ロシア・ルーブルの足元の状況と今後の見通し

臨時レポート
ロシア・ルーブルの足元の状況と今後の見通し
2016年1月15日
ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社
■ ロシア・ルーブルは依然下落基調が続いています。
■ 原油価格が比較的安定した局面ではルーブルは堅調さが見られます。
■ ロシアを取り巻く環境は以前と比べ幾分改善傾向にあると言えます。しかしながら、ルーブルは短期的には原油価
格に左右される展開が続くと予想されます。
【ロシア・ルーブルは安値圏推移】
原油価格や中国株価の大幅下落等を受け、ロシア・ルーブルは対米ドルで75ルーブル付近と過去最安値圏での推移が続い
ています。
【図表:ロシア・ルーブル(対米ドル) 、WTI原油先物の推移】
期間:2013年12月31日~2016年1月11日、日次
(ルーブル)
(米ドル)
ルーブル高
30
110
米ドル/ロシア・ルーブル(左軸)
35
100
WTI原油先物(米ドル/バレル)(右軸)
40
90
ルーブル安
45
80
50
70
55
60
60
50
65
40
70
30
75
20
80
2013/12/31
2014/6/30
2014/12/31
10
2015/12/31
(年/月/日)
2015/6/30
出所:Bloombergのデータを
基にドイチェ・アセット・マネ
ジメント㈱が作成
【原油価格に左右されるルーブル】
2015年通年で新興国通貨が軒並み下落する中、特に、①資源国の通貨(ロシア・ルーブル、メキシコ・ペソ等)や、②外的
ショックに弱いとされる高インフレと経常赤字を抱える国の通貨(ブラジル・レアル、南アフリカ・ランド、トルコ・リラ)の下落幅
が大きくなりました。一方で、原油価格が概ね同水準であった2015年1月末(WTI原油先物価格が48.24米ドル付近)と2015年
10月末(同価格が46.59米ドル付近)の2時点を比較すると、高インフレと経常赤字を抱える国の通貨(ブラジル・レアル、南ア
フリカ・ランド、トルコ・リラ)の下落が目立ちましたが、ロシア・ルーブルは上昇しました。このことからも、原油価格が比較的
安定した局面ではルーブルの堅調さが見てとれます。
なお、この間、米国が利上げに動くとの観測が高まったことも新興国通貨の変動を高める要因となっていましたが、ルーブル
に対する影響は軽微なものに留まりました。
【図表:各国通貨の騰落率(対円)】
期間:2014年12月末~2015年12月末
【図表:各国通貨の騰落率(対円)】
期間:2015年1月末~2015年10月末
ロシア・ルーブル
米ドル
ユーロ
インド・ルピー
インドネシア・ルピア
豪ドル
メキシコ・ペソ
南アフリカ・ランド
トルコ・リラ
ブラジル・レアル
米ドル
インド・ルピー
インドネシア・ルピア
ユーロ
豪ドル
メキシコ・ペソ
ロシア・ルーブル
トルコ・リラ
南アフリカ・ランド
ブラジル・レアル
-40
-20
0
20
(%)
-40
-30
-20
-10
0
10
20
(%)
出所:Bloombergのデータを基にドイチェ・アセット・マネジメント㈱が作成
データは記載時点のものであり、将来の傾向、数値等を保証もしくは示唆するものではありません。
当資料は、情報提供を目的としたものであり、特定の投資商品の推奨や投資勧誘を目的としたものではありません。当資料は、信頼できる情報をもとにドイチェ・アセット・マネジメント株
式会社が作成しておりますが、正確性・完全性について当社が責任を負うものではありません。当資料記載の情報及び見通しは、作成時点のものであり、市場の環境やその他の状況
によって予告なく変更することがあります。当資料に記載されている個別の銘柄・企業名については、あくまでも参考として記載したものであり、その銘柄・企業の株式等の売買を推奨す
るものではありません。 D-160114-2
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【図表:経常収支(対GDP比)予測】
期間:2015年~2017年
【経常収支は改善傾向】
ロシアの経常収支は改善傾向が続いており、2016年以降も
黒字を維持すると予想されています。経常黒字の拡大が続
けば、受け取った外貨を売りルーブルを買う圧力も強まると
見られ、ルーブルのプラス材料となると期待されます。
(%)
8
2015年
2016年
2017年
6
4
2
0
-2
-4
-6
ロシア
ブラジル
中国
インド
南アフリカ
出所:IMF World Economic Outlook, October 2015のデータを基にドイチェ・
アセット・マネジメント㈱が作成
【債務返済に窮するとの懸念は限定的】
2014年半ば以降、原油安を背景に外貨を十分に確保できず、且つルーブル安により外貨建債務の実質的負担が増大したこ
とが、ロシアに対する市場心理悪化の一因となりました。当時、ロシア中銀はルーブルの変動を抑制するための為替介入を
実施していたため、外貨準備高が大幅に減少しました。その結果、ロシアが対外債務の返済に窮するのではないかとの懸念
が市場に広がり、クレジットリスクの指標となる5年物CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)が大幅に拡大しました。
中銀が為替介入を停止したため、足元外貨準備高はほぼ横ばいで推移しています。そのため債務返済資金が枯渇すること
はないとの見方からCDSも1年前と比べ、低い水準で推移しています。
【図表:金・外貨準備高の推移】
期間:2013年12月27日~2015年12月25日、週次
【図表:5年物CDSの推移】
期間:2013年12月31日~2016年1月11日、日次
(億米ドル)
6,000
(ベーシスポイント)
700
5,500
600
500
5,000
400
4,500
300
4,000
200
3,500
3,000
2013/12/27
100
2014/6/27
2014/12/27
0
2013/12/31
2015/6/27
2014/6/30
2014/12/31
(年/月/日)
2015/6/30
2015/12/31
(年/月/日)
出所:Bloombergのデータを基にドイチェ・アセット・マネジメント㈱が作成
【ルーブルは神経質な展開を予想】
新興国景気に対する先行き不透明感が高まる中、ルーブルも神経質な展開となることが予想されます。足元のルーブルの
水準から中銀は当面政策金利の水準を維持、もしくは引き上げることも検討するものとも考えられます。
欧米諸国からの経済制裁は2015年末に延長されましたが、今後解除に向けた動きが見られればルーブルの下支え要因と
なるとも考えられます。
しかし、足元のルーブル市場は原油価格の変動に大きく影響を受けており、原油価格の動き次第ではルーブルが大きく変動
する可能性があると見ています。
データは記載時点のものであり、将来の傾向、数値等を保証もしくは示唆するものではありません。
当資料は、情報提供を目的としたものであり、特定の投資商品の推奨や投資勧誘を目的としたものではありません。当資料は、信頼できる情報をもとにドイチェ・アセット・マネジメント株
式会社が作成しておりますが、正確性・完全性について当社が責任を負うものではありません。当資料記載の情報及び見通しは、作成時点のものであり、市場の環境やその他の状況
によって予告なく変更することがあります。当資料に記載されている個別の銘柄・企業名については、あくまでも参考として記載したものであり、その銘柄・企業の株式等の売買を推奨す
るものではありません。 D-160114-2
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ご留意事項
●投資信託に係るリスクについて
投資信託は、主に国内外の株式や公社債等の値動きのある証券を投資対象とし投資元本が保証されていないため、
当該資産の市場における取引価格の変動や為替の変動等により投資一単位当たりの価値が変動します。したがって
お客様のご投資された金額を下回ることもあります。
また、投資信託は、個別の投資信託毎に投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が異なることか
ら、リスクの内容や性質が異なりますので、ご購入に際しては、事前に最新の投資信託説明書(交付目論見書)や契約
締結前交付書面の内容をご確認の上、ご自身で判断して下さい。
●投資信託に係る費用について
【お申込みいただくお客様には以下の費用をご負担いただきます。】
 購入時に直接ご負担いただく費用・・・購入時手数料 上限3.78%(税抜3.50%)
 換金時に直接ご負担いただく費用・・・信託財産留保額 上限1.0%
 投資信託の保有期間中に間接的にご負担いただく費用・・・運用管理費用(信託報酬) 上限2.0404%程度(税込)
 その他費用・・・上記以外に保有期間等に応じてご負担いただく費用があります。
投資信託説明書(交付目論見書)、契約締結前交付書面等でご確認下さい。
≪ご注意≫
上記に記載しているリスクや費用項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費用の料率につきまし
ては、ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社が運用するすべての投資信託のうち、徴収するそれぞれの費用における
最高の料率を記載しております。投資信託の運用による損益は、すべて受益者に帰属します。投資信託は、金融機関
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に際しては、事前に最新の投資信託説明書(交付目論見書)や契約締結前交付書面の内容をご確認の上、ご自身で
判断して下さい。
なお、当社では投資信託の直接の販売は行っておりませんので、実際のお申込みにあたっては、各投資信託取扱いの
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