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大阪労働局
PressRelease
東大阪労働基準監督署発表
平 成 27年 3月 26日
労働安全衛生法違反の疑いで大阪地方検察庁に書類送検
(無資格者に玉掛けの業務を行わせた疑い)
平 成 27 年 3 月 26 日 ,東 大 阪 労 働 基 準 監 督 署( 署 長 島 田 晴 弘 )は ,株 式 会 社 藤 川 ハ ガ
ネ と 同 社 の 専 務 取 締 役 を 労 働 安 全 衛 生 法 違 反 の 疑 い で ,大 阪 地 方 検 察 庁 に 書 類 送 検 し た 。
記
労働安全衛生法違反
(1)被疑者
① 株式会社藤川ハガネ(フジカワハガネ)
事業場所在地
大阪府東大阪市楠根
事業内容
鋼板,金型材料の加工及び販売業
② 同社専務取締役 A
(2)違反条文等
労 働 安 全 衛 生 法 第 61 条 第 1 項
労 働 安 全 衛 生 法 施 行 令 第 20 条 第 1 6 号
労 働 安 全 衛 生 規 則 第 41 条 別 表 第 3
ク レ ー ン 等 安 全 規 則 第 221 条
労 働 安 全 衛 生 法 第 119 条 第 1 号 ( 罰 則 )
同 法 第 122 条 ( 両 罰 )
(3)事件の概要
被 疑 会 社 藤 川 ハ ガ ネ は ,大 阪 府 東 大 阪 市 楠 根 に 本 店 を 置 き ,鋼 板 ,金 型 の 材 料 の 加
工 及 び 販 売 業 を 営 む 事 業 者 ,被 疑 者 A は ,同 会 社 の 専 務 取 締 役 と し て ,同 会 社 の 労 働
者 の 安 全 を 管 理 す る も の で あ る が , 被 疑 者 A は , 同 会 社 の 業 務 に 関 し , 平 成 26 年 7
月 19 日 , 本 店 工 場 に お い て , 鉄 板 の つ り 上 げ 作 業 を 行 わ せ る に あ た り , 法 令 で 定 め
る 玉 掛 け の 資 格 を 有 し な い 労 働 者 B に ,つ り 上 げ 荷 重 2.818 ト ン の 床 上 操 作 式 ク レ ー
ン ( ※ 1) の 玉 掛 け の 業 務 に 就 か せ た も の で あ る 。
(4)参考事項
① 平 成 26 年 7 月 19 日 ,被 疑 会 社 に お い て ,労 働 者 B が ク レ ー ン に つ り 荷 を 玉
掛けし,同クレーンを操作した際に,同クレーンのつり荷であった鉄板が落下
し,労働者 C の足の甲に落下し,骨折するという労働災害が発生している。
② 労働安全衛生法では,つり上げ荷重が 1 トン以上のクレーンの玉掛けの業務
( ※ 2)に つ い て は ,荷 が 外 れ た り 挟 ま れ た り し て 危 険 な こ と か ら ,技 能 講 習 の
修了等法定の資格を有する者でなければ,当該業務に就かせてはならないと定
め ら れ て い る が ,被 疑 会 社 に お い て ,法 定 の 資 格 を 有 し て い な い 労 働 者 B に 玉
掛けの業務に就かせたものである。
③ 適用法条文は,別紙のとおり。
( ※ 1) 床 上 操 作 式 ク レ ー ン と は , 床上で運転し,かつ,当該運転をする者が荷の
移 動 と と も に 移 動 す る 方 式 の ク レ ー ン で あ る 。 ( 図 1-1 参 照 )
( ※ 2) 玉 掛 け 業 務 と は , クレーンに荷を掛け,荷を取り外す業務のことである。
( 図 1-2 参 照 )
別紙
労 働 安 全 衛 生 法 第 61 条 第 1 項
事業者は,クレーンの運転その他の業務で,政令で定めるものについては,都
道府県労働局長の当該業務に係る免許を受けた者又は都道府県労働局長の登録を
受けた者が行う当該業務に係る技能講習を修了した者その他厚生労働省令で定め
る資格を有する者でなければ,当該業務を就かせてはならない。
労 働 安 全 衛 生 施 行 令 第 20 条 第 16 号
法六十一条第一項の政令で定める業務は,次のとおりとする。
16 制 限 荷 重 が 一 ト ン 以 上 の 揚 貨 装 置 又 は つ り 上 げ 荷 重 が 一 ト ン 以 上 の ク レ ー ン ,
移動式クレーン若しくはデリックの玉掛けの業務
労 働 安 全 衛 生 規 則 第 41 条
法六十一条第一項に規定する業務につくことができる者は,別表第三の上欄に
掲げる業務の区分に応じて,それぞれ,同表の下欄に掲げる者とする。
別表第 3
令第二十条第十六号の業務
玉掛け技能講習を修了した者
職業能力開発促進法第二十七条第一項の準則訓練である普通職業訓練のう
ち,職業能力開発促進法施行規則別表第四の訓練科の欄に掲げる玉掛け科の
訓練(通信の方法によって行うものを除く。)を修了した者
3 その他厚生労働大臣が定める者
1
2
ク レ ー ン 等 安 全 規 則 第 221 条
事業者は,令二十条第十六号に掲げる業務(制限荷重が一トン以上の揚貨装置
の玉掛けの業務を除く。)については,次の各号のいずれかに該当する者でなけ
れば,当該業務に就かせてはならない。
1 玉掛け技能講習を修了した者
2 職業能力開発促進法第二十七条第一項の準則訓練である普通職業訓練のうち
職業能力開発促進法施行規則別表第四の訓練科の欄に掲げる玉掛け科の訓練
(通信の方法によって行うものを除く。)を修了した者
3 その他厚生労働大臣が定める者
労 働 安 全 衛 生 法 第 119 条 第 1 号
次 の 各 号 の い ず れ か に 該 当 す る 者 は ,六 か 月 以 下 の 懲 役 又 は 五 十 万 円 以 下 の 罰
金に処する。
1 第十四条,…(略)…,第六十一条第一項,…(略)…又は第百八条の二第
四項の規定に違反した者
労 働 安 全 衛 生 法 第 122 条
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人,使用人その他の従業者が,その法
人又は人の業務に関して,第百十六条,第百十七条,第百十九条又は第百二十条
の違反行為をしたときは,行為者を罰するほか,その法人又は人に対しても,各
本条の罰金刑を科する。