1塩基置換アミノ酸変異体発現プラスミドベクターの精製/日本語

Application Note 2015〈11〉
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製 品 名 : FastGene
Xpress Plasmid PLUS Kit(FG-90202P, FG-90302P)
メ ー カ ー 名 : 日本ジェネティクス株式会社
TM
アプリケーション : 1塩基置換アミノ酸変異体発現プラスミドベクターの精製
下記のデータは、筑波大学大学院 生命環境科学研究科 生物機能科学専攻 深水研究室 金子 悠太 様、大徳 浩照 様のご厚意により
掲載させて頂きました。
方法
ある酵素のアミノ酸置換変異体を作製し、野生型と変異体の酵素活性を細胞内で検証することを研究目的とし、野生型酵素を組み込んだ哺乳類
培養細胞用発現ベクターに、PCR法で1塩基置換変異を導入することで、アミノ酸置換変異体を発現する発現ベクター(下記4種類)を構築し、
本キットを用いてプラスミドの精製を実施しました。
● サンプルの条件
変異を導入した発現ベクター(全長6.0 kb)4種類(変異体 A. B. C. D)
● 手順
1. プラスミドDNAを形質転換した大腸菌(Top10F’)をLB培地(+アンピシリン)100mLで培養(37℃ 12 hr)した
2. FastGeneTM Xpress Plasmid PLUS Kit を使用してプラスミドDNAを回収した
3. DNAの収量を吸光度計で測定し(結果①)、100 ng DNAを電気泳動にて確認した(結果②)
4. HEK293T細胞にトランスフェクションし、ウエスタンブロットでその発現量を比較した(結果③)
結果
① 回収後のDNA量
1. 変異体 A 1145 μg
2. 変異体 B 1190 μg
3. 変異体 C 1145 μg
4. 変異体 D 1160 μg
100mLの培養液から1000μg程度のプラスミドDNAが安定して
回収できた
② アガロース電気泳動の写真
M
1
bp
2
3
4
C
8000
c.c.c.
4000
1600
800
M KAPA Express ladder(Cat.No. KK6304)
1 変異体 A
2 変異体 B
3 変異体 C
4 変異体 D
C 野生型コントロール(マニュアル操作で精製したDNA)
以前の方法と同様、純度の高いプラスミドDNAが回収できた
400
200
100
(多くがc.c.c.DNAであり、c.c.c.DNAの追加精製をする必要がない)
100V. 20min
③ ウエスタンブロットの写真
C
2
3
4
5
C 野生型コントロール(マニュアル操作で精製したDNA)
2 変異体 A
3 Xpress Kitで精製(変異体 A. B. C. D以外のサンプル)
4 変異体 B
5 Xpress Kitで精製(変異体 A. B. C. D以外のサンプル)
以前の方法と同様の発現量が得られた
<お客様のコメント>
以前は、ミドルプレップ後、塩化セシウム密度勾配遠心法によるc.c.c.DNAの精製を行っていましたが、本キットは、回収DNAの多く
がc.c.c.DNAであり、精製が不要になりました。
(遠心には5 ∼ 10時間かかっていました)。
デブリ除去の際に行っていた、遠心作業をフィルターで行うことができ、簡便かつ迅速なプラスミドDNAの回収が実現できました
(マニュアル3時間 vs 本キット 1時間半)。
細胞へのトランスフェクション効率も今までの方法と同等でした。
これからは本キットを使用し、研究していきたいと思います。
http://www.n-genetics.com
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2015JUN