「地域特性と災害特性を考慮した被害軽減方策に関する研究」 専任研究員 照本 清峰 1.活断層沿線区域の防災対策に関する研究 日本には多くの内陸活断層が存在し、その直上や近傍において住宅や公共施設 など、多くの建設物が存在する。このような区域において空間的に何らかの対策 を実施するとなると実質的には問題が多く、特にすでに市街化された区域におい て建築を禁止するなどの 規制策を実施することは困難であり、現実的ではないで あろう。長期的な視点にたって実現可能性 を考慮した災害軽減方法を検討する必 要がある。台湾で実施されている活断層沿線区域の建築制限の事例をもとにその 課題を検討し、日本の土地環境、地震環境に即した対策のあり方の検討を進めて いる。 2.東海・東南海・南海地震の発生する期間における対応方策の検討 東海・東南海・南海地震は連動して発生することは 歴史的に知られているが、 その時間は直後に発生する場合や 2 年後に発生するなど様々である。例えば東 海・東南海地震 が発生した直後から南海地震が発生するまでは極めて高い確率で 巨大地震の発生する危険性が続くことになり、その期間は社会が著しく不安定な 状態になると考えられる。社会や行政がこの期間、どのように対応するかという ことは大きな課題であり、間接的な被害の危険性を探るとともに、それをもとに 早急に準備を進めていく必要がある。本研究では東海・東南海・南海地震の発生 する時間差に焦点をあてて、その期間の広域的な対応方策を検討する。対策の検 討の進め方を図に示す。 過去 の事例 の レビュー 災害対策に関する 事例 のヒアリング 対策案の検討 ワークショップ ( 東海・東南海・ 南海地震の対応課題 の 抽出) 図 東海・東南海・南海地震の対策案の検討の進め方
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