農地中間管理機構ニュース 第5号 平成27年1月6日

農地中間管理機構ニュース
第5号 平成27年1月6日
《公益社団法人あおもり農林業支援センター(青森県農地中間管理機構)発行》
前月(12月)の主なできごと
~4回目の公募結果公表 借受希望者は1,600経営体へ~
農地中間管理事業では、機構が農地の借受希望者を公募して、一定の時期にとりまとめ、そのリ
ストを公表しており、
この公表者でないと、
機構から農地を借り受けできないことになっています。
これまでの3回のとりまとめに続いて、4回目のとりまとめを12月12日現在で行い12月22
日にそのリストを公表しました。
今回、166経営体から新たに応募があり、前回の10月31日でとりまとめた1,434経営
体を合わせると合計1,600経営体(応募区域ごとに集計すると2,737件)となっています。
米価下落等で農業環境が厳しい中、農業経営の改善に前向きに取り組もうとして応募された担い手
の方々には感謝申し上げます。
~借受希望面積は約1万1,700ヘクタール~
今回のとりまとめの結果、県内40市町村のうち、大間町、風間浦を除く38市町村で応募があ
りました。
応募する範囲を区域と称しており、
市町村によっては複数の応募区域を設けているため、
県全体では149区域が設定されています。
このうち6区域で依然として応募がありませんでした。
法人の応募は、119経営体で、その内訳は農業者が主体の組織体が38、株式会社などの法人
が81経営体となっています。このうち、農業経験のない、いわゆる新規参入は3法人です。
この3法人を含めた新規参入は23経営体となっています。
借受希望者の借受希望面積を累計すると、1万1,720ヘクタールで、そのうち、田が
7,870ヘクタールでほぼ3分の2を占め、次いで畑が2,600ヘクタール、草地が910ヘ
クタール、樹園地が340ヘクタール、となっています。
なお、12月12日現在の出し手の貸出希望面積は900ヘクタール弱となっています。
~TV会議で農水省から事業実績確保の強い指示~
農林水産省は、
12月5日、
各農政局に局管内の県の農政担当幹部と機構の専務クラスを集めて、
TVで会議を行いました。当機構からは理事長が出席しています。会議では、農林水産省から本事
業は官邸や、産業競争力会議、規制改革会議、さらにはマスコミからも非常に関心がもたれており、
それだけに初年度から実績を十分あげてほしいと強い指示が出されました。
特に、11月25日に開かれた規制改革会議と産業競争力会議の合同会合では、農地集積にはス
ピード感が必要で、権利移動しやすい優良農地を中心にスタートダッシュすべきだ、という要請が
あったと伝えられました。さらに、今後は順次、3月までの実績見込みを報告してもらうこと、機
構の活動についてABCの三つのランクで自己評価してもらうこと、といった事務を取り進めてい
くことの指示もありました。
これに対して、各県からは年度をまたぐシステムだから実績の取り扱いを慎重に、予算の増大を
図るべき、などの要望が出され、当機構からも、個人対象の協力金の申請が要件を満たした年度の
3月10日までに行われないと、それまでの対象面積に係る協力金の受給権利が無くなることの是
正や、27年度は新たな戦略・戦術を年度初めに提案してもいいが年度途中は避けてほしいこと、
などを要請しました。
~農地中間管理事業と農地基盤整備事業の連携に関する会議の開催~
農地基盤整備事業(ほ場整備事業)実施地区では、事業実施を契機に担い手への農地集積を強力
に図ることにしているため、農地中間管理事業の活用が期待されています。このため、各県の機構
では、ほ場整備地区全体を取り込んだ効率的な貸借推進を模索しておりますが、実施方法などの面
で各県の取組に温度差が出てきています。このため、12月15日、東北農政局が各県の基盤整備
担当者と機構担当者を集めて、両事業の連携促進に向けた会議を開きました。会議では、基盤整備
事業担当者に対して管理機構の役割が改めて周知されたほか、
各県が設定しているモデル地区には、
基盤整備事業予算を優先配分することや、さらなる情報共有を図ることなどを確認しました。
~農業経営士・青年農業士役員との農地中間管理事業に関する意見交換会を実施~
12月18日、農業経営士・青年農業士役員との農地中間管理事業に関する意見交換会を開きま
した。機構から概要を説明した後、役員から意見を聞きました。その中で、特に、相対(出し手、
受け手とも了承)が認められないのだからこの場合は機構に持ちかけられない、出し手へのPRが
不足している、受け手からの10年の貸付期間が長すぎる、など機構利用が進まない要因を指摘す
る声があがりました。こうした意見を参考にして、機構活用を促進するには、どうすればいいか、
検討していくことにしています。
~青森県りんご協会役員会に事業説明~
12月19日、公益財団法人青森県りんご協会の役員会終了後、機構理事長が役員約50名に対
して、機構事業の概要を説明しました。永年性作物で各自の枝ぶりが違うなどで貸し借りは水田な
どと比べて、難しい要素がありますが、協会が行う冬のりんご講座などで積極的に農地中間管理事
業を紹介するということが確認されました。
~地元新聞3紙に農地の出し手へ働きかける新聞広告掲載~
先述のように、農地の貸出希望面積は、12月12日現在で900ヘクタール弱となっており、
借受希望面積を大幅に下回り本年度の受け手への貸付目標面積の1,100ヘクタールにさえ届い
ておりません。また、本事業や協力金を知らない規模縮小意向農家もいると聞いておりますので、
12月24日に「農地を機構に預けませんか!」と銘打った広告を地元新聞3紙に掲載しました。
同様の広告を1月8日にも掲載して、農地の貸出機運を醸成することにしています。
今後の主な予定
~5回目の借受希望の応募者リストを公表します~
1月末に5回目(臨時に12月12日を追加)となる借受希望応募者の取りまとめを行います。
本年度最後のとりまとめになるため、未だ応募はしていないが、農地を借り受けてもよい、あるい
は農業機械に余力があると考えておられる方は、優良農地が出てきた場合にいつでも借受けが可能
となるよう、必ず1月末までに市町村に応募しておいていただくよう、お願いします。
~マッチングと貸借手続きを速やかに進めていきます~
経営の規模拡大と農地の集約のために、借受希望応募者リストでもって、出し手から申し出され
た農地に関してマッチングをできるだけ速やかに進めていきます。マッチングが成立すると、機構
が出し手から農地を借り受ける農用地利用集積計画、その農地を受け手に転貸する農用地利用配分
計画の作成手続が行われます。いずれも権利の設定・移転に関する計画で、機構では市町村、農業
委員会の協力のもとに、円滑かつ迅速に進めていくことにしています。
~県、農用地利用配分計画の2回目の認可を予定~
機構が借り受けた農地の貸付先を明らかにする農用地利用配分計画については、順次県に申請し
ておりますが、その2回目の認可を県では、1月下旬に行う予定です。
(第5号終)