中学校3年【式の計算の利用2/3時間・多項式16/18時間】 (東京書籍:新しい数学3 P29) 「不思議な公式の証明!」 ~性質が成り立つ理由を式を使って説明する~ ☆本時のねらい:展開や因数分解を利用して図形の性質を証明することができる。 ☆本時の工夫点:①証明のかき方に慣れるために,教科書の証明を読み取り,理解する 時間を設定する。 ②面積を求める公式 S=al に円の半径 r や正方形の一辺 x がなくなって いることに目を向けさせ,なぜなくなっているのか,その理由を記 述することも取り入れる。 【思考の開始】 半径rmの円形の土地の周囲に,幅amの道があります。この道の面積をS㎡, 道の真ん中を通る円の周の長さを l mとするとき S=al となります。 S=al の式からどんなことが分かりますか。式を問題文 の語句を使って表しましょう。 ・(道の面積) =(道幅)×(道の真ん中を通る円の周の長さ) ・道の面積は,道幅と道の真ん中を通る円の周の長さを かけると求まる。 ☆学習課題 『図形の性質(公式)が成り立つことを証明しよう』 【思考の取り出し】 道の部分の面積を求めるには,どうすればよいでしょうか。 ・大きい円の面積から小さい円の面積を引けばよい。 道の部分の面積を求める式を立てましょう。 ・S=π(r + a)2-π r 2 S=al を証明すると,教科書のようになり ます。この証明をよく読んで,意味が分か らないところに下線を引きましょう。 ○かかれている証明を理解することも大切な勉強です。 時間を十分にとって証明を読ませて理解させましょう。 ○円の面積や周の長さを求める式などの既習事項の確認 が必要な場合もあります。 【思考の深化】 ここからペアになって,下線を引いたところについてお互いに教え合いましょう。 S=al は,土地の形が円でなくても成り立ちます。 正方形でも成り立つことを証明しましょう。 ☆記述のポイント! この道の真ん中を通る線の長さ l mを式で表すと l =4 x +π a・・・① 一方,この道の面積Sを式で表すと ○教科書の円の証明を参考にさ S=4 ax +π a 2 せて,かかせましょう。 = a(4 x +π a) ・・・② ○直線とかどの部分に分けて考えさせましょう。かどの4つの部分を集めると 1つの円になることに気付かせましょう。 このように土地の形が円でも正方形でもS=alが成り立つことが分かりま した。Sを求めるのに,r や x がなくなりました。r や x が分からなく てもSが求まるのはなぜでしょうか。理由をノートにかきましょう。 ☆記述のポイント! ・①の式を②の式に代入したときに,文字 r や x が消去されてしまうから S=al に r や x がない。 ・l の中に r や x が含まれているから。 ○公式には,r や x が入っていないが,面積には円の半径や正方形の一辺が関係している ことを確認しましょう。 ○他の図形の場合も同様に S=al となるのか問い掛けることも大切です。 【思考の整理】 今日は,土地が円や正方形の場合にS=alを証明しま した。他の図形でも同様になるか確かめると力が付 きます。例えば長方形でも同様に考えられます。 l ○長方形も,道幅を a,真ん中の道を l とすると面積 S=al となることを確認 しましょう。 ○土地の形を円や正方形など,条件を変えても公式が成り立つことを確認さ せることが大切です。「形を変えたらどうなるか?」という問いが生徒から 生まれるようにしたいものです。 今日の学習を振り返って,新しく分かったこと,疑問に思ったこと,更に 確かめてみたいことなどを自分の言葉でノートにまとめましょう。 本授業アイディア例との関連 小学校:数学的な考え方の評価規準 中学校:数学的な見方や考え方の評価規準 中1年7月 中2年5月 中3年5月(前時) (本時) [文字式の利用] [文字式の利用] 数量の関係や法則な どを,文字を用いた 式でどのように表す のかや,式が何を意 味しているのかを考 えることができる。 文字を用いて表現し たり,目的に応じて 式を変形したり,そ の意味を読み取った りして,命題が成り 立つことを説明する ことができる。 [式の計算の利用] 数の性質が成り立 つことを,数量及 び数量の関係を捉 え,方針を明らか にして,文字を用 いた式で説明する ことができる。 [式の計算の利用] 図形の性質が成り 立つことを,数量 及び数量の関係を 捉え,方針を明ら かにして,文字を 用いた式で説明す ることができる。 a
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