北島酸素株式会社 を増設し、充填されたガスは純度を分 析、より安全で高品質な高圧ガスを提 供している。 東北の震災以降、特に災害対策に力 を注いでおり、JIMGA(日本医療ガ ス協会)と県との協定の中で非常用ボ ンベ・医療用機器の備蓄、当社独自に 医療機関との災害協定を結ぶ等、関係 各所との協力関係も構築している。 当社としても医療用酸素のタンクを 増設し、ガスを充填する際に必要な電 力確保のため設置していた発電機を、 より大型の自家発電装置へ設備更新す 本社社屋 地域発展のために る等対策を講じている。また徳島工場 とりが『命を守る仕事』との誇りと責 には太陽光発電所(北島酸素土成発電 任感を持ち、業務に臨んでいることで 所)を併設していて、万が一の時には 北島酸素株式会社では様々な分野で ある。その心が医療現場の安全と安心 工場内の電力として使用することもで を守っている。 き、災害に強く供給が継続できる環境 使われる高圧ガスを販売している。特 に医療ガス分野においては県内トップ 近年の高齢化に伴い在宅福祉部門を クラスのシェアを誇り、国公立を始め 設立し、在宅医療事業や福祉事業にも 地域の診療所、個人宅まで幅広く対応 展開している。在宅療養は、病院では している。 なく住み慣れた自宅での療養を行える 未来の技術『NEPSYS』 〜北島溶材株式会社〜 創業は昭和 27 年、今年で 63 年を迎 ようにし、QOL(Quality of Life)の えた。初代北島義光が、産業では主流 向上を図る医療のことである。当社に であった薪や石炭といった燃料ではな は福祉用具専門相談員が 4 名常駐し、 ネプチューン社と業務提携し、水中ド く、当時は珍しかったガスに着目し販 個人向けの車いすや杖、シルバーカー ライ溶接 NEPSYS(ネプシス)とい 売をはじめた。創業当時はほとんどが 等の福祉用具レンタル・販売から、住 う技術を日本唯一の代理店として提供 工業用ガスで、車もなくリアカーでお 宅改修、施設向けのベッドや特殊浴槽 している。今までの水中溶接の概念を 客様の所まで運んでいたそうだ。 まで取扱いがあり、利用者の生活スタ 大きく覆した技術、それが NEPSYS イルに合わせて商品を提供している。 である。独自のテクノロジー「水中ド 現在では、徳島県内に 3 拠点、高松、 神戸、東京に事業所を構え、幅広い地 域に高圧ガスをはじめとする商品等を 事業展開している。 命を守る、 それが北島酸素の使命 工業用から出発した事業は、時代の 製造工場と災害対策 ライ溶接」により、従来をはるかに凌 ぐ高品質と恒久溶接を実現。世界各 国、幅広い分野での実績、また主要な 填工場)があり、医療用をはじめ、工 その技術は、あらゆるケースで作業時 業用の酸素ガス、窒素ガス、炭酸ガス 間を短縮し、結果として大幅な経費削 等の充填を行っている。2 年前には医 減へとつなげることに成功している。 療専用の充填ラインとクリーンルーム 公的な機関による非破壊検査(NDT) に直接かかわるもの。だからこそ、ど んな状況にも対応できる態勢が必要』 と、24 時間 365 日、万が一の状況に 備え対応できる体制をとっている。こ れはガス業界の中でも、他社にまねで きない当社の強みとなっている。 その背景にあるのは、従業員一人ひ 徳島工場に併設されている土成発電所 No.378 平成 20 年より、オーストラリアの 国際クラス協会から承認を与えられた してきた。 『医療ガスは、患者様の命 企 業 情 報 とくしま 2015.1 阿波市土成町には徳島工場(ガス充 流れとともに少しずつ医療用へも拡大 10 と体制を作っている。 徳島の 企 業 品質その先へ 企 業 DATA 代表取締役社長 篠原 宏子 会社概要 徳島工場に設置されているタンク の結果、その溶接品質は陸上のドライ 続けていく。 溶接と比べ同等またはそれ以上である ミャンマーを訪問する中で、もうひ ことが証明されている。この技術によ とつ見えてきたことがある。それは村 り、通常であれば修理の難しいパイプ の人たちが河川の水を大きな甕に汲 ラインや、一度地上にあげないといけ み、運んでいる姿をよく目にするとい なかった船舶を低コスト・短時間で修 うことだ。聞くと農村部では、汲んで 理することが可能となった。 きた水の上澄みを煮炊きや飲料にして ●会社名:北島酸素株式会社 ●関連会社:北島溶材㈱、北島プロパン㈲ ●所在地:徳島市東沖洲2丁目18番地 ●設 立:昭和27年8月 ●資本金:4,500万円 ●従業員数:30名 ●電話番号:088-664-2811 ●F A X:088-664-2854 ●U R L:http://www.kitajima-sanso.com/ 性をより強く感じている。 これまでも、全社員によるプレゼ おり、生活排水や汚水との区別もなく、 ンテーションやマナー教室、環境 ISO ダイバーを養成し、いつでも対応でき 乳幼児が死に至ることも稀ではないと 規格に基づいたシステム運用等で従業 るような体制を整えている。またその いう。しかし、100m 程度の深井戸を 員教育を行ってきた。その中で、ホス 他にも、様々な水中における作業等も 掘れば、汚染されていない飲料水を得 ピタリティを根底とし、お客様により 請け負っている。 ることができ、また、井戸ポンプに発 上質のサービスやご提案を提供、また ※北島溶材㈱は昭和41年に北島酸素溶 電機を付加することで夕方から夜 9 時 海外事業に伴い、英会話のレッスンも 材部門を分離独立し設立 まで村に灯りを届けることもできるよ 取り入れグローバル化に対応できる人 うになる。 材の輩出にも取り組んでいる。 当社でも専門の知識と技術を学んだ 海外への展望 〜ミャンマーへの貢献〜 新たな海外事業として、ミャンマー へ貢献する事業に着手した。視察を重 ねた中で見えてきた現地の医療ガスの 当社でも「Water Well Project 2014」 そして従業員一人ひとりにとって、 に参加、本年 2 月にミャンマーの村へ 新たな取り組みの中で多くの方々と出 寄付する井戸が完成予定となっている。 会い、次の展開を考えるという機会に 未来へ向かって 恵まれていることが、何よりの教育と なっている。 今後も今の事業を成功させながら、 現状は、ルールもなく、品質にもばら よく『企業は人なり』というが、当 次へ次へと歩みを止めることなく、地 つきがあり、供給方法も非常に簡易的 社においても徳島のみならず海外へと 域社会に貢献し、徳島から世界へ羽ば なものと、日本で高度に管理されたシ 大きく視野が広がり、人材育成の必要 たく企業として、挑戦を続けていく。 ステムを当たり前と考える我々にとっ ては驚くことばかりだった。ただ現地 の医療現場に携わる方々と接していく と、患者様へ高品質な医療を提供した いという想いは共通であった。そこで 当社の強みである医療ガス分野におけ るノウハウ、品質、安定供給体制、教 育を受けたスタッフによる態勢を「北 島(日本)ブランド」として世界の医 療現場でお役にたてるよう活動を開始 した。一日も早く、ミャンマーに高品 質な医療ガスを提供できるよう努力を 社員の団結力は高い 企 業 情 報 とくしま 2015.1 No.378 11
© Copyright 2024 ExpyDoc