MH 3-7-1 うつ病の職業支援における「仕事をする目的」の重要性 ―仕事をする目的の転換がパフォーマンスの改善に奏功した一例― The importance of ”a working purpose” in the occupational support of depression ―A case that shows how ”a working purpose” succeeded in the improvement of the work performance of individuals with depression― ○岡本利子 (OT) 1,2),山村祐子 (OT) 1,2),金山秀彦 (Dr.) 2,3),岡本章宏 (Dr.) 2,3) 1) 嶺南病院生活支援部, 2)萩の実ストレスケアクリニックショートケア, 3)嶺南病院医局 Key words: Mental health,Work-related practices,Behavior analysis 【導入】日本では近年,うつ病の復職支援専用の医療施設がある.そこでは,症状回復と再発予防等 の復職支援プログラムは提供,報告されているが,復職後の仕事のパフォーマンス改善のための取組 みや報告は殆どない. 【目的】今回,うつ病の再発予防スキルはあるが,仕事のパフォーマンスが悪 い症例に対して,「仕事をする目的」の転換をはかったところ,パフォーマンスの改善に奏功したの で,報告したい.尚,症例には文書による同意を得ている.【実践内容】症例A(30歳代 男性)に 対する介入を,グループ(週1回,各2時間)形式で計14回行った.内容としてAcceptance & Commitment Therapyのエクセサイズを用いた. 【結果・考察】Aは,問題行動の機能分析におい て,「怒られないように」(嫌子消失)仕事をしていることとその悪循環に気づいた.更に,価値の ワークで「他者に役立つ喜びを得るために」(好子出現)仕事がしたいことに気づき,同僚の役に立 つ行動を増やしていった結果,仕事のパフォーマンスは改善し,1年たった現在も維持されている. 【結論】この事例を通して,「仕事をする目的を好子出現に設定すること」で,仕事のパフォーマン スが改善し維持される仕組みを作れる可能性が示唆された.【実践に基づく作業療法への貢献】事例 を応用し,対象者の希望する目標を好子出現に設定することで,目標達成に向けた行動を増やし維持 する仕組みを作れると考える.
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