2016年度大学入試センター試験・分析表 科目 英語・筆記

2016年度大学入試センター試験・分析表 科目 英語・筆記
■ベネッセ・駿台共催/データネット実行委員会
― 第5問に物語が出題され、人物関係や場面の把握がカギであった。難易は昨年並 ―
1.全体概況
【大問数・解答数】
大問数6、解答数55個で、昨年から変更なし。
【出題形式】
第5問の素材文が、昨年まで出題されていた2者の視点から語られる陳述から、
物語に変更になった。本試での物語の出題は2007年度以来である。第5・6問で
昨年出題された語句類推の出題がなくなった。第6問Bの選択肢から段落構成を
示す語がなくなった。
【出題分野】
発音・アクセントから、読解、視覚情報を含む英文理解までの幅広い領域が問
われており、多岐にわたるジャンル・形式の出題であった。
【問題量】
昨年並。
【難易】
昨年並。
2.大問別分析
第1問「発音・アクセント」 (14点・標準) Aの発音問題は、昨年と同様、母音2問、子音1問の出題であった。Bのアクセント問題は、2音節の単語が1問、3音
節の単語が2問、4音節の単語が1問出題され、合計4問の出題であった。Bではpoliticsなどアクセント問題でよく
出る語が出題された。
第2問「文法・語彙語法・語句整序・応答文完成」 (44点・やや難) Aの文法・語彙語法問題は、3年連続、問8~10で空所2ヵ所に入る語の組合せが問われた。Bでは語句整序が出題さ
れ、3問とも対話形式で、選択肢の数が6個である点も変更がなかった。Cでは昨年と同様、二人目の発言が、文法
的に正しく、適切な応答となるような語句の組合せを問う問題が出題された。A問8「接続詞と仮定法」、問
9「usedの用法と時制」、B問3「適切な動詞の特定」、C問2「比較における前置詞の扱い」は、いずれもやや解き
づらかった。
第3問「会話・不要文指摘・発言要約」 (41点・やや難) Aでは、会話文を完成させる問題が出題された。Bは、まとまりをよくするために取り除いた方がよい一文を選ば
せる問題が出題された。英文の主旨をつかみ、前後の文との関連性に注意しながら読解する力が求められ、昨年
よりやや難化した。Cは、ディスカッション形式での発言を要約する問題で、「異文化理解」をテーマとした、あ
る大学の授業に関する内容であった。最後の空所は、1つの談話の要旨をとらえるのではなく、議論の流れを正確
に追って、生徒の考え方を理解する必要があったため、難しかっただろう。
第4問「データ読み取り(図表・広告)」 (35点・標準) Aでは「アメリカのオレンジの輸入」について、昨年と同様、2つのグラフと英文を組み合わせて読解する問題が
出題された。問4では、最終パラグラフに続く内容を予想させる問いが3年連続で出題された。最終段落の最終文
を手がかりとして、続く内容を推測することが求められた。全体的にテーマや情報を特定しづらく、昨年よりや
や難化した。Bでは「美術館に関するウェブサイト」を読み取る問題が出題された。各問の設問文の語数は昨年よ
りやや減ったものの、問われている内容を素早く正確に読み取り、表から必要な情報を取捨選択する力は、これ
までと同様に求められた。
第5問「長文読解(物語)」 (30点・標準) 素材文の種類に変更があり、「料理人ジョンおじさんの半生」についての物語が出題された。複数登場する人物
の関係性の把握や、場面の展開を正確につかむなど、素材に応じた読み方ができるかが問われた。物語特有の展
開や語りに慣れていない生徒は、とまどったかもしれない。問2では、Mikeからみた祖父をUncle John's father
と述べている点を踏まえる必要があった。問5は、物語の内容をやや抽象的に説明した選択肢であったが、該当箇
所はわかりやすかった。
第6問「長文読解(論説)」 (36点・標準) 「オペラ」についての論説文が出題された。昨年と同様にA・Bのパートに分かれ、Aでは内容把握問題が出題され
た。問3では、2つの段落にまたがって正誤を判定する問題が出題された。昨年は英文のタイトルが与えられてい
たが、今年はタイトルを問う問題が問5で出題された。新課程で重視されている、部分的読解にとどまらず、全体
を把握する力が求められた。Bでは、表を完成させる形式で、段落の要旨として適切なものを選ばせる問題が出題
された。昨年新たに追加された、段落構成を示す言葉が選択肢からなくなり、段落の要旨のみで正答を判断する
必要があった。
3.過去5ヵ年の平均点(大学入試センター公表値)
年度
平均点
2015
116.17
2014
118.87
2013
119.15
2012
124.15
2011
122.78