今週の日米株式ストラテジー;pdf

2015.3.13
今週の日米株式ストラテジー
∼日経平均は3月末に向けて 20000 円に接近する展開と想定∼
図表① 日経平均とNYダウ
先週月曜日(3/9)の東京市場では日経平均が 180 ∼3/12 の NY ダウは 259 ドル高と大幅に反発した∼
3/12 の日経平均は一時 19000 円台を回復
円安と 3 日ぶりに反落した。前週末(3/6)に発表
された米 2 月の雇用統計が予想以上に改善し、FRB
の早期利上げ懸念から同日の NY ダウが 278 ドル安
と大幅に反落したことから、週明けの東京市場でも
株売りが先行した。その後、月曜日の米国市場では
押し目買いが優勢となり、NY ダウが 138 ドル高と
反発したが、翌火曜日(3/10)の東京市場では金曜
日(3/13)に株価指数先物やオプションなどの特別
清算指数(SQ)算出を控え、日経平均先物にややま
とまった売りが出たことから、日経平均は 125 円安
と続落した。さらに、火曜日の米国市場ではドル高
が大幅に進み、米国企業の業績を圧迫するとの懸念
から NY ダウが 332 ドル安と今年最大の下げ幅で反
落したが、翌水曜日(3/11)の東京市場では年金基
金による日本株の買い支え期待が高まり、日経平均
は 58 円高と 3 日ぶりに反発した。その後、水曜日
の米国市場では買い手控えムードが続き、NY ダウ
が 27 ドル安と小幅に続落したが、翌木曜日(3/12)
の東京市場では大手企業の賃上げ方針が相次いで
明らかになったことが好感され、日経平均は 267 円
高と大幅に続伸し、前週末(3/6)に付けた約 15 年
ぶりの高値を再び更新した。
NYダウは 18000 ドル台を回復する可能性も
20500
19200
(円)
(ドル)
(左軸)日経平均と200日移動平均→
17600
3/12まで
19500
16000
18500
14400
17500
12800
↑
NYダウと200日移動平均
(右軸)
11200
14/3/13
出所
16500
15500
5/9
7/8
9/3
10/29
12/26 15/2/25
大和証券投資戦略部で取りまとめ
図表② 米国の非農業部門雇用者数と失業率
∼2 月の非農業部門雇用者数は前月比 29.5 万人
増と市場予想の 23.5 万人増を大幅に上回った∼
11
75
(前月比:万人)
非農業部門雇用者数(左軸)
失業率(右軸)
(%)
50
10
25
9
0
8
▲25
↑
15/2
↓
7
▲50
6
▲75
5
▲100
4
今週の米国市場では水曜日(3/18)に発表される
2005 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
FOMC 声明文及び FOMC 後のイエレン FRB 議長 出所 米労働省
の記者会見が最も注目されよう。3/6 に発表された
米 2 月の雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比 図表③ 米国の平均時給と小売売上
29.5 万人増と市場予想の 23.5 万人増を大幅に上回 ∼2 月の平均時給は前月比で予想ほど上昇せず、2
り、失業率も予想以上に低下した。一方、平均時給 月の小売売上は前月比で予想外に減少した∼
は前月比 0.1%増と市場予想の 0.2%増を下回ったが、 26
500
(ドル)
米国の平均時給(左軸)
米国の小売売上(右軸)
同日の米国市場では FRB の早期利上げ観測が高ま
460
25
り、長期金利が大幅に上昇し、NY ダウは大幅に下
↑
落した。実際に、2 月の雇用統計発表後にロイター 24
420
15/2
が実施したプライマリーディーラー(米政府証券公
380
23
認ディーラー)調査によると、16 社中 9 社が FRB
340
の利上げ開始を 6 月と予想した(前回 2 月の調査で 22
利上げ開始を 6 月と予想したのは 19 社中 10 社だっ
300
21
た)。また、16 社中 15 社が年内に最低 2 回の利上
(10億ドル)
260
20
げを予想した。
2007/1 08/1 09/1 10/1 11/1 12/1 13/1 14/1 15/1
今週発表される FOMC 声明文では、ゼロ金利解
出所 米労働省、米商務省
本資料は、投資の参考となる情報提供のみを目的としたものです。投資に関する決定はご自身の判断でなさいますようにお願い申し上げます。本資料は、当社が信頼
できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されていますが、その情報の正確性、完全性を保証するものではありません。また、本資料に記載された意見や予
測等は、資料作成時点の当社の判断で、今後、予告なしに変更されることがあります。なお、本資料のご利用に際しては、最終ページの記載もご覧ください。
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図表④
日本の輸出金額と鉱工業生産指数
除に「忍耐強くなれる」との文言を削除する可能性
∼2 月の貿易統計では輸出の好調さが確認される
が高い。ただし、イエレン FRB 議長は 2/24 の議会
可能性∼
証言で、今週の FOMC で「忍耐強くなれる」との
8.0
124
日本の輸出金額(左軸)
日本の鉱工業生産指数(右軸)
(兆円)
文言が削除されても 6 月の利上げに直接つながらな
いずれも季節調整値
(2010年=100)
いとけん制したことから、今週の FOMC 後の記者
7.0
114
←15/1
15/2の貿易統計は
←リーマン・ショック
3/18(木)発表
会見でも同じような説明を繰り返し、FRB の早期利
6.0
←15/1 104
上げ観測が後退する可能性があろう。その場合、米
国市場では長期金利が低下し、NY ダウは 18000 ド
5.0
94
ル台を回復する展開となろう。一方、イエレン FRB
議長が 6 月利上げの可能性を排除しなかった場合は
4.0
84
逆の展開となろうが、その可能性は低いと見ている。
日経平均は 20000 円に接近する展開と想定
3.0
2005 06
74
07
08
09
10
11
12
13
14
15
出所 財務省、経済産業省
今週の東京市場では月∼火曜日(3/16∼17)に日
銀金融政策決定会合が開かれ、会合後には黒田日銀
図表⑤ 訪日外国人客数
総裁の記者会見も行われるが、為替相場や株式相場
∼2 月の訪日外国人客数は大幅に増加する可能性∼
への影響は限定的と見ている。一方、今週発表され
180
150
(万人)
(%)
訪日外国人客数(左軸)
る経済統計では、水曜日(3/18)に発表される 2 月
15/1
前年同月比(右軸)
↓
135
125
の貿易統計及び訪日外国人客数や、木曜日(3/19)
に発表される 2 月の全国百貨店売上が注目されよう。 100
90
2/19 に発表された 1 月の貿易統計では輸出の回復が
45
75
続いていることが確認されたが、今週発表される 2
月の貿易統計でも輸出の回復が確認され、ドル高・
0
50
円安が進んでいることと合わせて、輸出関連株が物
▲45
25
色される可能性があろう。一方、2/18 に発表された
15/2の訪日外国人客数は
3/18(水)発表
1 月の訪日外国人客数は前年比 29%増と 8 カ月連続
▲90
0
2005
06
07
08
09
10
11
12
13
14
15
で増加した。例年 1 月は訪日外国人客数が伸びない
閑散期にあたるが、昨年 10 月に始まった免税品拡 出所 日本政府観光局
充の影響で、今年は 1 月としては過去最多を更新し
た。また、3/2 に大手百貨店 5 社が発表した 2 月の 図表⑥ 日本の消費者態度指数と消費総合指数
売上高は全社で増収となった。昨年 2 月は消費増税 ∼2 月の消費者態度指数は 3 カ月連続で改善し、
前の駆け込み需要で売上が増加したが、今年は中華 内閣府は基調判断を上方修正した∼
116
51
圏の旧正月にあたる「春節」に伴う訪日客数の大幅
(2005年=100)
←消費者態度指数
消費総合指数→
(左軸)
(右軸)
な増加が免税品の売上を大幅に押し上げたという。
112
46
今週発表される 2 月の訪日外国人客数や全国百貨店
15/2
↓
売上も良好な伸びを示し、百貨店株を含めて訪日外
108
41
国人客数の増加によって恩恵を受ける「インバウン
14/12
104
36
ド関連銘柄」が改めて物色される可能性があろう。
消費総合指数は実質値
目先の東京市場ではドル高・円安による輸出回復
100
31
期待に加えて、賃上げ及び訪日外国人客数増加によ
る個人消費回復期待が続き、日経平均は来週木曜日
96
26
2005 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15
(3/26)の 3 月期末配当の権利付き最終売買日に向
けて 20000 円に接近する展開と想定する。
(野間口) 出所 内閣府
本資料は、投資の参考となる情報提供のみを目的としたものです。投資に関する決定はご自身の判断でなさいますようにお願い申し上げます。本資料は、当社が信頼
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お取引にあたっての手数料等およびリスクについて
手数料等およびリスクについて
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「ダイワ・コンサルティング」コースの店舗(支店担当者)経由で
国内委託取引を行う場合、約定代金に対して最大 1.24200%(但し、最低 2,700 円)の委託手数料
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商号等 :大和証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第108号
加入協会:日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、
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【保有株式等について】
大和証券は、このレポートに記載された会社が発行する株券等を保有し、売買し、または今後売買することがあります。大和証券グループ
が、株式等を合計 5%超保有しているとして大量保有報告を行っている会社は以下の通りです。(平成 27 年 2 月 27 日現在)
第一カッター興業(1716) 北弘電社(1734) 大豊建設(1822) テノックス(1905) アコーディア・ゴルフ(2131) フルスピード(2159) エ
イジア(2352) アルコニックス(3036) ソリトンシステムズ(3040) サンセイランディック(3277) 星野リゾート・リート投資法人(3287)
日本ヘルスケア投資(3308) クリヤマホールディングス(3355) ケー・エフ・シー(3420) サンコーテクノ(3435) トーセイ・リート投資
法人(3451) テックファーム(3625) モブキャスト(3664) アバント(3836) 関東電化工業(4047) 第一稀元素化学工業(4082) ラクオ
リア創薬(4579) 中国塗料(4617) MORESCO(5018) 相模ゴム工業(5194) 有沢製作所(5208) ノザワ(5237) 中山製鋼所(5408) 東京鐵
鋼(5445) 新報国製鉄(5542) テクノプロ・ホールディングス(6028) ライドオン・エクスプレス(6082) 日進工具(6157) レオン自動機
(6272) 日精エー・エス・ビー機械(6284) 日精樹脂工業(6293) オカダアイヨン(6294) 加藤製作所(6390) 兼松エンジニアリング
(6402) JUKI(6440) 三相電機(6518) ダブル・スコープ(6619) SEMITEC(6626) 寺崎電気産業(6637) 戸上電機製作所(6643) 京写
(6837) 山一電機(6941) 芝浦電子(6957) アストマックス(7162) ノジマ(7419) 大興電子通信(8023) マネースクウェア HD(8728)
マネーパートナーズ(8732) シノケングループ(8909) 大和証券オフィス投資法人(8976) 日本賃貸住宅(8986) ファーストエスコ
(9514) セレスポ(9625) 帝国ホテル(9708) 丸紅建材リース(9763) パーカーコーポレーション(9845) バイテック(9957)(銘柄コード
順)
【主幹事を担当した会社について】
大和証券は、平成 26 年 3 月以降下記の銘柄に関する募集・売出し(普通社債を除く)にあたり主幹事会社を担当しています。
日本M&Aセンター(2127) リンクアンドモチベーション(2170) 東京エレクトロンデバイス(2760) 北の達人コーポレーション(2930)
アークランドサービス(3085) ブロンコビリー(3091) 鳥貴族(3193) ホットランド(3196) 大和ハウスリート投資法人(3263) アクテ
ィビア・プロパティーズ投資法人(3279) イオンリート投資法人(3292) ヒューリックリート投資法人(3295) 日本ヘルスケア投資法人
(3308) トリドール(3397) トーセイ・リート投資法人(3451) ケネディクス商業リート投資法人(3453) コロプラ(3668) リアルワール
ド(3691) オプティム(3694) GMOリサーチ(3695) 大王製紙(3880) クラウドワークス(3900) カヤック(3904) データセクション
(3905) 竹本容器(4248) クイック(4318) ダイト(4577) リボミック(4591) 日本エンタープライズ(4829) OATアグリオ(4979)
クニミネ工業(5388) GMO TECH(6026) アドベンチャー(6030) インターワークス(6032) エクストリーム(6033) MRT(6034)
ファーストロジック(6037) レアジョブ(6096) 日本ビューホテル(6097) パンチ工業(6165) イマジカ・ロボット ホールディングス
(6879) FPG(7148) 盟和産業(7284) プラッツ (7813) 菊水化学工業(7953) 三井不動産(8801) 日本ビルファンド投資法人(8951)
オリックス不動産投資法人(8954) ユナイテッド・アーバン投資法人(8960) 平和不動産リート投資法人(8966) 大和証券オフィス投資法
人(8976) ジャパン・ホテル・リート投資法人(8985) U−NEXT(9418) エムティーアイ(9438) アルファポリス(9467) 広島ガス
(9535) アイ・エス・ビー(9702) 学究社(9769) 蔵王産業(9986)(銘柄コード順)
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