【目的】 ダイオキシン類は, 環境中に広く汚染が確認される内分泌攪乱

28pmB134
ダイオ キシン誘導体 に特異 的な一 本鎖抗体 とス トレプ トア ビジン との機能性 融合
分子 の調製 と評価
○ 山本 珠 実 1,二階堂 里那 1,
諏訪 喜昭 1,片岡 千和2
,津 田石 一之 2,
森岡 弘志 1(l
熊本大 院薬 ,2
cBST)
【目的】ダイオキシン類 は,環境 中に広 く汚染 が確認 され る内分泌撹乱物質であ
る.その毒性 は異性体 ごとに異なるため,特定のダイオキシン類 のみ を測定す る
ことが重要である.そ こで,抗原抗体反応 を利用 した平衡 除外免疫測定法 (
Ki
nEx
A)
が開発 され,従来の測定法 よ り高感度 に特定のダイオキシン類 を測定す ることに
成功 した. しか し,測定 に利用 されてい るモ ノクローナル抗体 は,調製 に費用 と
時間がかか り,また蛍光標識物質が試料 中の混在物 の影響 を受 けやすい といった
問題 点がある.そ こで本研 究では, よ り簡便 に大量調製 ができ,蛍光標識物質 と
の結合 を強化 した測定用抗体の作製 を 目的に,ダイオキシン類 を抗原 とす る一本
s
c
Fv) と, ビオチ ンと高い親和性 を有す るス トレプ トア ビジン (
SA) と
鎖抗体 (
の機能性融合分子の調製 を行 った.【
方法】遺伝子工学的手法 を用いて,ダイオキ
PCB を抗 原 とす る PCB4s
c
Fv と SA とを連 結 した
シ ン類 の一 種 で あ る CoPCB4s
c
Fv
-SA を作製 し,大腸菌発現系 による調製 を行 った. さらに,収量の向上
を 目的に,本研究室で作製 された pCB4s
c
Fvの高収率変異体 Lト43 と SA 変異体
SAmlによる改良を行い,L1
43
_SAmlを得た. この融合分子の抗原お よび ビオ
SPR)解析 で評価 した.また,ダイオキシン
チ ン結合活性 を表面プラズモ ン共鳴 (
0を用いて ,Ki
nExA での実用化 の検討 を行 った.【
結果 ・考察】
バイオセ ンサ spD60
SPR 解析 によ り,L1
43
_SAmlが抗原 とビオチ ンの両方 に対す る結合活性 を保持
43
-SAmlは SA とビオチ ン化蛍光物
してい ることを確認 した.この結果か ら,L1
質 との高い親和性 によ り,蛍光標識 の強化 を可能 にす るこ とが示唆 され た. さら
に,SPD600による PCB4測定用検量線 を作成 した結果,従来の測定用抗体 と比較
し検 出下限値 が低下 した ことか ら,測定感度の向上 に成功 した ことが示唆 された.