違います。今回は、私の家庭で作るシベリア風ボルシチの作り方を紹介します。
ス人」と「外国人」という区別にあまりこだわらなくなり、人種摩擦も減っていきます。
■では、移民が増えなければ、国際理解が得られない?
紹介者:青森県観光国際戦略局観光交流推進課
国際交流員 マーク・イナダ(ハワイ出身)
世界の食文化紹介~ハワイ
とはいえ、本格的に海外から日本への移住を促進しなければ、国際理解が生まれないとも思っていません。ただし、そういう環
境でない場合は、各々が積極的に国際理解ということを意識し続ける必要があるでしょう。
文化の異なる人たちが周りに数多くいれば、すっと自然に異文化の大切さやなぜ違うかが頭に入ってくるからです。
ハワイの食事といえば大人気のロコモコを思いつく方が多いと思いますが、実は最も代表的な食材はタロイモです。日本のサトイモに
似ていますが、中身は紫色をしています。
ハワイ諸島に伝わる神話によると、創造神のワケアは自分の娘と恋に落ち、2 人の間の 1 人目の息子が死産で生まれました。母親
が息子の墓で泣いた後、墓穴から生えたのがハワイで最初のタロイモだったということです。
このため、昔の島民がタロイモを大切にしていたのは、自分がある意味でタロイモの子孫だと思っているからです。また、タロイモは大
変貴重な食料として考えられ、主食のポイというタロイモのペーストは毎日必ず食べられていました。
ポイの独特な味に慣れていない人には、たくさんの砂糖や牛乳を入れて混ぜて食べるのがおすすめです。地元の人は数日寝かせ
て酸味が出たポイが特に好きです。
タロイモはポイ以外にもジャガイモのように焼いて食べられ、栄養が多い葉もよく郷土料理に使われています。クロロという餅みたい
なデザートもルアウ(宴会)のような伝統的な行事で人気です。
↑市民を対象とした異文化理解講座
↑小学校での異文化理解授業
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ぷらっと通信第 11 号
2015 February
▲タロイモ
▲ポイ
▲クロロ
▲母親の涙
2015 February ぷらっと通信第 11 号
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