大阪労働局 Press Release 堺労働基準監督署発表 平成28年12月27日 労働安全衛生法違反の疑いで書類送検 −無資格者に天井クレーンの運転業務を行わせた疑い− 平成28年12月27日、堺労働基準監督署(署長 樋上泰司)は下記のとおり有 限会社ヒデル機工及び同社の事実上の代表者を労働安全衛生法違反の疑いで、大阪地 方検察庁に書類送検した。 記 1 被疑者 き こ う (1)有限会社ヒデル機工 本社所在地 大阪府堺市堺区北旅籠町西 事業内容 製鉄機械の据付け、点検、メンテナンスの業務 (2)同社取締役A(男性) 2 違反条文等 労働安全衛生法違反 同法第61条第1項 労働安全衛生法施行令第20条第6号 クレーン等安全規則第22条 同法第119条第1号(罰条) 同法第122条(両罰) 3 事件の概要 被疑会社の取締役 A は同社の事実上の代表者として労働者の安全管理を行う者 であるが、同人は、同社の業務に関し、平成28年9月23日、大阪府堺市堺区塩 浜町所在の工場において、つり上げ荷重5トン以上の床上操作式クレーンの月例点 検を行うに当たり、法令で定める同クレーンの運転の資格を有しない労働者Bを同 クレーンの運転の業務に就かせたものである。 4 参考事項 (1)平成28年9月23日、同社労働者Bがつり上げ荷重5トン以上の床上操作式ク レーンを操作して横行させたところ、同クレーンのガーダ歩道で月例点検作業に従 事していた同社の労働者Cが横行してきたクレーンのホイストとガーダ歩道上に 設けられていたはしごにはさまれ死亡する災害が発生した。 (2)災害発生イメージ図及び適用法条項は別紙のとおり。 別紙 災害発生イメージ図 適用法条項 労働安全衛生法 労働安全衛生法第61条第1項 事業者は、クレーンの運転その他の業務で、政令で定めるものについては、都道府県労働局長の 当該業務に係る免許を受けた者又は都道府県労働局長の登録を受けた者が行う当該業務に係る技 能講習を修了した者その他厚生労働省令で定める資格を有する者でなければ、当該業務に就かせて はならない。 (2項以下省略) 労働安全衛生法第119条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。 一 第十四条、第二十条から第二十五条まで、第二十五条の二第一項、第三十条の三第一項若 しくは第四項、第三十一条第一項、第三十一条の二、第三十三条第一項若しくは第二項、第三十 四条、第三十五条、第三十八条第一項、第四十条第一項、第四十二条、第四十三条、第四十四条 第六項、第四十四条の二第七項、第五十六条第三項若しくは第四項、第五十七条の三第五項、第 五十七条の四第五項、第五十九条第三項、第六十一条第一項、第六十五条第一項、第六十五条の 四、第六十八条、第八十九条第五項(第八十九条の二第二項において準用する場合を含む。)、第 九十七条第二項、第百四条又は第百八条の二第四項の規定に違反した者 (二号以下省略) 労働安全衛生法第122条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関 して、第百十六条、第百十七条、第百十九条又は第百二十条の違反行為をしたときは、行為者を罰す るほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。 労働安全衛生施行令 労働安全衛生法施行令第20条 法第六十一条第一項の政令で定める業務は、次のとおりとする。 (1号から5号省略) 六 つり上げ荷重が五トン以上のクレーン(跨(こ)線テルハを除く。)の運転の業務 (七号以下省略) 労働安全衛生規則 クレーン等安全規則第22条 事業者は、令第二十条第六号に掲げる業務については、クレーン・デリック運転士免許を受けた者でなけれ ば、当該業務に就かせてはならない。ただし、床上で運転し、かつ、当該運転をする者が荷の移動とともに移 動する方式のクレーン(以下「床上操作式クレーン」という。)の運転の業務については、床上操作式クレーン 運転技能講習を修了した者を当該業務に就かせることができる。
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