#125 Poster Session American College of Rheumatology 2014 2014年 米国リウマチ学会 NEWS FLASH November 14–19, 2014 in Boston, Massachusetts 超音波検査は生物学的製剤治療中の関節リウマチにおける関節破壊に 関連するパワードプラ(PD)シグナルを検出 PD Signal Detected By Ultrasonography Relates to Joint Destruction in Rheumatoid Arthritis Under Biologics Therapy in Real World 浜 真麻 先生 横浜市立大学附属病院 リウマチ・血液・感染症内科 本研究では、超音波検査のパワードプラ(PD)シグナルが実臨床において生物学的製剤治療を行っている関節リウマチ(RA)患者の関節破壊を予測 しうるかについて検討を行った。その結果、観察期間のいずれの時点においてもPDシグナルの存在は関節破壊と有意に関連しており(表2,3)、生物 学的製剤投与下においても超音波による関節の評価は適切な介入を行うために有用である可能性が示唆された。 ・対象は2009年1月∼2014年3月に1剤以上の生物学的製剤で6ヵ月以上治療を継続したRA患者100例で、 両手全関節のPDシグナルを0∼3で評価 し、 その合計を総PDスコアとした。 ・レントゲン進行はベースライン時および最終観察時の手部X線像に基づくmodified Sharpスコア変化量(ΔmTSS)>0.5U/年と定義した。 ・レントゲン進行は51例 (表1)、計2,200関節のうち155関節(7.0%)に認められた。 ・非進行例に比べ進行例では、最終観察時のDAS28-ESRは有意に高く、総PDスコアは高い傾向が認められた (図1)。 ・多変量回帰分析の結果、レントゲン進行の独立した予測因子として、 ベースライン時のCRPおよび平均PDスコアが同定された (表2)。 ・レントゲン進行のあった関節では、いずれの時点においてもPDシグナルを有意に高率に検出した(表3)。 表1 患者背景(100例) 女性、例数(%) a 年齢、歳、平均±SD Stage Ⅰ / Ⅱ / Ⅲ / Ⅳ 進行 (n=51) 非進行 (n=49) 45 (88.2) 40 (81.6) 64 (19-85) 罹病期間、年、平均±SD a DAS28-ESRと総PDスコアの変化 図1 ** 55 (29-77) 6.5(0.1-38.6) 4.1(0.1-26.8) 2 / 28 / 8 / 13 15 / 21 / 1 / 11* 47 (92.2) 38 (79.2) DAS28-ESR 10 p=0.0374 対応のない t 検定 8 6 4 4 2 リウマトイド因子陽性、 例数(%) ベースライン 最終 ベースライン 進行 抗シトルリン化ペプチド抗体陽性、 例数 (%) 33 (86.8) 33 (80.5) メトトレキサート使用、例数 (%) 29 (56.9) 33 (67.3) 8.3±3.0 9.0±4.2 手のmTSS、平均±SD 39.1±31.6 35.1±35.8 生物学的製剤投与期間、 ヵ月、 平均±SD 28.0±16.6 22.6±16.8 27 (52.9) * 10 (20.4) 最終 非進行 総PDスコア 50 p=0.0709 対応のない t 検定 40 メトトレキサート用量、mg、 平均±SD 30 20 10 b 生物学的製剤の変更、例数(%) 0 2 a:対応のない t 検定、b:χ 検定 *p<0.05 **p<0.01 ・ 観察期間25.3±16.8ヵ月中、 51例にレントゲン進行が認められた。 ・ 進行例の患者背景は非進行例に比べ、高齢でより病期が進行しており、生物 学的製剤の変更を行った患者が多かった。 表2 多変量回帰分析(ステップワイズ法) ベースライン 最終 平均 ベースライン 進行 最終 平均 非進行 非進行例に比べ進行例では、最終観察時のDAS28-ESRは有意に高く (p= 0.0374)、総PDスコアは高い傾向 (p=0.0709) が認められた。 表3 関節ごとのPDシグナルと関節破壊の関連 OR (95%CI) p値 標準化β t値 p値 生物学的製剤変更 0.1844 1.9662 0.0524 初回PD (+)関節、 個数 (%) 74 (48.1) 223 (10.9) 7.81(5.52, 11.1) <0.0001 ベースラインCRP 0.3046 3.1276 0.0024 最終PD (+)関節、 個数 (%) 36 (24.8) 6.97(4.51, 10.8) <0.0001 平均PDスコア 0.3144 2.9384 0.0042 平均PD (+)関節、 個数 (%) 91 (59.1) 282 (13.8) 9.04(6.40, 12.8) <0.0001 重相関係数:R=0.6544、 決定係数:R 2=0.4283 多変量回帰分析の結果、 レントゲン進行の独立した予測因子としてベースライ ン時のCRP(p=0.0024)および平均PDスコア(p=0.0042)が同定された。 企画・提供: n=2,200 進行 非進行 (n=155) (n=2,046) 独立変数 83 (4.5) 対応のない t 検定 レントゲン進行のあった関節では、いずれの時点においてもPDシグナルを 有意に高率に検出した(各p<0.0001) 。 この資材は学会の最新情報を掲載しています。 掲載されている薬剤の使用にあたっては各薬剤の添付文書を参照ください。
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