センター生物~解説~ 第3問 全体についてのコメント A は,受容器と神経系についての知識を問う問題。問 1・2 は消去法が無難。 B の問 5 では,敢えて『分数』の形で問われており,ひと手間余計にかかる。問 6 は,結論を推測する 情報が少ない。時間的にもレベル的にも若干キツイ大問であったと思う。 設問別解説 問 1 適刺激についての知識問題。受容器については視覚器と聴覚器を中心に扱われ,高等学校や予備校 の授業で味細胞や嗅細胞についてはほとんど触れられなかっただろう。 ①~③をしっかり消去すればよ い。①は適刺激の記述ではない。②重力変化を受容するのは内耳。③桿体細胞は光の波長を識別できな い。 問 2 神経系についての知識問題。①脊髄も中枢神経系。②本能行動は辺縁皮質。③大脳への興奮の中継 をする場所は間脳の視床。⑤灰白質と白質が逆。⑥感覚神経は背根,運動神経は腹根を通る。なお,④ について,延髄は「呼吸の調節や心臓の拍動調節」と表現されることが多く,血管の収縮で迷う学生が 多いだろう。因みに,教科書にはシッカリと記載されている。 問 3 受容器についての基礎知識問題。これは非常に易しい。設問内容が問 1 の②の選択肢内容と若干か ぶる。 B 問 4 植物ホルモンのはたらきについての基礎知識問題。非常に易しい。 問 5 植物ホルモンついての知識と実験データの解釈を要求する問題。リード文で 「遺伝子 X と Y は細 胞内でのオーキシン(以下オ)やサイトカイニン(以下サ)濃度を上昇させる」ことを読み取る。なお,本 設問にはオに不定根形成促進作用があること,もしくはカルスからの分化についての知識が必要とな る(←これは教科書本文 or 参考実験として記載されている)。 続いて,変異体 x では根に分化していることから「サ<オ」であり,遺伝子 X はサ濃度を高めるこ とが分かる。同様に考えると遺伝子 Y がオ濃度を高めることが決められる。すると,変異体 x では濃 度比(オ/サ)は大きな値となり,変異体 y ではこの比は小さな値となる。各変異体で野生型と比べてど ちらの濃度が変化するかに注目すると手早く処理できるだろう。 問 6 リード文の読解問題。アグロバクテリウムが感染した細胞内ではオとサの両方の濃度が上昇して細 胞塊を形成することがリード文に書かれている。 遺伝子XとYの具体的なはたらきは断定できないが, これらの遺伝子によって細胞自身がオとサを多く合成すると予想でき,根や芽に分化せず,植物体に も再生しないと考えられる。
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