パワーエレクトロニクス講義資料 第15回 3相PWMインバータ(つづき) 担当:古橋武 [email protected] 1 11.3 1 0.5 p.170 PWM制御(3パルスPWM) vcomu vcomv vtri vcomw t -0.5 -1 vu vv vw VE 1 0 VE 0 VE 0 2 3 4 5 6 1 2 3 5 4 6 1 3 2 t 4 5 t 6 t VE vuv vcomu > vtri のとき Tr1 ,Tr2 vcomu < vtri のとき Tr1 ,Tr2 vcomv > vtri のとき Tr3 オン,Tr4 オフ vcomv < vtri のとき Tr3 オフ,Tr4 オン t 0 -VE VE vvw t 0 -VE VE vwu vcomw > vtri のとき Tr5 オン,Tr6 オフ vcomw < vtri のとき Tr5 オフ,Tr6 オン t 0 -VE 2 図11.6 3パルスPWM制御法の出力電圧波形 11.3 1 0.5 p.170 PWM制御(3パルスPWM) vcomu vcomv vtri vcomw vcomu > vtri のとき t Tr1 オン,Tr2 オフ vcomu < vtri のとき Tr1 オフ,Tr2 オン t -0.5 -1 vu vv vw VE 1 0 VE 0 VE 0 2 3 4 5 6 1 2 3 5 4 6 1 3 2 4 5 t 6 t VE vuv vcomv > vtri のとき Tr3 オン,Tr4 オフ vcomv < vtri のとき Tr3 オフ,Tr4 オン t 0 -VE VE vvw t 0 -VE VE vwu vcomw > vtri のとき Tr5 オン,Tr6 オフ vcomw < vtri のとき Tr5 オフ,Tr6 オン t 0 -VE 3 図11.6 3パルスPWM制御法の出力電圧波形 1 0.5 vcomu vcomv vtri vcomw t -0.5 -1 vu vv vw VE 0 VE 0 VE vuv 1 0 VE 0 2 3 4 5 6 1 2 3 5 4 6 1 3 2 t 4 5 t 6 vuv=vu - vv t t -VE VE vvw t 0 -VE VE vwu t 0 -VE 4 図11.6 3パルスPWM制御法の出力電圧波形 p.174 三相PWMインバータの実験回路 Tr1 D1 Tr2 D2 Tr3 D3 Tr4 D4 Tr5 D5 VE vu vv Tr6 D6 vw vuv + vcomu vcomv - vtri vPWMu + - vcomw vPWMv + - vPWMw vvw vR R = 2 [kΩ], L=150 [mH] 三相PWMインバータの回路 5 p.170 vcomu 1 0.5 0.1 vtri p.174 vcomv 0.2 0.3 0.4 t[ms] -0.5 -1 vu [V] 6 4 2 6 4 2 [V] 6 4 2 -2 -4 -6 t[ms] vv vuv 0.1 0.2 0.3 0.4 0.2 0.3 0.4 t[ms] vR 0.1 t[ms] 図11.6 3パルスPWM制御法の出力電圧・電流波形 スイッチング周波数 fsw = 15[kHz], R=2[kΩ], L150[mH], VE = 6[V] 6 p.175 vcomv vcomu 1 vtri 0.5 t[ms] 0.2 -0.5 0.4 0.6 0.8 1 0.4 0.6 0.8 1 0.4 0.6 0.8 1 0.4 0.6 0.8 1 -1 vu [V] 6 4 2 t[ms] 0.2 vv 6 4 2 6 4 2 -2 -4 -6 [V] 0.2 vuv t[ms] vR 0.2 図11.12 9パルスPWM制御法の出力電圧波形 t[ms] 参考 27パルスPWM制御 vcomu vtri 1 0.5 0.5 1 1.5 2 2.5 3 1.5 2 2.5 3 t[ms] 3.5 -0.5 -1 6 vuv 4 vR 2 -2 0.5 1 t[ms] 3.5 -4 -6 8 vtri vcomu 1 1 0.5 0.5 0.005 0.01 0.015 0.02 0.005 -0.5 -0.5 -1 -1 vuv p.176 vcomu vtri 0.01 0.015 0.02 0.01 0.015 0.02 vuv 1 1 0.005 0.01 0.015 0.005 0.02 -1 -1 1 0.8 0.6 0.4 基本波 1 0.8 第7高調波 11 17 19 0.2 0.6 23 ⎛ 基本波 ⎜⎜ 振幅 : 0.8 ⎝ ⎞ 3 ≈ 0.69 ⎟⎟ 2 ⎠ 第7高調波 11 0.4 17 19 0.2 (a) 3パルス (b) 9パルス 図11.13 出力線間電圧の高調波解析結果 9 非同期モード 三角波のゼロクロス点と指令電圧の ゼロクロス点が一致していない. vcomu vtri t vuv t vcomu vtri t vuv t vtri 三角波 vtriの周 波数は 指令電 圧vcom の周波 数 vcomu t 出力周波数 スイッチング周 波数 vuv t 非同期モード 三角波のゼロクロス点と指令電圧の ゼロクロス点が一致していない. vcomu vtri t vuv 三角波vtri の周波数 は一定 t vcomu vtri t vuv t vtri vcomu t vuv t 指令電圧 vcomの周 波数のみ 可変 出力周波数 増大 スイッチング周 波数一定 同期モード vcomu vtri 1 -1 vuv VE -VE vtri vcomu 1 -1 vuv VE -VE vtri vcomu 1 -1 VE -VE vuv 指令電圧v com の 周 波 数 fcomと 三 角波vtriの繰返し 周波数ftriの (この例では 出力周波数 1/9 )に保ってい スイッチング周波数 る. 12 同期モード vcomu vtri vcomu 1 -1 vuv VE -VE vtri vcomu 1 -1 vuv VE -VE vtri vcomu 1 -1 VE -VE vuv 指令電圧v com の 周 波 数 fcomと 三 角波vtriの繰返し 周波数ftriの 比( fcom / ftri ) を常に一定 (この例では 出力周波数増大 1/9 )に保ってい スイッチング周波数 る. 13 増大 vCE > 0, iC > 0の期間がある.ト ランジスタ内の損失となる. →スイッチング損失Elossという. Trにおけるスイッチング損失 (実験波形例) vBE RL 100[Ω] VE RB 100 [V] D iC 150 15 100 10 50 5 0 0 vBE -5 0 100 [Ω] 0.5 1 1.5 2 1 1.5 2 t [µs] -10 vCE vBE vCE vCE [V] [A] 1 Tr 2SC4507 400V, 5A iC 0.5 t [µs] 0 0.5 ベースエミッタ間電圧 vBEが負となってもし ばらくの間コレクタ電 流iCが流れ続けている. vCE > 0, iC > 0の期間がある.トランジ スタ内の損失となる.→スイッチン グ損失Elossという. Trにおけるスイッチング損失 (実験波形例) Eloss = ∫ vCEiC dt [J] vCE RL 100[Ω] VE RB 100 [V] D iC 150 15 100 10 50 5 0 0 vBE -5 0 100 [Ω] 0.5 1 1.5 2 1 1.5 2 t [µs] -10 vCE vBE vCE vBE [V] [A] 1 Tr 2SC4507 400V, 5A iC 0.5 t [µs] 0 0.5 ベースエミッタ間電圧 vBEが負となってもし ばらくの間コレクタ電 流iCが流れ続けている. 高速時におけ る同期モード 1 -1 VE スイッチング周波数fsw が高くなる. →スイッチング損失が 増大する. Ploss = Eloss ×fsw [W] -VE 1 -1 VE -VE → 1 700系新幹線(1.5kHz) -1 VE 指令電圧の周波数 fcomと三角波の繰返し 周波数ftriの比( fcom / ftri )を常に一定に保つ (この例では 1/9 ) (a) 9パルス 三角波の繰返 し周波数 ftriを 1/3に低減して, -VE (b) 3パルス 16 高速時におけ る同期モード 1 -1 VE スイッチング周波数fsw が高くなる. →スイッチング損失が 増大する. Ploss = Eloss ×fsw [W] -VE 1 -1 VE -VE → fswには上限がある. 1 700系新幹線(1.5kHz) -1 VE 指令電圧の周波数 fcomと三角波の繰返し 周波数ftriの比( fcom / ftri )を常に一定に保つ (この例では 1/9 ) (a) 9パルス 三角波の繰返 し周波数 ftriを 1/3に低減して, fswを下げる. -VE (b) 3パルス VE -VE 17 (c) 1パルス スイッチング周波数 電車におけるパルスモード切替の例 9P 3P 1P 時速 PWMパルスモード切り替えの例 18 電車におけるパルスモード切替の例 スイッチング周波数 非同期 モード 同期モード fcom / ftri =1/9 fcom / ftri =1/3 fcom / ftri =1/1 9P 3P 1P 時速 PWMパルスモード切り替えの例 19 高速時における同期モード 三角波と指令電圧のゼロクロス 点が常に一致するようにする. スイッチング周波数 非同期 モード 1 -1 VE -VE 同期モード 1 -1 9P VE 3P 1P 指令電圧の周波数 fcomと三角波の繰返し 周波数ftriの比( fcom / ftri )を常に一定に保つ (この例では 1/9 ) -VE (a) 9パルス 時速 1 三角波の繰返し周波数 ftriを 1/3 に低減 -1 VE -VE (b) 3パルス VE -VE 20 (c) 1パルス 同期がとれないとどうなるか? 正負非対称 毎周期で波形が異なる. 21 同期がとれないとどうなるか? 正負非対称 毎周期で波形が異なる. モータの過 熱・振動・ 騒音 22 新幹線 http://ja.wikipedia.org/wiki/新幹線100系電車 100系(1985~) 設計最高速度:275 km/h 主電動機:直流直巻電動機 制御装置:サイリスタ位相制御 ブレーキ方式:発電ブレーキ併用 http://ja.wikipedia.org/wiki/新幹線300系電車 300系((1990~) 設計最高速度 285 km/h 主電動機: かご形三相誘導電動機 制御装置: VVVFインバータ制御(GTOサイリスタ 素子) スイッチング周波数 420 [Hz] ブレーキ方式: 回生併用 新幹線で初のVVVFインバータ制御を採用。交流 モーターの採用により100系の直流モーターと比 較して出力は約30%アップしながら質量は約半分 になっており、車両全体の軽量化に寄与している。 また、VVVFインバータ制御を利用した回生ブレー 23 キも新幹線車両として初めて装備。 http://ja.wikipedia.org/wiki/新幹線N700系電車 http://ja.wikipedia.org/wiki/新幹線500系電車 500系(1992~) 設計最高速度 365km/h 主電動機: かご形三相誘導電動機 制御装置:VVVFインバータ制御 (GTOサイリスタ素子) ブレーキ方式: 回生併用 N700系(2005~) 主電動機 かご形三相誘導電動機 制御装置 VVVFインバータ制御 (IGBT) スイッチング周波数 1.5 [kHz] ブレーキ方式 回生併用 ・非同期期間 列車発車直後から 300系 約 5秒間 500系 約22秒間 N700系 約25秒間 ・騒音レベル N700系ではモータの騒音が小さい 24
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