要旨 - 南山大学;pdf

コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョン にお け る苦 手 意 識 を克 服 す る
一 自 己 開 示 を手 が か り と して ―
2008HP052河 合 陽 兵
目的
私 た ち は 日常 に お い て 人 間 関 係 を 営 ん で い く 中 で 、 さま ざ ま な 情 報 や 知 識 をや り と り
して い る 。 そ の 中 で も特 に私 自身 の 意 見 や 感 情 、 欲 求 な ど の 「 自分 自身 に 関 連 した 情
報 」 を 特 定 の 相 手 に伝 え る こ とを 自己 開 示 と い う。 私 が 自 己 開 示 を 問題 に して い る の
は な ぜ か と い え ば 、 今 ま で 自身 の こ とを他 者 に 対 して 晒 した り、 自分 の 感 情 や 考 え を
表 現 す る こ とに 、 強 い 苦 手 意 識 を感 じ、 そ れ が コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョン に 対 して の 苦 手 意
識 に も つ な が っ て い る と考 え た か らだ。
そ こで 本 論 に お い て 、 自己 開 示 を 手 掛 か り と して 、 自身 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョン に 対
して の 苦 手 意 識 を 克 服 す る こ とを 目的 とす る。
考察
まず 第 1章 で コ ミュ ニ ケ ー シ ョンに お い て 自己開示 が担 う役 割 を明 らか に し、 どの
よ うな要 因 が 自己開示 を促 進 、 あ る い は 阻害す る の か も明 らか に して い く。
第 二 章 で は 自己 の 意 識や 感 情 を見 つ め 把 握 し、それ をイ メー ジや 言語 で 表 現 す るた
め の ダイ ア リー を毎 日作成 した。
第 3章 で は実際 に 、 自己開示 の 促 進 の た め 、人 間 関係 トレー ニ ン グに参 加 し、そ こ
で の 録 音 テ ー プ聴 取や 、 当時 の 振 り返 り用 紙 な どか ら、 どの よ うな 自己開示 が 行 われ
たか 、 自身 の コ ミュ ニ ケ ー シ ョン対す る意 識 の 変 化 を考 察 した 。
結論
これ まで の 取 り組 み で 、 自己 開示 に対 す る苦手意 識 は低 減 す る こ とが で きた。 しか
し実 生活 の コ ミュ ニ ケ ー シ ョンの 改 善 で は課 題 を残 す 結 果 とな つた 。
個 人 の満 足
∼ そ れ こそ が 全 体 へ の 近 道 ∼
201lHP001
秋 田大 輝
目的
個 人 が組 織 に 所 属 す る に あ た り、満 足 を得 られ るか ど うか は重 要 で あ る。 だ が 、個 人 と
全 体 の 満 足 に は差 が あ る と考 え るた め 、個 人 と全 体 の 満 足 に生 まれ る差 をで き るだ け小 さ
な も の に した い 。 そ の た め に 、 まず は 個 人 と全 体 の 満 足 に差 が あ る こ とを示 す 。 そ して 、
そ の 差 が グル ー プサ イ ズ に よ つ て 変 化 す る の で は な い か とい うこ とを考 えた い 。 そ の 結 果
か ら、個 人 の 満 足 を大 切 にす る方 法 の ひ とつ と して グル ー プ サ イ ズ を考 え る こ とを提 案 し
た い。
方法
フ ァ シ リテ ー タ ー・ トレー ニ ン グに参加 した メ ン バ ー に 依 頼 し、 作 成 した満 足 度 シー ト
も用 い て 、個 人 と全 体 の 満 足 の 変 遷 を図 式 化 して も ら う。 個 人 と全 体 の 満 足 度 に は差 が あ
る の か ど うか を調 査 す る。 ま た 、 主 に 大 学 生 を対 象 に 飲 み 会 や 食 事 会 で の 満 足 に つ い て の
ア ン ケ ー トを行 う。 そ の 結 果 か ら 、数 量 的 な デ ー タか らグル ー プ サ イ ズ と満 足 の 関 連 に つ
い て の 考 察 を行 う。
結 果 と考 察
個 人 と全 体 の 満 足 に は 、 た しか に 似 た動 きが 見 られ るが 、 や は り差 が あ る。 そ の 差 は グ
ル ー プ サ イ ズ が 大 き い と起 きや す い 。 この こ とか ら、個 人 と全 体 の 満 足 の 差 を埋 め るひ と
つ の 方 法 と して 、 グ ル ー プ サ イ ズ を小 さ くす る こ とが 考 え られ る。 さ らに 、 ア ン ケ ー トの
結 果 か ら、 グ ル ー プ サ イ ズ が小 さい 方 が 、 よ り高 い 満 足 を得 られ や す い とい う結 果 を得 る
こ と も で き た 。 しか も、 グル ー プ サ イ ズ が小 さい 方 が 満 足 を得 られ る こ とが 多 い に も か か
わ らず 、 多 い 人 数 で 食 事 会 や 飲 み 会 を行 つ て い る人 が 多 い こ とも分 か つ た 。 この こ とは 、
よ り満 足 を得 られ る会 に しよ うと人 を多 く集 め る こ とが 、 逆 に個 人 の 満 足 を下 げ る とい う
反 対 の 結 果 に陥 って い る可能 性 を示 して い る。 個 人 と全 体 の 満 足 の 差 を減 ら し、個 人 の 満
足 を高 め る方 法 の ひ とつ と して 、 グル ー プ サ イ ズ を小 さ くす る とい うの は有 効 な 手 段 で あ
る と考 え る。
優れ た リー ダー シ ップ とは
∼他者 と自分 の組織体験 か ら学ぶ∼
201lHP026
畠山 開
研 究 目的
筆者 は、南 山大学 に唯一 のアカペ ラサ ー クル を創設 し、そ の リー ダー を 2年 半務 めた経験や 日
本人 の感性 を勃興 させ るために芸術振興組織 を創設 し、2015年 で リー ダー就任
3年 目を迎 える経
験 な どの実体験 と南 山大学人文学部 心理人 間学科 で 4年 間学 んだ リー ダー シ ップ論 の実践的差異
について考察 して い く。
「
また、「結果 を出す」 とい う成果 にお い て 、早 さと正確性 が求 め られ る現代 では、 結果 が 出せ
る」 とい う意 味で の 「優れ た リー ダー シ ップ」 は何 な のか を多角的 に検証 して い く。
そ して 、本論文 が学科 生 の リー ダー シ ップに関す る考 え方 につい て深 い 考察 を促 し、視野 を広
げる一 因 となれ ば本望である。
研究方法
まず、文献 な どの先行研 究資料 か ら 「リー ダーシ ップ」 とい う言葉 の 定義 につい て 、様 々 な心
理学 の分野 か ら多角的 に検討 して い く。 そ の上で 「優れ た リー ダー シ ップ」 につい て の 定義付 け
を行 つてい く。
次 に、 そ の学術 的に定義付 け られ た 「優れ た リー ダーシ ップ 」 が実践的 であるか否 か を現代 の
著名 人 (結 果 を出 して 、世 の 中で優れ た人 だ と認 め られて い る人 々)の 文献 を参考 に し、検討 し
て い く。
最後 に 、筆者 の実体験 を通 して感 じた
「優れ た リー ダー シ ップ」像 を明確 に し、言語化 してい
く。 そ して 、 自分 な りの結論付 けを行 う。
考察
本学科 で推 奨 されて いる と感 じられ る場面が多 々 ある
「フ アシ リテ ー ター型 リー ダー シ ップ」
が現代 にお ける 「優れ た リー ダー シ ップ」 ではな い 、 と結論 し、考察す る。
「フ ァシ リテー
の
リー ダー シ ップ とは幹 であ り、そ の木 の枝 として様 々な型 が存在 して い る だ。
の に学び
の
ター型 リー ダー シ ップ 」 もそ の 1つ の枝 に過 ぎず、唯 一絶対 ではな い。 そ 1つ だけ 枝
の比重 を傾 け、少数 であろ うがなか ろ うが 、学科 生 に影響 を与 え、思考 の幅 が狭 くな る。 または
そ の思想 に傾倒 して しま う、 とい う意 味で非常 に危惧す るカ リキ
ュ ラム だ と考 える。
「優れ た リー ダー シ ップ」 とハ ッキ リと知覚 で きる概念 は存在 してお らず 、変化 してい く環境
い
とい うことが「優
にお いて適切 に状況 を把握 し、そ の場 に合 った リー ダーシ ップを発揮 して く、
れた リー ダー シ ップ」 と呼 べ るものである。
自己概 念 の 明確 化
201lHP031
日野 咲 子
研究 目的
わた しは普段、 自分 の性格 を尋ね られて も、上手 く答 え られない。例 えば就職活動
の面
こない答 えばか りを述 ベ
接 で よ く長所や短所 を質問 された が 、その際 も自分 では しつ くり
ニ
い
型授業 で 、
て しま つた。そんな中参加 した、フ ァ シ リテ ー ター トレー ング と う体験 学習
同 じグル ー プの人達に 「面倒 見 が良い」 と言われ た。 これまで 自分
でそ う思 つた こ とがな
かったた め、それ を聞 いて とて も驚 いた。 この出来事 が きつか け とな り、 わた
しは 「自分
この問題 を解決
で 自分 自身 の ことを しつか り把握で きてい ない」 のだ と感 じた。そ こで 、
す る ことを 目的 として研究 を行 うことを決 めた のである。
研究方法
のフ ィー ドバ ック・ デ
まず人間関係概論 な ど、今 まで の体験学習型授業 での他者か ら
が どう
ー タと、ゼ ミや アル バイ ト先 で行 つたアンケー トの結果 を分析 し、他者 か ら自分
ー
わた しの第 一 印象 と今
見 られ て い るのか とい うことを把握す る。 アンケ トの内容は、
る言葉 を選 ん
の印象 を問 うもの 、そ して 自己概念 を表す言葉 の 中か らわた しに当てはま
「
パ ター ン
で も らうといつた 内容 であ る。次 に 自分 の言動 を振 り返 つて記録す る、 反応
る。そ うす る
チ ェ ックシー ト」や 日記 を通 して 、 自分 の 思考や感情 の傾 向を分析 す
こと
をマ ップ上に配置
で 自分 自身 を改 めて見直す。 そ して最後 に 自己概念 を表す 20の 言葉
す る ことによ り、 自分 の 自己概念 を図示す る実習
「わた しマ ップ」 を実施す る。以前 は
全て の 自己概念 を表す言葉 が 自分 に当ては ま つて しま
つて い るとい う結果 だ つたが 、本
研究 を通 して、変化 が 現れ るか を検証す る。
整
まで よ り自
「他者 か ら見た 自分」 と 「自分 か ら見た 自分」 について検討す る ことで、今
に行 つた 「わた しマ ップ」 では、以
分 の 中で 自己概念 が明確 にな つた と感 じて い る。最後
前 の結果 とは違 い 、 自分 に在 るもの と無 い ものが
マ ップ上で明確 に分かれ た。特 にア ンケ
つ
「現在 の 自分」が周囲 に どう見 られ て い るか知 る ことができるよ うにな た
ー トによつて 、
のだ と考 えて い る。また、
ことが思 い込みを取 り除 き、客観 的に 自分 を見 る ことがで きた
い ことに も気 づいた。今 ある自己概念 に
自己概念 とは成長 と共 に変化 してい くものだ と う
変 わ つてい くことを恐れず、自分 に 自信
囚 われず 、
を持 つて生 きて い きた い と考 えてい る。
対人コミュニケーションにおける自己開示
201lHP037 螂
て
イ
研究目的
筆者のコミュニケーションを振 り返ると「相手にどう思われ る力」 をに注目し、自分を素直に表現でき
ない事が多し、 この事から、自己のコミュニケーションを改善するためには “自己開示"が より重要であ
ると考え、本研究では以下の 3つ の目的を設定 した
①自己 。他者双方にとつて良い言語的 コミュニケーションの方法を探す
②自己の言語的 コミュニケーションの課題を明ら力ヽこする
③その課題を解決するための試みを行 う
け
研究するにあたり、目的①¨③を段階として捉え、各々に取 り組む。
アサーテ
ジョハ リの窓"を 、自己表現のあり方については “
目的①については、自己開示については “
ィブな自己表現 'を 取 り上げ、言語的 コミュニケーションの重要性を考えるとともに、その方法を探る。
パ
目的②については、2014年 5月 20日 ∼10月 4日 の 日常の出来事を記録 した反応 ターンチェックシ
ー ト21枚 と、体験学習による授業である人間関係プロセス論の 2012年 4月 17日 ∼7月 20日 ,2013年
コ
ニ
9月 24日 ∼10月 4日 のジャーナル 7枚 のデータを分析 し、そこから自己の言語的 ミュ ケーションの
課題を見つける。
目的③については、見つけた課題を日常生活で実践 し、その都度記録をとる。その記録より、解決でき
たことと新たな課題を見つけ、本論のまとめとする。
整
コ
ニ ーションの
目的①については、自己開示への抵抗感についてはジョハ リの窓を使つて自分の ミュ ケ
現状 と目標を確認 した。そして、自己表現についてはアサーテイブな自己表現を取り上げ、具体的な方法
を探 し、目指すべき自己表現のあり方を明確にした
コ
ニ ーションの気にな
目的②については、反応パターンチェックシー トを振 り返 り、自分自身の ミュ ケ
る点を取り上げた。更に、人間関係プロセス論を振 り返 り、合わせて分析することで 4つ の課題を確認す
ることができた
目的③については、目的②で確認した 4つ の課題についてそれぞれの行動 目標を立て、 日常生活で実践
した。その結果、課題①∼④の改善 と、更なる今後の課題を具体化することができた
よ
この研究を通 して、自分の気持ちや考えに意識が向くようになつた。そして、自分の気持ちを言葉に
コ ュニケ
って “自己開示"す る事で、相手にとっても自分が何を考えているのかがわかり易く、互いに ミ
ーションが取 りやすいとい う考えに至つた
によつて表現する事
こ
筆者は、今の自分はどう感 じているのか、どんな行動をしたいの力ヽ 注目し、言葉
で、より開けた人間関係 を気づいてい くことができると考える。
言 葉 の 力 につ い て
201lHP052
伊藤爽華
研 究 目的
言葉 は、 コ ミュ ニ ケ ー シ ョンにおいて 重要 な役割 を担 う。筆者 は、 自分 自身 の 考 えてい
るこ と、感 じてい るこ とが上手 く相 手 に伝 わ らな い とい う体験 を して きた。 そ こで 、本研
究では、言葉 の持 つ 力 をまず理解 し、私 自身 の 言葉 の遣 い 方 につい て検討 し、 自身 の コ ミ
ュ ニ ケー シ ョンの 改善 を行 う。 そ の上 で 、言葉 の力 を よ り良 い コ ミュニ ケー シ ョンん に活
かす には ど ういつた こ とが必要 な のか を明 らかにす る ことを本論 の 目的 とす る。
研 究方法
まず 、言葉 の持 つ 力 につい て 先行研 究 を概観す る。 そ の上で 、本研 究 では 自分 自身 の発
言 をデ ー タ として収集 した。 それ らを聞 き手 に どの よ うな配慮 を して い るか とい う視 点で
ポ ライ トネ ス理論 を用 いて 分類 し、 そ こか ら自分 自身 の コ ミュニ ケ ー シ ョンにお ける課題
の発 見 へ と繋 げる。
ポ ライ トネ ス理論 とは、 自己 のパ ー ソナ リテ ィー を他者 に認 めて もらい た い とい う欲求
と、 も う一つ は、 <他 者 の行為 に よつて 自分 の行動 を邪魔 され た くな い 、 それ か ら自由で
あ りた い >と い う欲求 の二つ を人 間 の基本欲求 とした上で、人 と人 との コ ミュニ ケ ー シ ョ
ン とい うの は、 この二つの欲 求 に配慮 しなが ら、相 手 の欲求 を脅か さな い よ うに し、 か つ
自分 の欲求 を守 る行為 を理論化 した もので ある。
研 究結果 。考察
言葉 は、他者 へ と大 き く影響 をお よぼす 。言葉 の力 、 とい うもの を考 えて い く上 で大切
「
な の は、「自覚」 である と考 えた。「自分 自身 が どの よ うな感情 を抱 いてい るのか 」 そ の感
「
情 を どの よ うに相 手 に伝 えて い きた いのか 」 実際選 んだ言葉 の表現 は不必要な断定 が含 ま
れ て い な いか 」「自分 自身 の発言 に どの よ うな配慮 がな され て い るのか」 な ど、 い くつ もの
自覚 が必 要 である。 これ らを 自覚す る ことが 、言葉 の持 つ 力 を理解 し、使用 して い くた め
の第 一 歩 であると考 える。
また、 自分 自身 の コ ミュニ ケー シ ョンをポ ライ トネ ス とい う視点 か ら捉 え直 した こ とで、
自分 自身 が気 がつ かない うちに様 々 な配慮 を聞 き手 に してい る こ とに気 がつい た。 そ の配
慮 にかん して も、必要不 必要 の 自覚 を して い きた い。
また、 自分 自身 の コ ミュ ニ ケー シ ョンを言葉 か ら改善す るた めに 、同年代 の付 き合 いの
浅 い 人物 に対 して意 見 を述 べ る際 には相 手 に配慮 しなが らも 自身 の意見 を しつか りと伝 え
る こ とに、 自分 自身 を貶 める発言 を減 らして い くこ と、聞 き手 に対 して の 自分 自身 のポ ジ
テ ィブな気持 ちを述 べ る発言 を増や してい く ことを、今後 の課題 とす る。
女子 ラク ロス部副 主 将 の役割 の 明確化
201lHP067
木下愛梨
研 究 目的
筆者 は 、2014年 度 、所属す る南 山大学女子 ラク ロス部 で副主将 として選 出 され た。 しか し、
副主将 と しての役割 が 、 主将や他 の戦術 を考 えるポ ジシ ョン リー ダー に比 べ て不明確 であるこ と
に気 づい た。 そ こで 、本研 究では、 さま ざまな視点か ら副主将 の役割 を見直 し、女子 ラク ロス部
において副 主将 とは どの よ うな ものか 、 また どの よ うな役割 が期待 され てい るのか を考察 してい
く。最終的 に 、2014年 度 の女子 ラク ロス部 での活動 につい ての質問紙調 査や 、2013年 度 の 主将
や副主将 へ の イ ンタビュー 調査 を基 に 、女子 ラク ロス部 にお ける副主将 の役割 を明確化す ること
を 目的 とす る。
研 究方法
まず 、副 主将 とい う役割 が一般 的 に どの よ うに捉 え られ て い るかを文献 か ら整理 した上で 、最
上級 生が少 な いに も関わ らず大 きな成績 を収 めた 2013年 度 の 主将 と副主将 に対 してイ ン タ ビュ
ー 調査 を行 い 、女子 ラク ロス部 において求 め られ る副主将像 につい て見出 してい く。
次 に、lヶ 月 に 1回 、無記名 で 、 チ ー ム全体で の懸念や魅力度 の変動 に関す る質 問紙調査 を行
っ た。継続 して調査 して い くことで 、 チー ムの抱 える不安や恐怖 、 またはチ ー ムヘ の魅 力 の度合
いの変化 を把握す る。 2014年 度 の 出来事 とこの質問紙調 査 か ら見 えた懸念や魅力度 の変動 を照
ら し合 わせ る と共 に、筆者 が 2014年 度副主将 として活動 して きたな かで印象 に残 つた 出来事や
行動 につい て の記録 も整理す る。 2014年 度 のチー ムの動 きを振 り返 る と共 に 、筆者 が感 じた 副
主将 に対す る気 づ き、 自身 の副主将 として の活動 の 改善点 な どについ てま とめて い く。
2014年 度 の活動 が終 了 した後、部員 に対 して 自由記述式 の質 問紙調 査 も行 い 、筆者 の活動 に
対す る評価 か ら、女子 ラク ロス部副主将 に何 が求 め られて いたのか を考察 して い く。
考察
2014年 度 の活動や デ ー タか ら、女子 ラク ロス部 の副 主将 の役割 は 3点 であ る と考 えた。1つ
日は主将 の サポー トで ある。 これ は 、仕事 の フ ォ ロー だけではな く、常 に コ ミュニ ケー シ ョンを
取 つて 主将 とい う人 を理解 し、精神 的 な面か ら支 えて い く必要 が ある と考 えた。2つ 目は部員 一
人ひ とりに働 きか けを して い くとい うことであ る。 主将や ポジシ ヨン リー ダーの よ うな明確 な役
割 がないか らこそできる、副主将 に任 され る役割 であ る と感 じた。3つ 日は、 チ ー ム全体 を盛 り
上 げ る とい うことであ る。 これ は、声 かけは もち ろん、 プ レー に真剣 に取 り組む姿で もチー ム を
引 つ張 つてい くことがで きる とわか つた。以 上の点 を うま く組 み合 わせ て個人 とチ ー ム をつ な い
で い くことが 副主将 の役割 で ある と考 えた。今後 、 チ ー ム に とつて効果的 な副主将像 が よ り明確
化 されて い くよ うに、 この結果 を次年度以降、副主将 を担 う後輩 た ちに伝 えてい きた い と考 え
る。
チ ー ム ワー クを高 め る
一 応 援 団 チ ア リー ダ ー 部 に お い て ―
201lHP081
松井千尋
研 究 目的
私 は大 学 で応 援 団チ ア リー ダー 部 に入 部 し、 そ の部活動 の経験 を通 して 、部員 同 士 の強
い 絆 、 チ ー ム ワー クが あ ったか ら こそ、困難 を乗 り越 え、新 しい こ とに も果敢 に挑戦 で き
た と感 じた。 そ してチー ム ワー クが あ ったか ら こそ、 パ フ ォー マ ンスの 高 い 演技 を行 うこ
とが出来 た と考 えた。 そ こか ら、今 後 も応援 団 チア リー ダー 部 が よ り高 い パ フ ォーマ ンス
を行 い 、 さらに組織 と して発展 してい くた めには、優 れ たチ ー ム ワー クを維持 して い くこ
とが必要不可欠 である と考 えた。
本研 究で は 、 チ ー ム ワー クを高 め るために重要 な要 素 を明 らか に し、そ の 要素 を 自分 が
『 チ ー ム ワー クを高 める 3つ
所属す る応援 団チ ア リー ダー部 にお い て活 かせ るよ うま とめ、
の取 り組み 』 とい う内容 のプ ログラム を作成す る ことを、 目的 として挙 げた。
方法
まず 、 チ ー ム ワー ク とは ど うい つ た ものか を明 らか にす る。 そ の 後 、 自分 が所属す る応
援 団 チア リー ダー 部 の チ ー ム として優れ た点 を挙 げて い きな が ら、 まだ足 りて い な い 点や
もつ と良 く してい ける点 を考 える。 そ して 、そ の 足 りな い 点や もつ と良 くして い ける点 を
改善 できる具 体的方法 を考 え、後輩 へ 渡す プ ログラム を作成 して い きた い。
結論
研 究 の結果 、応援 団 チア リー ダー部 とい う集 団 を振 り返 つて 見 つ めなおす こ とで、「きま
り 。規則 が厳 しく定 め られ てい る」、「OB・ OGと の繋 が りが強 い 」、「チア =メ ンバー 全員
で完成す るこ とができるス ポー ツ」 とい うチ ー ム ワー クの心 理的要素 を持 つ こ とに繋が る、
3つ のチー ム として の特徴 を見つ ける ことが 出来 た。
「目
そ して 、応援 団 チア リー ダー 部 にお けるチー ム ワー クを高 める取 り組 み 。方法 として、
標意識 を高 め る」、「コー チ ン グに よるチ ー ム・ マ ネ ジ メ ン ト」、「全体 での ミーテ ィ ング」
の 3つ が挙 げ られ た。
今後 、応援 団チ ア リー ダー 部 の チ ー ム ワー クを今 よ りもつ と高 めて い くために、実際 に
3つ の取 り組 み を後輩 に行 つて も らえるよ う働 きか ける こ とが必要 とな る。 また、先 ほ ど
述 べ た 3つ の チ ー ム として の 特徴 が あ るこ とで、今 の応援 団 チア リー ダー 部 の チ ー ム ワー
クが維持 され て い る と考 え られ るた め、 この 3つ の特徴 、 つ ま リチー ム として優れ た点 を
守 ってい け るよ う、今 ある部活 の運営 の仕 方 を大切 に し、それ を後輩 に しつか り引 き継 い
でい く こ とが大切 にな る と考 え られ る。
体 験 学 習 に よ る 自己評 価 改 善 の 試 み
201lHP091 森 田歩 未
大 学 で授 業 を受 け る 中 で 、 自分 は 自己評 価 が 低 い こ とに気 が付 い た 。 しか し授 業 で の 他
者 か らの フ ィー ドバ ックで は 、 自分 が 思 つ て い る ほ ど評 価 は低 くな か つ た 。 こ う した 体 験
か ら、 自分 に 自信 が な く出来 な い ところ に ば か り 目が 向 い て 、 自己評 価 が 低 くな る悪 循 環
が で きて い る と推 測 した 。 した が つて この 悪 循 環 を断 ち 自分 に 自信 を持 つ た め に 、 自己評
価 の 再 検 討 が必 要 だ と考 えた 。 そ こで 本 研 究 の 目的 と して 以 下
目的
2つ を挙 げ た 。
1:自 分 の 自己評 価 の 現 状 を把 握 す る こ と
。大 学 入 学 時 か ら現 在 の 自己評 価 は 、 どの よ うな も の な の で あ っ た の か を知 る
。自己評 価 が 適 切 か ど うか を検 討 す るた め に 、他 者 か らの 評 価 を確 か め る
目的
2:自 己評 価 を上 げ るた め の 方 法 を探 り、 それ を体 験 学 習 方 法 で 実行 す る こ と
方法
1
方法 2
大 学 の 授 業 デ ー タ を見 直 し、 自己評 価 と他 人 か らの 評 価 を確 認 す る。
日常 生 活 の 中 で あ らゆ る出来 事 に対 す る 自分 の 反 応 を記 録 す る。 そ こか ら 自己
評 価 の パ タ ー ン を見 つ け出 し、低 い 自己評 価 を上 げ るた め の 対 策 を考 え る。
方 法 3: 夏期 集 中講 座 「人 間 関係 トレー ニ ン グ」 に参 加 して 自己評 価 を上 げ るた め の 対
策 を実 行 す る。 また ア ン ケ ー ト調 査 に よ る グル ー プ メ ン バ ー か らの 評 価 と 自己
評 価 との 差 異 を確 認 す る。
だ た
手 い
苦 一
言
が r
L
ヽ
C ′
く
︶ な
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す
話 こ
r る
① ぎ
ヽ す
し ヽ
え
に 考
か ②
ら と
明 こ
を い
と ら
題 な
課 わ
の ま
価 し
評 て
己 け
自 つ
の め
分 決
自 で
分
ヽ
で 自
︶ か
, 初
む
組 最
り と
い とき に言 い た い こ とを言 う」 とい う意識 を持 つ こ と③ 思 考 。発 言 パ タ ー ン を マ イ ナ ス か
らプ ラ ス に 置 き換 え る こ と、 とい う 3つ の 対 策 を考 えた 。 それ を体験 学 習 とい う場 で 実行
「意 識 、
す る こ とに よ つ て 、これ ま で よ り自己評 価 が 改 善 され た と実感 した 。この こ とか ら、
見 方 、思 考 。発 言 の 変 化 」 に よ つ て 自己評 価 改 善 をす る こ とが 可 能 で あ る と考 え られ る。
しか し本研 究 の 取 り組 み だ けで 自己評 価 改 善 が 完 全 に成 し遂 げ られ た わ けで は な く、 日
常 生 活 の 中 で も対 策 の 実 行 を続 け、 さ らな る 自 己評 価 改 善 に努 め て い か ね ば な らな い 。 失
敗 を恐 れ 、 自分 が 出 来 な い ところ に ば か り目を向 け る の で は な く、 自分 に 自信 を持 つて
歩 を踏 み 出 し行 動 して い くた め に は 、 自己評 価 改 善 の 試 み を続 けて い く必 要 が あ る。
1
集 団 的 “手 抜 き "の 心 理
要旨
人 間 関係 ゼ ミ
201lHP094
鍋 田悠 介
本研 究 は 「集 団的 “手抜 き "」 に つ い て で あ る。集 団 的手抜 き が 著者 の 次 の ス テ ー ジで あ
る コ ンサ ル テ ィ ン グ業 界 に 、効 果 的 な働 きか け と して ど う活 用 で き るか を模 索 した もので
あ る。
著者 は南 山大学 の心 理 人 間学 科入 学 を機 に 、数 多 くの 体験 学習や 実習 を経験 した。 これ
らの 経 験 か ら、集 団 の “私 "と 個 人 と して の “私 "に 変化 が生 まれ る こ とを感 じた 。 この
集 団 と個 人 で “私 "変 化 に 関す る要 因 の一 つ と して 挙 げ られ る、 リン ゲ ル マ ン効果 とい う
もの に興 味 を持 った。
この リン ゲル マ ン効 果 は 、 ドイ ツの心理 学者 マ クシ ミア ン・ リン ゲ ル マ ンの 研 究 か ら生
まれ た もの で あ る。「集 団 サ イ ズの 増減 に ともな う成 員 1人 当た りの 出力 の 低 下」 (イ ンガ
ム ,1974)の こ とで あ り、集 団 にお いて 人 は無 意識 に手 を抜 い て しま うとい うもの だ。 こ
の リン グ ル マ ンの 研 究 は 、社 会 的 手抜 き と後 に 言 われ る現象 の 出発 点 とな り、著者 の 関 心
の 根源 で もあ る。 本研 究 で は 、社 会 的手抜 き を集 団 的 手抜 き と称 し、 よ り相 互 関係 に よ つ
て結 ばれ た 集 団 とい う言葉 を用 い る。
手抜 きは決 して特 異 な もの で はな く、 とて も身 近 な場 面 で起 こつてい る。 著者 の そ う し
た 経 験 をデ ー タ と して 、集 団 的 手抜 き が なぜ 引 き起 き る の か を分析 考 察 を した 。 高校 時代
の 部活 動 、就職活 動 、 ゼ ミ活 動 の 3つ の ケ ー ス を取 り上 げ た。 そ の 結 果 と して 、「集 団 的
手抜 き を意識 化す る こ とに よって 、個 も組 織 も活性 化 させ る」 とい う仮 説 を 立 て た 。集 団
的 手抜 きが生 じる こ とを想 定 し、作 業・課題 にお い て 集 団意識・ 構 成 を変 更す る こ とで 、そ
れ を実現 で き る ので は な い か と考 えた。 そ の 可能性 を コ ンサ ル テ ィ ン グ業務 か ら探 っ た。
著者 の 内定 先 で あ り、現在 のアル バ イ ト先 で あ る Y社 が研 究 の フ ィール ドとな る。 そ こ
で の 実体験 をデ ー タ と し、コ ンサ ル テ ィ ング 業務 にお い て 集 団的 手抜 き が生 じて い る場合 、
改 善施 策 、改 善後 の 展 望 に つ い て 分析 ・ 考 察 した 。 集 団的 手抜 きを確認 した 3つ の ケ ー ス
を取 り上 げ、 そ の 改 善施 策 等 々 を提案 した 。
以 上 か ら、社会 的 手抜 き が 身 近 な もので あ る こ と と、それ に よ つて 引 き起 こる影 響 に つ
い て 言及 して きた。 そ して コ ンサ ル テ ィ ン グ業 界 に 、効果 的 な働 き か け と して ど う活 用 で
き るか を模 索 し提 案 した 。 しか し、 まだ まだ業 界 。業務 内容 を深 く知 る こ とで 、 よ り多 く
の 可能性 が あ る と考 え られ る し、 まだ まだ視 点 的 に見落 と して い る面 が 存在 してい る こ と
か ら、 そ の 探 究 に終 わ りが無 い こ とを学 ん だ 。 無意識 を意識 化 す る こ とで、 よ り個 人 の 可
能性 は広 が る と考 え られ る とい え るだ ろ う。