大阪労働局 Press Release 大阪中央労働基準監督署発表 平成28年1月28日 労働安全衛生法違反の疑いで書類送検 (足場の組立て等作業主任者の選任なく作業を行わせた疑い) 平成28年1月28日、大阪中央労働基準監督署(署長 小松 敏和)は、下記の とおり有限会社フレア工業及び同社の代表取締役を労働安全衛生法違反の疑いで、大 阪地方検察庁に書類送検した。 記 1 被疑者 こうぎょう (1)有限会社フレア 工 業 (以下「被疑会社」という。) 所在地 大阪府和泉市春木町 事業内容 とび・土工工事業 (2)同社代表取締役A 2 違反法条文等 労働安全衛生法違反 同法第14条 労働安全衛生法施行令第6条第15号 労働安全衛生規則第16条第1項、第565条 同法第119条第1号(罰則) 同法第122条(両罰) 3 事件の概要 被疑者Aは、同社の労働者を指揮するとともに同社の安全管理を行う者であるが、 平成27年9月3日、同人は、大阪市鶴見区徳庵の工事現場において、高さ約15メ ートルの構造の足場の組立て作業を行わせるに当たり、法令の定める足場の組立て等 作業主任者技能講習を修了した者のうちから、足場の組立て等作業主任者を選任しな ければならないのに、選任しなかったものである。 4 参考事項 (1)平成27年9月3日、大阪市鶴見区徳庵の工事現場において、防護棚(朝顔) の組立て作業を労働者X及びYに行わせた際、防護棚(朝顔)が崩落して労働 者X及びYが墜落し、労働者Xが死亡、労働者Yの腕が骨折するという労働災 害が発生している。 (2)労働安全衛生法では、足場の倒壊や作業中の墜落による災害を防止するため、 高さが5メートル以上の構造の足場の組立て、解体又は変更の作業には、都道 府県労働局長の登録を受けた者が行う技能講習を修了した者のうちから、作業 主任者を選任し、その者に当該作業に従事する労働者の指揮等を行わせること を義務付けている。 (3)防護棚とは、下図のとおり、建設工事の現場から落下物が外部に落下し、通 行人等第三者に対する危害を防止するために、足場の外側面にはね出して設け る落下物防止設備で、一般に朝顔と呼ばれている。 (4)適用法条文は、別紙のとおり。 防護棚(朝顔) 足場 図 防護棚(朝顔) 別紙 適用法条文 ○労働安全衛生法(抄) (作業主任者) 第十四条 事業者は、高圧室内作業その他の労働災害を防止するための管理を必要 とする作業で、政令で定めるものについては、都道府県労働局長の免許を受けた者 又は都道府県労働局長の登録を受けた者が行う技能講習を修了した者のうちから、 厚生労働省令で定めるところにより、当該作業の区分に応じて、作業主任者を選任 し、その者に当該作業に従事する労働者の指揮その他の厚生労働省令で定める事項 を行わせなければならない。 (罰則) 第百十九条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は五十万円以 下の罰金に処する。 一 第十四条・・・の規定に違反した者 (罰則) 第百二十二条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者 が、その法人又は人の業務に関して、・・・第百十九条・・・の違反行為をしたと きは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。 ○労働安全衛生法施行令(抄) (作業主任者を選任すべき作業) 第六条 法第十四条の政令で定める作業は、次のとおりとする。 (前略) 十五 つり足場(ゴンドラのつり足場を除く。以下同じ。)、張出し足場又は高 さが五メートル以上の構造の足場の組立て、解体又は変更の作業 (後略) ○労働安全衛生規則(抄) (作業主任者の選任) 第十六条 法第十四条の規定による作業主任者の選任は、別表第一の上欄に掲げる 作業の区分に応じて、同表の中欄に掲げる資格を有する者のうちから行なうものと し、その作業主任者の名称は、同表の下欄に掲げるとおりとする。 (第十六条、第十七条関係) 作業の区分 資格を有する者 令第六条第十五号の作業 足場の組立て等作業主任者 技能講習を修了した者 別表第一 名称 足場の組立て等作業主任 者 (足場の組立て等作業主任者の選任) 第五百六十五条 事業者は、令第六条第十五号の作業については、足場の組立て等 作業主任者技能講習を修了した者のうちから、足場の組立て等作業主任者を選任し なければならない。
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